まやの部屋

過ぎていく一瞬 
心に浮かんだことや気になることを書きとめる日記

大金持ちをランチに誘え!

2013-05-04 20:00:46 | 読書

センセーショナルなタイトルがまず目を引きます。

訳者が枝廣さんなので、とても読みやすい、本当にすぐに読めちゃうので、何だかもったいない気がしてしまいます。

人生の成功者になりたきゃ、すぐに行動するしかないでしょ!今でしょ!という今流行りのフレーズを思い出すような本です。

何でもキリスト教と結びつけるのも何ですが、無宗教に近い仏教徒としては、自分のだらしなさをつい、宗教心のせいにしてみたくなります。

自分の能力は神様から預かったものだから、開花させて社会に貢献するのが義務(と言うか何というか)という倫理観。アダムスミスさんもそのような強固な倫理観を持っておられると思います、が。(違うかな?)

そういえば、息子の学校の校長先生もそのように父兄会でお説教されました。(クリスチャンの学校でした) 

人生は時間が限られているから、目標に向かって思いつくことは少なくとも数十個は同時進行で行いなさい!!(ヒェィ~ 一つだけでも大変なのに。。)

そう言えば、フランクリン自伝の中にも、フランクリンが自分の目標行動(30個くらい)を表にして毎日○×をつけて、自分の行動管理をしていると書いてありました。

そして、自分の目標としている分野での成功者に飛び切り高い食事をおごって、そこで話を聞きなさい、その忠告に従いなさい、それが近道だよ、と教えてくれます。
確かにそうかもしれないです。下心見え見えでも、ランチに誘って顔見知りになるのはいいかもしれないですけど… (ランチに来てくれるかな~)
 
こういうこと全てをいつも心に留めて毎日を過ごすとしたら、ちょっとした地獄かもしれないです。この前読んだ本の、不幸な成功者の典型的な例になるのでは?
 
でも、時々思い出して自分の毎日をきりっとさせるにはとてもいい本です。
特に怠惰な毎日を送りだしたら、是非とも読むべきかも… 
 
幸福な農民もいいなあ。
 
 
 
大金持ちをランチに誘え! 世界的グルが教える「大量行動の原則」
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

幸福の経済学

2013-05-04 12:12:48 | 読書

世界中で一番幸福な国、ブータンの暮らしをずっと前テレビの番組でしていました。その幸せそうな人々の顔を見ていると、本当にこの国の人たちは幸せなんだなあ、と羨ましく思ったけれども、実際の所あのような生活をしたいとは思わなかった… 

すごく俗っぽくなっている自分にあきれ返ったけど、今の暮らしをある程度快適だと思っているからかな。

アメリカの研究所の研究員である筆者によると、人は自分の環境に適応する能力が大変高く、他の国から見れば大変貧しくて悲惨(ごめんなさい)な国の人々でさえも、日々の暮らしに満足して幸福だと考える人の割合は高い、らしい。筆者の調査はアフガニスタンにも及び、その調査結果では多くの人が幸福だと答えたということだ。

それに反して、物質的に恵まれている、しかも戦争もない、日本での調査では、幸福だと答えた人の割合が低かったそうだ。質問の仕方でも結果が変わってくるそうなので、筆者は疑問を感じながらも、ほとんど日本のケースについては触れていない。というか、アジア全般の記述は少ない。

移民は祖国での暮らしを捨てて移住先での暮らしに希望を託す。移民できることは、幸福感につながるけれども、移民先では周りの人と比べて自分の暮らしがひどいと思うことが多く、幸福感が低い、らしい。

このように一口に幸福と言っても、「日々の暮らしに満足する」幸福と「自分の思い描いた人生を送れる」幸福の二面性があり、人生の目的を追求できることは幸福ではあるが、その過程では幸福感が低くなる傾向があるそうだ。

これを『幸福な農民と不幸な成功者』という言うらしい。

農民は毎日の労働や暮らしは大変だけれども、日々の生活に大概満足している。つまり、仕事もあるし、暮らしていける。これ以上、何を望むことがあるだろうか、という幸福感。

対して、成功者は目標をどんどん高くして追求していくから、その過程は大変だし、自分の現状に満足することが少ないので、こういう結果になるのだろうか。

幸福な成功者になりたいと皆思っているだろう。だって、そうでしょ!!

 

幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か

キャロル・グラハム
日本経済新聞出版社