月の夜は
終(つい)の棲家(すみか)へ
誘い込む
あなたを包む
私は花びら
*私に捕まったらもうあなたは終わり・・・・二度と離さない・・・・もう返さない・・・・私だけのものだから・・・・食虫植物の歌よ☆
月の夜は
終(つい)の棲家(すみか)へ
誘い込む
あなたを包む
私は花びら
*私に捕まったらもうあなたは終わり・・・・二度と離さない・・・・もう返さない・・・・私だけのものだから・・・・食虫植物の歌よ☆
首すじに
愛の烙印
春雷を
会いたいと聞く
薔薇の木の下
*先週はすごい雷がありました。家の中から眺める分には嵐も好きです。人目を忍ぶ逢瀬のことを「薔薇の下で(スー・ラ・ローズ)」(こっそりと)と表現することを思い出しました。「春雷」・・・・冬の終わりを告げる雷。これもまた綺麗な日本語だなって思います。
音もなく
咲く花びらの
つぶやきは
悼(いた)みの中に
溶けゆくときに
*最後の日、花に包まれて送られるのは何でだろう・・・・一人で旅立つのが寂しくないように?すべてを削ぎ落としたとき初めて花たちの囁きが聞こえてくるのかもしれない・・・・
ひんやりと
玻璃(はり)の器に
テッセンと
クラマゴケ
はんなりと添う
*玻璃(はり)・・・・七宝の一つ、水晶のこと。クラマゴケ(鞍馬苔)、苔といってもシダ類です、クラマゴケのレインボーファン、水に浮かべると妖しく光ってとても綺麗。鞍馬苔を鞍馬後家と読まないように・・・・でもそう読むとまた色っぽい歌でもあるんだけど・・・・・
抱(いだ)かれた
初夏のブーケが
連れてくる
午後の秘密と
希望の痛み
*「希望とは、輝く陽の光をうけながら出かけて、雨にぬれながら帰ることである」ルナール(フランス・作家)