華短歌

永遠に届かぬ愛する人へ

ありふれた秋

2016-12-14 08:50:57 | 花短歌

紅色に
私を染めた
言の葉も
色を失う
ありふれた秋


恋しいあなたのありふれた言葉は

私には特別な言の葉

でも、

他の人にも言ってるね!

その紅を私にだけと願った日は

恋をあきらめた日

枯葉より哀しい

私にはありふれた秋





久遠の君

2016-09-29 11:26:36 | 花短歌

手枕に
落ちる夢さえ
柔らかく
久遠の君と
恋をつむ秋


久遠はもともとは仏教用語で釈迦の永遠の教えをあらわす時の言葉だそうです。

未来だけじゃなく、果てしなく遠い過去のことも指すのが他の言葉と違うところかもしれません。

*手枕(たまくら)・・・・腕を枕として眠ること。



夢の花~硯の海~

2016-08-20 16:36:55 | 花短歌
夢の花
あきらめの文
散らかして
硯の海に
君を鎮める


硯(すずり)の上に水を落とし、ゆっくりと墨を磨る。
あなたへの想いが寄せては帰る。
海から救い上げられた言葉は書き散らかされ・・・・
封印される。

いつの日か夢を見る日まで

封印を解く「夢」を見る日まで・・・・

※硯の海・・・・硯に墨を溜めるところ