日本語は難しいけれどいい言葉がたくさんあります。
剣魂歌心(けんこんかしん)は、剣に強いだけが武士ではないという日本古来からの考え方です。
戦で首を斬られたときのために、その時の境地を辞世の句として詠んで兜の中に入れておく。剣を持つ雄々しい魂の中に、生死を離れて歌を詠むという心のゆとりを持つ・・・・それが剣魂歌心です。
私たちが生きる現代は(日本では)戦(いくさ)はないけれど、ある意味かつてないほどのストレス社会、日々に追われて気がつけば時間だけが過ぎ去り、むなしさだけが残る・・・・そんな人も多いのではないでしょうか。
武士は死を覚悟の状況ですら、歌心を忘れない、淡々としたもう一人の自分を持っていた。
もしかしたら、この淡々としたもう一人の自分をもつということは今この時代にこそとても大事なことなのかもしれませんね。
「悩みなんてないでしょう」と言われる私だけど、花や歌があるから(それがビジネスというよりは自分のためのものだから)日々に臨めるような気がします。
忙しい時ほど意識して、音楽・絵画・書道や文学などの芸術を楽しむゆとりを持つことが私たちを助けてくれるのでしょう。
芸術の秋がやってきました。
自分を癒すきっかけを見つけやすい季節です。
ちょっと難しいけど【剣魂歌心】そんな潔さと、ゆとりを心の片隅にメモ、メモです。
*写真は去年の秋の上野公園(美術館へ行ったときのもの)です