英語訛り

とある、土曜日。その日は、曇り空だったが、雨も
降りそうになかったので、息子と散歩がてら、公園に行って
遊ぼうとしていた。

目的は、フリスビー！それも普通のやつじゃなくて、柔らか
素材の折りたためる代物。

ハッキリいって、空中を舞うかは分からなかった。
前日の金曜日の夜、24時間営業の店で買ったフリスビー。
真ん中に大きな穴が開いたやつ。

色は、虹色。なぜ虹色？？それはねー…
ナーサリーで息子の使う、上着掛けがあった。
その上着掛けに付いている彼のネームプレートの色が虹色。
それが故、選んだのは虹色。いたって単純な男だ。

そのフリスビーを店で見つけた彼は、もう、いてもたっても
いられない。まー嬉しいのは良く分かるが。

とにかく遊びたくて遊びたくて、浮かれていた。
彼を落ち着かせ、寝かしつけるまでの時間が長かった事…。

ついに、念願のニューフリスビーを使う時がきた！
結果は、とばね～～。
普通のフリスビーの様には上手く飛ばない。
なんでやー、なんでなんやー！と二人で叫ぶ。周囲は
もちろん、ウェールズ人だけ。

日本語分からんから、思いっきり叫ぶ。と、そこに
一人のおばあちゃんが、バギーに孫を乗せ、散歩がてらに
おいら達二人が遊んでいる公園に来た。

そして、おばあちゃんは、おいらの息子の名前を呼び挨拶をした。
どうやら、息子の同級生のおばあちゃんだったらしい。
正直、知らんかった。息子も息子でおばあちゃんが誰だか分からん
かったらしく、
「何で、僕のところを知ってるの？」とおばあちゃんに聞いていた。

驚いたのは、息子の英語が、ここまで立派になったんだ！という事。
ナーサリーに入園した時の彼の英語力と比べると物凄い上達だった。
なんせ、家では英語喋らんのよ。日本語忘れちゃ困るからね。

フリスビー遊びも飽きて、家に帰ることにした。
ご満悦の息子は、のどが渇くも、水は無し。しゃーない
近くの、店に駆け込んだ。インド人経営の店屋、色んな不思議な
物があって面白い。おいらの中で人気店。めっちゃ好きや！こんな店。

そこで、おいらはコーヒーを息子にはオレンジジュースを購入。
不思議な物があるわりに、普通の物を買ってもうた。

さー！家に帰ろう！途中の路地でおっさんが、煙草をふかしていた。
おっさんと、息子の目が合い、おっさんは
「上手いかい？」と息子に聞いてきた。
さっきの、おばあちゃんの会話から、もう大丈夫だな、普通に
返答出来るなと、思っていたおいら。

そんな息子の回答は……。
「ウッマ～～ウィ！」
完全に英語訛りの日本語を完璧に使いこなしていた。
おっさんはキョトン。
おいら大爆笑！

どうやら息子には笑いの神様がいるらしい。

ちょっと、待った～！

人それぞれ、合う合わない人達がいるのは当たり前。

おいらと合わない国は、ドイツ、フランス、ウェールズ。
この国と、この国の人達が、あまり愛称は良くない。

これはおいらの知り合い。彼女は日本で知り合った英国男性と結婚。
そして彼女は、英国男性＝ロンドンと勘違いしたようで、結婚後
旦那は故郷に帰る事に決めた。もちろん彼女も一緒に英国へ住む為に
行った。

しかし、旦那と一緒に住んだ所は、ウェールズ！
そう、彼はウェリッシュ。彼女は悔やんだ。

って、なんで結婚する前に聞かないねん！

2年後。旦那は大の親日家。日本の方が故郷のウェールズより良い
という事で、彼女の故郷日本へ、彼女と旦那は戻っていった…。

そうや、結婚で思い出した！駐在時代、ギリシャへ出張へ行った
時の事…。

ギリシャの客先の工場に、夫婦で一緒に働いている従業員がいた。
旦那の方は、エンジニア。奥さんは、製品を詰め込んでいた。

奥さんは、元英語の先生。結婚後、学校を退職。時間のある時は
バイトがてら、英語学校で先生をしている。

旦那の方は、英語を奥さんから直々に、教わったと言っていた。

そんな二人と、夜、夕食を共にした。

二人に連れて行かれたのは、ギリシャだけに、地中海レストラン。
まー、海の幸ですよ。魚やら、貝やら、イカやら。
後は、ヤギのチーズ入りのサラダ。
このチーズはくせがあるから、嫌いな人もいると思うが、おいらは
意外と大丈夫だった。

スターター、メインを済ませ、お次はデザート。
奥さん、この日は喉が痛いらしく、バニラアイスを注文。
理由は、旦那のお母さんが、喉が痛い時は、アイスを食べると
治る！と言いなさったそうで。
へー、お国柄。

と、まー、これで後はホテルに帰るだけ。と思った時
こんな話が持ち上がった。

旦那「お前、年はいくつだ？」
おいら「26歳」
旦「お前は良い奴だ。ここに後、2年ぐらい住んでくれれば良いのだが」
お）？
奥さん「そうね、あと2年ぐらいなら大丈夫かもね」
お）？？？？？？？
奥「うちの娘が、今16歳だから、2年たったらちょうど良いし」
お（ん？まさかー。そのまさか！）
旦＆奥「おまえが家の娘と、結婚してくれたらなー」
お「ハハ。（苦笑）その話はいずれまた。ごちそうさまでした。」

ちょっと待てや！君らのとこの娘、よー知らんで！
いきなり何言い出すねんて！

あーっビックリした、そんな日の夜だった。

やる！

本業とサプリメントの副業を持つおいら。駐在時代では
あまり考えてはいなかった事だが、本業とは別の楽しさが
あって、これまた良いんじゃないかなーと思う。

そもそも、芸能人やスポーツ選手だって、副業やってるわけだし。
レストランや、漬物、服のデザインなどなど。
副業の職務が違うだけって事かな。

駐在時代、イタリアにはよく行っていた。もちろん仕事。
よく行っていた客先はパルマにある、フランスとドイツにも
同じ会社があるが、イタリアがメイン。

パルマといえば、思い出すのが元日本代表の現旅人がプレー
していたチームがあるところ。

先代駐在員が、この客先の専務さんと仲が良く、旅人がパルマへ
移籍した時に、専務に頼んで、サインを貰ってもろうた。

その他にも、パルマの選手達のサインも少々。旅人のサインは
かなりサイズが、小さいと、ぼやいていた。

日本からの出張者は、試合を見せに連れて行ってもらっていた。
皆つくづく良い思いをしている。おいら以外。

おいらが必ずその会社へ行くと、ホテルはイタリア語だけ。
他の人が行くと、英語OKの場所。

おいら、英語OKのホテルは、この客先に始めてきた時に１回のみ
宿泊。後は、全てイタリア語だけのホテル。なんでやねん？

しかし、そのお陰で、少なからずイタリア語が学べた。
ファンクーロとか（スラング、汚い言葉）数の数え方とか、
物の頼み方など。

そして必ずその会社に行くと１回は、客先のマウロという男に
連れて行かれる場所があった。ちなみにマウロはイタリア語のみ！

でも、何とかなるんだよね。ちゃーんと、身振り手振りで。
ほんと、ウェリッシュには、彼を見習ってほしいよ、とつくづく思う。

通常だとヨーロッパは、接待なんつーのは無いんやけど、マウロは
必ず、連れて行ってくれる。

その行く場所とは、パルマのサッカー選手が営業しているレストラン。
勿論イタリアンなんやけど、これまた驚くなかれ、結構な人気！

最初は、有名選手の店だからと、侮っていた。
”味の方はあてにならん！”と、勝手な想像をしていたが、
激ウマでした！
サラダミスタ（サラダ）、海の幸のパスタ、ピザ（具はど忘れ）。
勿論、まだ他にも色々とある。

店の店内は、入り口付近に水槽があって、中は結構広め。
キャンドルが、丸テーブルの真ん中にあった。雰囲気も
落ち着けるし、カップル客が多かった。綺麗だったしね。
女の人が喜ぶんではなかろうか。さすが、イタリア男性が
経営するレストランだよ。女性に優しい店のつくり。

ん？経営するのは、選手だけど、店のデザインを考えた
デザイナーは……ちゃうか。
まー、えぇ、ブレッドスティックも美味かった。

サッカー選手も選手としての寿命が短いから、やっぱり、やるよね、
サイドビジネス。

ど、ど、ど！

最近、2年間考え、やり始めた事がある。副業だ。
タブレット関係だが、ネットで調べぬいた。おいらの検索キーワード
”定年、不安、勧誘と在庫なし”それが、おいらと、この副業との
出会い！

悩んで何もしないよりは、むしろ、何かをした方が効率が良いという
勝手な、おいらの哲学。ちなみに嫁に、スキンタブレットをあげたら、
目の下のくまが無くなったので、効き目はあると思う。

なぜ副業を始めたかというと……

今の会社、４年間のうちに2回リストラをしている。
忘れもしない5年前、おいらの所属している部でミーティングがあった。
生産マネージャーと班長、おいらを入れた4名。

本当なら、5名だが、1人は使えないと、切り捨てられ会社を辞めさせら
れた。その男の名前はジェフ。とにかくだ、このミーティングの
テーマは、どうしたら、効率良く金型交換が出来るか。

おいらを除く、皆が意見を出し合っていた。一段落着いた時、生産
マネージャーが「さっきから黙ってるが、お前はどう思うんだ?」と
おいらにふってきた。

おいらは「はっきり言うけど、この会社、もう直ぐ、やばくなるよ。
　　　　　今うちらに必要なのは、人を辞めさせる事じゃなくて
　　　　　いかに、使えるようにするかじゃないの。それに、ジェフを
　　　　　辞めさせるにあたって、使えないマネージャーと班長達の
　　　　　意見を尊重したよね。彼等がジェフに、査定を付ける権利は
　　　　　無いんじゃないのかい？」と言った。

マネージャーと班長は、笑いながら、
「この会社がやばくなるって？大丈夫だ！ちゃんとミーティングも
　毎日しているし、それに、お前はこの仕事のエキスパートだが
　ジェフは違うし要らない、それに使えない。お前に辞められると
　困るが別に、ジェフに辞められても、平気だよ。」と言った。

その言葉に、おいらは怒、怒、怒！これでも、駐在時代23カ国回った
男だ。色んな会社を見てきて、色んな事情も把握している。
大体においてだ、毎日ミーティングする事がおかしい。
客先に、きっとこの会社は現状がやばいから毎日会議してる！
と思われてもおかしくない！

それに、何がミーティングだ！毎日9時と15時に始まるが、午前と
午後のミーティング内容は何も変わっていないし、あいつら、コーヒー
飲んでるだけやん！

そこでおいらは「ジェフが使えないっていうのは、この世界中の
　　　　　　　　人達が、知っている！だけどな、今は、居ないよりも
　　　　　　　　むしろ、居た方が効率が上がるんだ！一体、どの位の
　　　　　　　　金型交換をして、製品を作ってると思ってるんだ！
　　　　　　　　お前らが現場に居るのは12分。おいら達が現場に
　　　　　　　　居るのは12時間だ！機械だって、メンテナンスも
　　　　　　　　しないくせに。機械が駄目になると、製品も駄目に
　　　　　　　　なるんだ！」

やつらは、沈黙していた。その1年後、イギリスでは大手のジュース
会社が倒産。世界中で有名な、ナチュラル化粧品を取り扱う会社と
意見の食い違いから、取引中止。大手2社を失う事になった。
これが、リストラが始まった理由だ。

そんなこんなで、副業を始めようと考えた。そして、もし今の仕事を
辞めたら手話を習いたいっていう希望もあるし。

プーマ

誰にでも、好きなスポーツメーカーがあると思う。
イギリスでも、ナイキが最近支流だ。

そんな、おいらもサッカーをしている為、メーカーのこだわり
がある。これは、ジンクスめいたものるから、どうしても
このメーカーからこのメーカにしてみよう！と、簡単には
いかない。

おいらのこだわりメーカーはプーマ。おいらは足の幅が広いので
それに合うスパイクがプーマ。とてもしっくりくる。
中学のサッカー新人戦でも、プーマを履いて、いい成績を残した。
逆に、中学3年の最後の公式戦はアディダスのスパイクだった。
結果は、最悪。それが故、今もなお、プーマのスパイクを
こよなく愛する、おっさんになった。

スパイクはプーマだがジャージはアディダス。それは何故か？
デザインの問題。やっぱり、アディのデザインはプーマを抜いていると
思う。プーマとアディ、兄弟なのに、兄と弟の観念の違いで
ここまで違いがあるとは。

我が5歳の息子、トイレで踏ん張っている時、おいらが着ていた
昔のアディのジャージがなぜ3本線なのか疑問に思ったらしく、急に
「パパ、何で3本線なの？」と聞いてきた。

お）「ん？アディダスだから。」
む）「じゃー、なんで、アディダスなの？」
お）「ん、3本線だから」
む）「じゃー、3本線はアディダスなの？」
お）「そー、でも、パパはプーマが好きやねんけどな。」
む）「え～、やだー、臭いし汚いし！」
お）「ん？なんで」
む）「だって～、プーマンなんて！」
　　（プーは英語の幼児語で”う○こ”の事）

おとんは、プーマじゃなくプーマンが好きだと思っている
そんな、5歳の我が息子って……。