空き

LIFE FOR MONEY
ジム

LIFE FOR NO WORK
ジム

LIFE FOR FAMILY
ジム

LIFE FOR　EASY
ジム

LIFE FOR　HOLIDAY
ジム

これ同僚ジムの現在のモットー。
ちなみにいつどこでこのモットーが変わるかは
未定。

とにかく、簡単な仕事で簡単に儲けが出来て
確実に良い給料で休みが多くて家族の為に
働く事を夢見ている男、その名はジム。

毎度毎度文句を言いながら仕事を続ける。
ならば辞めるのかと思うとそうでもない。

先日、「ちょっと嫁に電話してくるから。」と
電話をしに行ったジム。

７時半に嫁へ電話。10時半に娘と電話。
14時に嫁へ電話。16時半娘と電話。
話が尽きなくてええですね・・・。

彼は中々戻ってはこない。なぜならば金型置き場で
金型管理人のマークがジムと相変わず長話を
しているから。

おいらが金型置き場へ行くと案の定仕事の文句を
いってはお互い気を晴らしている二人組み。
ジム＆マーク。

その時、マークが「こっちこいよ！良いもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　見せてやるよ！」
とかなり興奮気味においらにいってきた。

ネットを開くと、どこかの会社のVacancy内容。
おいらと全く同じ仕事でおいらとはかなり違いのある
給料。何でこんなにええ値段なん？

さらに、仕事の時間は朝8時半から夕方4時半。
おいら朝7時から夜7時まで。

経験者により給料が大きく変わるとも書いてあった。

ジム「お前絶対そこの会社に行ったほうが良い！」
マーク「そしたら俺たちも呼んでくれ！」
おいら「機械が同じかは分からんでしょ。」
マーク「それならこれコピーするからマネージャー達に
　　　　見せて驚かせようぜ！」
ジム「こりゃいいな。俺なら絶対に行くな！」

そういうとコピーをしておいらに手渡した。
しかし、どうもおかしい。疑ってしまうおいら。
そんなおいしい話はあるわきゃない。

二人は給料の所しか見てなかったような気がする。
よーく明細を見てみると・・・。

仕事は基本的には8時半から16時半ですが必ずその日の
仕事を完全に終わりにすること。
残業になった場合は残業代は含まれない。
休日出勤の時もPay無し。
新しいプロダクションがある場合は休日返上。

だよね。じゃー、なかったらこんなええ給料じゃ
ないし。

その会社でこの仕事をこなしていた人は
どの位いたのだろう？

自信を持って言える事はおいらの同僚は無理だろうなと
思ったことぐらいだろうか。

特にジム＆マークは。

体休

休日。

それは体を休める事が出来る日。

休日。

それは疲れを癒す事が出来る日。

休日。

それはストレスを発散させる事が出来る日。

駐在時代の休日。
無し！

駐在事務所のスタッフが休日を取る時には
必ずおいらは出張が入っていた。
ドイツの復活祭の時も確か中近東に行ってた気がする・・。

夏休みなんか取れへんかったし。
長期休みをスタッフが先取りする。なぜそれが可能か？

そう、おいら事務所にいなかったから。
そして、こぶなしの一人身はおいらだけやった。

各々の休日が終了するとミーティングがあり
口々に「いやー、良い休日でした。」とか
「あそこのレストランは美味かった。」とか
「ストレス発散できて良かった！」とか
いっておりました。

そんでもって夏が終了し、また客先も忙しく
なりだそうとする頃に

「いいよ、夏休みとっても！」と軽く言い出す。

顔では笑い、心で泣く。
「いやー、もう夏終わりやし、客先も忙しくなる頃やし
　今回もおいらは無しの方向で。」

そして必ずこういわれる。
「それじゃー、今度は君を優先させるから。」

次の年、結局前年と一緒。長期休暇無し。
何が優先なのか？誰が優先なのか？
同じやないけ！

月日は流れ、おいらもちゃんと家族を持った。

子供が３人と恵まれた。
休日もそれなりに取れている。

とてもウレシイ・・・とは思う。

思うのだが、”だが”がつく！

調子にのり休日に息子にサッカーを教えていたおいら。
なにやら腰に違和感が！

いてー。チョー、イテーんすけど！
ぎっくり腰？やばいっす。

今は嫁が使っていた補強矯正腰痛ベルトなるものを
借りて腰に巻いている始末。

仕事大丈夫やろか。やばいっす。

卵

卵。

日本にいた時まで食べていたのだがどうも
相性が良くなくなってきたのはドイツに
いる頃からやった。

ドイツの店屋で買おうとして手に持っていた卵。

ふと目の前に現れたドイツ人女性に声をかけられた。
なんや！と思った瞬間、その人がおいらの卵と
スーツに指をさした・・・卵が割れていて黒のスーツに
黄色い縦線とブヨブヨした白身がうまく調和されて
これ混ぜると、ええ玉子焼き出来るできっと。バカー！

これあかんやん！絶対アカンやん！

その日は午後にまだ仕事が残っていた。
速攻で買い物を済ませ、フラットに一旦戻った。
卵はしゃーないが購入。

すぐさま違うスーツに着替え出勤。会社に戻れば
うん？って顔され、そりゃそうさ、卵まみれのスーツ
なんやからな。
スーツは少し拭いてランドリーへ。少し君を残し・・
いや黄身を残していた。

その日の夜目玉焼きを食べると急に気持ち悪くなった。

その日から悲劇が始まった。

何ヶ月か経ち、会社のスタッフと昼飯を食いに
行ったときの事。昼から鉄板焼きを食べる事になった。

ハンバーグの上に目玉焼き。これがメインやった。

ハンバーグは上手かったが何も気にせず口に入れた
目玉焼き。
その瞬間、一気に気持ち悪さが急上昇！

気持ち悪くなってもう他の物まで手がつけられない
状態に。

なんとかその場を持ちこたえ事務所に戻ることに。
事務所へ戻る前にケーキ屋で3時のおやつにっちゅう
ことでケーキを購入することになった。

「ケーキかってこうか？」と所長。

おいら以外のスタッフ6人が手を上げ賛成意見。
おいらは手すらあげる気にもならへんかった。

正直、やめてもらいたかった。
余計なことはいわないでおくれ。
といっても気持ち悪いのはおいらだけか・・・。

玉子焼き、目玉焼き、かに玉、オムレツ・・・。
全てがアカンかった。

それからまた日が経ち、フランスの田舎町へと
出張をしたとき。
この時は先代駐在員と一緒やった。昼になり先代が
オムレツを頼み、おいらがサラダを頼んだ。

気の良いフランスのおばちゃんでパリのおばちゃんとは
違かった。

そのおばちゃんが運んできたのは！？

2人分のサラダと2人分のオムレツ。

倒れそうになった・・・。

1日

「そういえばお前に話してなかったけど今度赤ん坊が・・」
そういってきたのはロス。

今彼はパタニティーリーブの真っ只中。
彼がハナ（嫁）と結婚したのはおいらが嫁はんと結婚式を挙げる
3ヶ月前やった。

彼は地元でおいら達は日本で挙式。

幸運な事においらと嫁はんの間には3人も子供をもうけたが
ロスとハナには中々子供が授からなかった。

おいら達が3人目を授かったと時にロスに
「どうやったらそんなに子供ができるんだ？」といわれた。

そして、今年の3月に急に赤ん坊ができたとロスから報告された
おいら。
「でも、でもなんだけど・・・普通じゃないんだ・・・。」
とロスがいいだした。

おいらは内心「なにか大変な事になってるんだな。」とさすがに
おもって何も答えられへんかった。

そしたらロスが
「実はな・・・。養子なんだ。彼女は養子なんだよ。」
おいら＆ジム「いくつの子なんだ？」ロス「9ヶ月」

ジム「9ヶ月なら良いんじゃないのか？可愛い盛りだしな。」
おいら「良かったやんけ！おめでとう！」
ロス大きな体を大きくゆすり
「ありがとーーーーーーー！」と握手をしてきた。

おいら＆ジム
「これでお前も眠れなく、ながーーーーい夜を過ごすんだね～。」
ロス（笑い）

そして4月になり、彼は父親となった。

彼の休暇が始まってから2日後、休憩後、同僚のピーが
おいらにこういってきた。

「ジムの嫁からジムへテキストが入ってきて、どうやら4人目が
　出来たらしいぞ。お前もそろそろ4人目・・どうだ？」

おいら「いや、おいらはもう十分や。しかしなにゃ？4人目て。
　　　　ほんまかいな！」

ジムがおいらたちの所へ来た。
ジム「・・・・やっちまった。4人目らしい。テキストみてくれ。
　　　俺はこれはからどうすりゃいいんだ！金がかかる～～！」

そういって、テキストを見ると彼の嫁はんから
「今からテストをするけど・・多分（妊娠）かもしれない。」と
テキストされてた。

実は彼が3人目をもうけた時に彼の両親と彼の家族が会食した時
彼の実母がワインを頼み彼の嫁に、こういった。
「あなたの妊娠のために！」　　　
そして1ヵ月後、妊娠発覚！

今回も会食の時に同じワインで同じ言葉をいったということやった。
ジムはすぐにこの事を実母に報告すると実母は大爆笑してたと
いっていた。

そして、彼は昼休みに家に戻り嫁の元へ戻ると・・・。

昼休み後、彼は不敵な笑みを浮かべていた。
「妊娠はしてねー。」

おいらはそれ以上、何も聞かへんかったがカレンダーを見ると
なんとその日は4月1日やった・・・。