その名はW…

おいらは、連れと二人で、寝台列車に乗っていた。
同じ車両にはアルゼンチン人2人組みもいた。

サッカーの話題になり、どこのチームのファン？とか
好きなサッカー国はどこか？とか色々と話をした。
意外だったのは、彼らが鹿島アントラーズを知っていた事。
そんな、おいらは、鹿島ファン。

列車は朝7時半頃、目的地に到着。その目的地とは
フランスのトゥールーズ。そして、その名は…


サッカーフランス（W杯）ワールドカップ！


日本が始めてW杯に出場し、アルゼンチンと試合をした場所。
駅周辺は、日本人とアルゼンチン人が、わんさかといた。
ついでに、早坂○恵もいて、リポーターで取材してた。

とにかく、おいらの知り合いがトゥールーズに揃った。
日本から２名、イギリスから２名、ドイツから２名。
もちろんチケットは無し！これが有名になったチケット問題！
我々６名は、チケットをダフ屋からGETする！と簡単に考えていたが
このチケット１枚の値段が数十万円！アホらし。

結局、チケットが手に入らない人達は、巨大スクリーンの設置された
公園に行き、観戦した。その中には、もちろん我々６名もいた。

スクリーンは無声音だけに、迫力は欠けたが、日本の応援は
凄かった。試合は１－０でアルゼンチンが勝利した。

試合後、イギリス組みは帰り、日本組みはパリで宿泊。
ドイツ組みのおいらと連れは…あることを考えていた。せっかく
日本から来ているのだから何とかWカップの試合を見せてあげたい、
そう思い、お金を出し合い、４名分のチケット購入。
パリで行われた、ドイツ対アメリカ戦のチケット。１枚５万円也。
（日本組みの２名、お金は後で返してくれたけど。）

こっそりと、日本組みに、パリ滞在のホテル名を聞いていたので
ホテルで待ち合わせ。ちゃっかり、おいら達もそのホテルに宿泊！
チケットを渡すと、物凄く喜んでくれた。

次の日、生まれて始めてのWカップ観戦。日本戦は駄目だったが
ドイツ戦見れたから、良いとしよう！

すげー、すげーよ、Wカップ！スタジアムでけー！感動っす！

サイコーでした！

ゼンポーッ！

おいらが、前に勤めていた会社には社員旅行なる行事が
あった。

なんでも、入社2年目から社長までは、日頃の疲れを
この社員旅行で癒すという目的。新人は海外へ行く度胸試し
とか、なんとかだとか。っていってたけどさ、実際は、税金対策
なんだって。「旅行いらんはー。給料上げろやー」って皆ボヤいてた。

おいらが新人の時、旅行先はグァム。初めてパスポートを
作った。今と違って、赤く大きなやつ。もっのすごく、でっけーの！

旅行当日。初めての飛行機。おいらの席の左隣は、一つ上の先輩。
右隣は設計部長。一つ上の先輩は、既に目が涙目。飛行機が苦手。
そんな彼は、当時駐在候補…。駐在員飛行機使のに…。

とにかく、無事グアムに到着。

グァム滞在2日目は、自由行動。おいらを含む新人6名と他3名は
少し離れた小さな島へ行く事になっていた。

小さな空港へ行き、セスナに乗る。そのセスナ、何故か座席が
8席。1席足らなかった。
とりあえず、おいら達は並んで待っていた。操縦士が皆を
席に案内する。おいらも、機内へ乗り込もうとすると、
操縦士からストップが掛かった。
おいらは、ちゃんと列のど真ん中に居たんやで。なんでやろ？

おいら以外は、皆が席についた。もしかして、置いてきぼり？
後回し？と、思っていると操縦士が、おいらの席を教えてくれた。

なんと、そこは、そーじゅーせーきーー！
そう、案内されたのは操縦席。空いてる席がそこしかないから。

操縦士からは、「なーにーもー、触るなよ！」と念を押され
いざ出発！

初めての海外で、初めてのセスナ。それも操縦席。
すげー、すげーよ！色んなボタンがあるやん。
操縦するハンドルも自動で動いてる。おいらはマイク付き
ヘッドホンも付けさせられたし。
皆は横の窓で景色を見ていたが、おいらは180度景色が見れた。

絶景かな、あーー絶景かな！雲の中は真っ白けだった。
おまけに、操縦士のご好意で、セスナ1回転！
サイコーッす！

もちろん、帰りのセスナも同じ操縦士が迎えに来た。

おいらは……。帰りもまた、操縦席に乗ったのさ！

いてー

いてー、いてーよ！喉が。それも、おいらだけじゃない！
おいらの、家族すべてが同じ症状。

嫁さん、38度台の熱、息子、娘が39度台。おいらは…37.5度…。
とっ、とにかくだ！事の発端は、息子の学校の担任が3日間程、
風邪で休んだ。担任が出席すると、「喉が痛くて、痛くて！」と
他の先生に言っていたのを、ちゃんと息子が聞いていた。

そ.し.て…見事に貰ってきやがったぜ～～！でけーのを！
ものすごーく、痛いんです。

そもそも、イギリスは奇病が多すぎ！なぜって？だって、
息子が、おたふくの症状の時も医者は「おたふくじゃない」と言って、
何の検査もしてくれなかった。耳の下腫れてたし、腫れる3日前に
高熱でたし。それに、その後、娘にうつり、同じ症状だったし。

おたふくは、ただの風邪で、子供達が学校行きたいって言ったら
親は行かせるんだって。
親も親で、自分達が、小さい頃おたふくに、かかってたか、なんて
知らんもんね。困った事よ、ホンマ。

うちの会社のピーなんか、おたふくが、どれだけ大人の男に
ヤバイか、なんて知らなかったねん。
おいらが説明すると、一瞬にして顔青ざめてたもんね。

だってさ、彼はともかく、彼の19歳になる娘と17歳になる息子が
おたふくやってるか、知らないんだもんね。
ちなみに、ピーの奥さん、看護婦さん…。

それにさ、風邪引いても、医者に診てもらえるのは1週間後だったり
熱が出たら、水風呂を浴びろとか、チョコ食えとか、おかしいんちゃう？

会社の連中に聞いたけど、”風邪になったら、ビタミンCを取れ”が
やっぱ、一般的。ビタミンのVの字は出てきたけどチョコのCの字なんて
誰からも出てこんかったもん。

普通は子供に熱が出たらイブプロフェンかカルポルを与える。
ここまでは良かろう。基本的には、上のどちらかを選び
4時間毎に、与える。イブプロフェンならイブプロフェン。
カルポルなら、カルポルだけ。これも基本中の基本。

現地人の場合。イブプロフェン若しくは、カルポルを選ぶ。
ここまでは普通。問題は、ここから先。

例えば、カルポルを子供に与えたら、2時間後には
同じものを与えられないのでイブプロフェンを与える。
更に2時間後、今度はイブプロフェンを与えられないので
カルポルを与える。更に又その2時間後イブプロフェンを与え、
更に又その2時間後……と繰り返される。
子供に何しとんねん！


そもそも、英国人の医者は少ないし、いい加減。それが故、
他国の医者が多い。だけど、なぜか英国医が、日本へ移住すると、
高給取りになる事。なんでやねん！おかしい～って！絶対ない！

水風呂とチョコやで！なんで、そんなんで高給取りになるねん。
1週間も、またされりゃー風邪も良くなるって。

やっぱ、おかしいって君ら！

一日一回

結婚記念日、誕生日、クリスマスなどなど。色んな行事が
ありますなー。

おいらの実家は、まず、誕生日無し。「誕生日おめでとう！」
ってサプライズも無かった。
クリスマスは普通に米、魚と味噌汁でてたし。

ウェリッシュの同僚達も、よく自分たちの行事ごとがある時は
休みをとる。結婚記念日や自分自身の誕生日。
家族の誕生日の時は早退。日本では考えられない事だろう。

同僚の一人に彼女が出来た。まー、久しぶりの彼女で舞い上がって
いたけど…。

やつの彼女は、毎月の記念日がある。付き合ってから1ヶ月記念日。
付き合ってから2ヶ月記念日。付き合ってから…
ヤカマシッ！いったい、いつまで続くねん！

その記念日あるごとに、プレゼントやら、高級レストランで食事やら
旅行やら、まー、じぇじぇこ(お金）を使う使う。

もちろん、彼氏払い。やつも、それが嬉しいらしく、
「イヤー彼女が、今度これが欲しいって言うから買わなくちゃ」
とか、「一緒に旅行」とか…。ニコニコしながら言っていた。
若いねー、羨ましい…。あのね、君いい加減、気づきなさい。
ヒモなんだよ。

会社を辞めた元同僚の場合、毎日がやつと関わる人の誕生日。

一日一回は必ず、「今日は誰々の誕生日だから」と言っては
会社を休もうとしたり、早く帰ろうと試みる。

しかし、上司の答えはNO～～～～～～～～～！
そりゃ、あんた会社なめとるがな。

自分のおトンとおカンの誕生日は月に3回位ある。
いったい、いつ生まれとんねん。

その他には、おじさんの誕生日とおばさんの誕生日が
1週間に約2回。彼女の誕生日が2回。友達の誕生日は毎晩。
後、元彼女の誕生日記念日。

そうそう、それと義理のおトンとおカンの誕生日も…。

ちょっとまてや、お前結婚してないやんけ！
彼女とも一緒に住んでないやんか。

それになんや、そのー、元彼女の誕生日って？
なにしてんねん！

お前なーもう少しまともな嘘つきなさい。

そんなもん、バレるって！

自称

おいらの周りでは、プリンセス好きの子供が多い。
これは、日本人、ハーフ、イギリス人だけじゃなく、万国共通なのかな。
小さな女の子が「私はプリンセス！」とよく言っているのを聞く。

髪の毛にティアラをゴムで付けていたので、ティアラを取り外した時
髪に”ねぐせ”ならぬ”ティアラぐせ”がつき、痛くて泣いた女の子も
いた……。
そのうち、おいらの娘も、プリンセス好きになってしまうのか‥‥。

おいらの働く、会社に”ジュディ”と言う女の子が、オペレーターで
入ってきた。オペレーターというのは製品を箱に詰め込んでいく人の
事。日本での仕事のオペレーターとは、かなり違う。

当時24歳の彼女。彼女もまた、完全無欠の”プリンセス”！
バーバリーのバッグを見せつけながら、大きな腰をフリフリ。
”でもさ、バーバリーってこっちじゃ庶民的ブランド？だよね。
　別にそんなに見せびらかさんでも、いいんちゃうか？”と
思ってしまう。

そして、彼女は負けず嫌い。彼女の前方に誰かが歩いていると
この女子は、ちょー早歩きになり、前者を抜き去る趣味？いや、
癖がある。おいらも、その手中に、はまった事がある。

おいらが、彼女の横を過ぎ去った時、彼女がレースを仕掛けて
きた。おいらは完全無視！でも横目から分かるんです。
自称プリンセスのニコニコ顔が。お前怖いで！

彼女の前方を歩くおいら。彼女が後から迫ってきた！
おいらは、少し歩くスピードを落とし、彼女が隣になったその瞬間
仕掛けてやりました。急な横ターン！彼女は唖然。
どうやら、急な横の反応が苦手なようです。ワニと同じやん！

プリンセスは踊りがお好き。自分の新しい作業服がきた時も
皆の前で、踊りを披露。
現場でも、歩行手段は”クルクルターン”そんな、見た目は
”クルクルパー”

プリンセスは手を貸してほしい。彼女がコケタ。現場でコケタ。
それも、ど真ん中。早く立たないと、皆の邪魔だ。
しかし、彼女はプリンセス。男子が手を貸さないと立てないんです。
今回は誰がその手を貸すのかな？さープリンセスお手を！

コケタ理由、「床に縦横2ミリ弱の樹脂が一粒、落っこちていたから
　　　　　　　そこで、つまずいた」
という事だそうです。へー、そーでっか。

プリンセスはチョコがお好き。おいらが男子トイレから出た時に
自称女に出くわした。彼女は女子トイレから出てきた、チョコを
食べながら……。
プリンセスは何でもありなんです。チョコをトイレで食べようが
ジュースを飲もうが……。
お前、何がプリンセスや！最悪じゃ！

そんな、プリンスも、知らないうちに、会社を辞めていた。
お城へ、帰っていったんだねーーーー。