現在広島県立美術館で開催中の偉大なる「エルミタージュ美術館」展を見てきました。
17世紀フランドル絵画と17世紀から19世紀にヨーロッパで制作された工芸品が出品されていました。
今回の展覧会は広島のみの開催で、他へは巡回しないとのことです。
広島県立美術館とエルミタージュ美術館は長年にわたり交流が続いているそうで
それによって今回の展覧会が実現したようです。
1 肖像画でみるフランドル
今回の展覧会の最大の呼び物である、ヴァン・ダイク「家族の肖像」をはじめ、
テニールス「アントワープ市射手組合の集団肖像画」など、
17世紀フランドルの人々を描いた肖像画が展示されていました。
「家族の肖像」は、ルーベンス「ヤン・ブリューゲルと家族の肖像」を下敷きとした作品ですが、
この作品のモデルについては不明です。
上を見上げる子供の表情など、肖像画家として名をはせたヴァン・ダイクの力量が十分に発揮された作品です。
「アントワープ―」は当時オランダやフランドルで流行していた集団肖像画です。
有名なレンブラントの「夜警」と異なり、人物はすべて平等に描かれていますが、
人物よりもアントワープの広場沿いの建物のほうが目立つ作品になっています。
私には「集団肖像画」というよりも、アントワープという「街」の肖像のように見えます。
2 フランドルの巨匠テニールス
今回の展覧会では17世紀フランドルの風俗画家ダフィート・テニールスの作品が19点一挙に公開されています。
「農村の祭り」では中央に楽しく歌い踊る村人たち、右手に酒宴を催す村人たち、
左手には街からやってきた上流の人たち(と思われる)が描かれています。
また「農村の婚礼」では中央奥の緑の幕の前に花嫁が座り、
手前には村人たちが祝宴を楽しむ様子が生き生きと描かれています。
私はこれまでテニールスという名前を聞いたことがなかったのですが、
作品を見ていくとブリューゲル以来のフランドル風俗画の伝統を受け継いでいる画家だと言うことがよくわかりました。
このように日本であまり知られていない画家に焦点をあてる展示構成は素晴らしいと思います。
3 同時代の画家たち
ヴァン・ダイクやテニールスと同時代に活躍したフランドルの画家の作品が紹介されていました。
私が今回の展覧会で一番気に入った作品はこれです。
一目見て作品の前に釘付けになってしまいました。
「猫かわいがり」な表情の老女といい、おくるみにくるまれた猫のとぼけた表情といい
猫好きのツボを実に心得た作品だな~というのが正直な感想です。
17世紀フランドル絵画と17世紀から19世紀にヨーロッパで制作された工芸品が出品されていました。
今回の展覧会は広島のみの開催で、他へは巡回しないとのことです。
広島県立美術館とエルミタージュ美術館は長年にわたり交流が続いているそうで
それによって今回の展覧会が実現したようです。
1 肖像画でみるフランドル
今回の展覧会の最大の呼び物である、ヴァン・ダイク「家族の肖像」をはじめ、
テニールス「アントワープ市射手組合の集団肖像画」など、
17世紀フランドルの人々を描いた肖像画が展示されていました。
「家族の肖像」は、ルーベンス「ヤン・ブリューゲルと家族の肖像」を下敷きとした作品ですが、
この作品のモデルについては不明です。
上を見上げる子供の表情など、肖像画家として名をはせたヴァン・ダイクの力量が十分に発揮された作品です。
「アントワープ―」は当時オランダやフランドルで流行していた集団肖像画です。
有名なレンブラントの「夜警」と異なり、人物はすべて平等に描かれていますが、
人物よりもアントワープの広場沿いの建物のほうが目立つ作品になっています。
私には「集団肖像画」というよりも、アントワープという「街」の肖像のように見えます。
2 フランドルの巨匠テニールス
今回の展覧会では17世紀フランドルの風俗画家ダフィート・テニールスの作品が19点一挙に公開されています。
「農村の祭り」では中央に楽しく歌い踊る村人たち、右手に酒宴を催す村人たち、
左手には街からやってきた上流の人たち(と思われる)が描かれています。
また「農村の婚礼」では中央奥の緑の幕の前に花嫁が座り、
手前には村人たちが祝宴を楽しむ様子が生き生きと描かれています。
私はこれまでテニールスという名前を聞いたことがなかったのですが、
作品を見ていくとブリューゲル以来のフランドル風俗画の伝統を受け継いでいる画家だと言うことがよくわかりました。
このように日本であまり知られていない画家に焦点をあてる展示構成は素晴らしいと思います。
3 同時代の画家たち
ヴァン・ダイクやテニールスと同時代に活躍したフランドルの画家の作品が紹介されていました。
私が今回の展覧会で一番気に入った作品はこれです。
ダフィート・ライカールト三世 「農婦と猫」
一目見て作品の前に釘付けになってしまいました。
「猫かわいがり」な表情の老女といい、おくるみにくるまれた猫のとぼけた表情といい
猫好きのツボを実に心得た作品だな~というのが正直な感想です。
これならレンブラントの「夜警」のように依頼人が怒ったり、ヘソを曲げることもなく納めることが出来たでしょうね。
本来「集団肖像画」というのは、現代でいう「集合写真」ですから、テニールスの作品のようなものが普通なのでしょうね。
集合写真といえば、撮影に欠席した場合、欠席者の顔写真が端のほうに入りますが、
18世紀英国のロイヤル・アカデミーのメンバー集っている様子を描いた作品で、
二人の女性会員が壁にかかった肖像画の形で描かれています。
なぜその場に集合している姿で描かれなかったかというと、
アカデミー会員たちが裸体デッサンをしている場面だからです。
当時女性が裸体デッサンをすることは、はしたないと考えられていました。