Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

春はもうすぐ

2006-02-28 11:16:13 | Weblog
今日で2月も終わりです。
3月になるので、My Sweet Roseのトップページと
Art Fan Ringを春のイメージに模様替えしてみました。

いろいろな素材屋さんを回っていると
素敵な素材がたくさんあるので、使ってみたい素材をたくさん発見します。
My Sweet Roseは「薔薇」でデザインを統一したいと思っているので、
それ以外の素材はあまり使わないのですが、
Art Fan Ringではテーマを決めて
定期的にサイトデザインを変えてみたいと思っています。

私の住む街は日に日に暖かくなっています。
今日は少し冷えるのですが、先日は生暖かい強風が吹きました。
まだ春一番のニュースはないのですが、
春が近づいていることを感じます。

読書遍歴 episodeⅢ

2006-02-26 22:58:11 | 
久々に「読書遍歴」を語りたいと思います。
今回は大学生時代に読んだ本についてです。

大学に入ってまずうれしかったのは、図書館がたくさんあることです。
大学図書館をはじめ、近くに県立図書館があったことと、
少し遠いのですが、市立図書館もあったからです。
私はその遠い市立図書館まで市内地図を片手に一時間以上かけて歩いていきました。
最も2回目からはどの路線のバスに乗ればよいかわかったので、
バスで行くようになりました。

大学時代よく読んだのはなんといっても世紀末関連の本です。
大学の図書館にあった本では
「世紀末の夢 象徴派芸術」フィリップ・ジュリアン
「象徴主義と世紀末芸術」ハンス・H・ホーフシュッテター
といった本と出会い、
世紀末の世界に引き込まれていきました。
結局これらの本は自分で購入してしまいました。
今でも時々読み返しています。

市立図書館や県立図書館で借りた
「魅惑の世紀末」海野弘
「世紀末の美学」河村錠一郎
なども大学卒業後、大阪へ行ったときに書店にあったので購入してしまいました。

県立図書館で借りて読んだ本の中でもう一度読んでみたいと思っているのが
「ラファエル前派 美しき<宿命の女>たち」岡田隆彦
です。
タイトルは「ラファエル前派」となっていますが、
ラファエル前派だけではなく、
モローやムンクの描く<宿命の女>についても、詳しく述べられていました。

世紀末関連以外でよく読んだのは、
古代史関連の本(日本、東洋、西洋問わず)や
ルネサンス時代についての本などです。

この頃はほとんど小説等は読んでいなかったなぁと今考えると思います。
そして今まで生きてきた中で一番読書環境に恵まれていた時期でした。

現代「田舎」事情

2006-02-24 20:37:30 | Weblog
まず、Rosarium更新についてのお知らせです。
Beads Galleryの再UPが完了しました。
新しい写真の追加はしていないのですが、いずれ新作もご紹介したいと思います。

何度も述べておりますが、私は田舎に住んでおります。

私が高校生の頃(十数年前)にはコンビニもファストフード店もありませんでした。
なので、私が初めてコンビニで買い物をしたのは、
大学生になって育った街を離れてからです。

個人経営のハンバーガーショップは市内に数件あり、
高校生の頃は時々友人とそういうところに行っていました。

私が大学に入り、育った街を離れている間に
全国チェーンのファストフード店が進出してきて、
そして大学卒業後、ようやくコンビニも市内にできました。

ですが、私はコンビニにはほとんど行ったことがありません。
スーパーやドラッグストアのほうが安くて品揃えも豊富だからです。

スーパーは何軒もあり、ドラッグストアもいくつかありますが、
デパートは出張所があるだけです。
なのでたまに都会に行くと、デパートを屋上から地下まで見て回るのが楽しみです。

今日は新しくできたドラッグストアへ行ってみたのですが、
そのあたりは新興住宅地で、バス通りからかなり離れています。
他には余り店の無いところなのですが、コンビニも新しくできていました。

こうして田舎も日々変化していくのだなぁと感じました。

猫の日

2006-02-22 20:52:14 | 
今日2月22日は「2(ニャン)2(ニャン)2(ニャン)」ということで「猫の日」です。
うちのさっちゃんにも何かしようかと思ったのですが、
特に何もしませんでした。

最近はほとんど父の部屋や母の部屋で過ごすことが多く、
私の前に姿を見せることの少ないさっちゃんですが、
今日は珍しく私の部屋にやってきて、くつろいでいきました。
久々のさっちゃんとのふれあいを満喫しました。
私は自称「猫依存症」なので、
猫の姿を見ないで一日が終わると、
何かしら物足りない気がしてしまうのです。

Rosarium「Cat's Album」にも何点か新しい写真を加えました。

世紀末と舞踊Ⅰ

2006-02-21 22:47:35 | 美術
フランツ・フォン・シュトゥック 舞踏
1896頃 52×87cm
アーエルバッハ ゲオルク・シャッハー・コレクション


華やかな衣裳をまとい、リズミカルで流麗な肉体の動きを見せる舞踊は
19世紀末大いにもてはやされました。
当時舞踊は「肉体の力と霊の力の完全な合体、人間の始原的な調和」を
象徴すると考えられ、
世紀末の芸術家は踊る女を生命の象徴としてとらえました。
サロメが好まれた理由の一つも、彼女が「踊る女」であったからです。

詩人ポール・ヴァレリーは
「生命は踊っている女だ。自分のした跳躍を雲の上までつづけて行けたら、
女であることをやめて神になるかもしれない踊り子」と述べています。

世紀末芸術の象徴的モティーフとしてよく登場するのは
はっきりとした形でとらえることができず、絶え間なく変化する動きと、
流動的な性質によって豊かな運動感と多彩な装飾的効果を
同時に表現しうるようなモティーフです。
舞踊はその一つとして取り上げられました。
これらのモティーフは人間の心理を象徴するもので、
根源的な生命力の神秘にせまるために芸術家は想像力を駆使し、
現実にはありえないような幻想的表現を生み出しました。

19世紀末から20世紀初頭にかけて様々な舞踊家が活躍し、
芸術家たちにインスピレーションを与えました。
次の機会にはそういった舞踊家についても取り上げてみたいと思います。

伊藤有壱アニメーション展 I.TOON CAFE

2006-02-19 19:52:36 | 美術
現在広島市現代美術館で開催中の伊藤有壱アニメーション展 I.TOON CAFEを見ました。

伊藤有壱という名前を聞いたことのない方でも、
(実は私もこれまで知りませんでした)
「ビオレママ」や「ポン・デ・ライオン」などは多くの方がご存知だと思います。
そういったCMをはじめとして、伊藤有壱の作品が一堂に会した展覧会です。

I.TOON CAFEの“CAFE”とは“Contemporary Animation Factory Exhibition”の略なのですが、
展示会場全体の雰囲気がどことなくおしゃれな“CAFE”を思わせ、
楽しく作品を見ていくことができます。

まず会場に入ると、NHK教育テレビ「プチプチ・アニメ」で放映中の「ニャッキ!」の世界が展開しています。
「ニャッキ!」の主人公「ニャッキ」はイモ虫の男の子で、
友達の女の子イモ虫「ピンク」やニャッキの憧れの女の子イモ虫「フルール」など
楽しい仲間たちと共に物語が繰り広げられます。

「ニャッキ!」は粘土製の人形を一コマずつ撮影して動きを出す
「ストップモーションアニメ」の手法で制作されています。
一話五分間アニメなのですが、
主人公ニャッキのパーツだけでも100個以上に及びます。
ニャッキを初めとするキャラクターのパーツも展示されていたのですが、
きれいな色で、なんだか砂糖菓子のように見えてしまいました。

人形だけではなく、絵コンテやアニメの画面のパネル展示、
また実際の「ニャッキ!」の上映も行われていました。
残念ながら時間が合わなかったので、私はアニメは見ていません。

また会場では「100万匹ニャッキ!プロジェクト」というものが開催されていて、
自分の描いたニャッキを会場に展示することができます。
私も描いてみたのですが、自分の画才の無さを痛感する結果となりました。

伊藤有壱は多くのCMやミュージックビデオを手がけており、
そういった作品の上映も行われていました。
わずか5秒のスポットCMであっても「楽しいな」と思わせる内容のものでいっぱいです。
ミュージックビデオもただ歌を引き立てるものではなく
歌との相乗効果で素晴らしい作品になっています。

CMやミュージックビデオで使用されたクレイアートなども展示されており、
映像を思い起こしながら見ていくとより楽しいものになりました。

立体アニメーションのワークショップもあり、
クレイアートを使用してアニメ作りを体験することもできるのですが、
時間が無かったので、体験はしませんでした。

「現代美術」というと、なんだかとっつきにくい印象があるのですが、
今回の展覧会はまるでテーマパークをめぐるような感覚で
とても楽しく鑑賞できました。

Rosarium大改装

2006-02-17 21:15:31 | Weblog
大げさなタイトルですが、ここ数日Rosariumの改装を行っています。
それでブログの更新がおろそかになっていました。

今日は休日なので、改装に区切りをつけました。
猫の写真やビーズアクセサリーのページがまだ完成していませんが、
今後少しずつUPしていく予定です。

My Sweet Roseと比較すると全体にシックな雰囲気のページ作りをしています。
以前にも述べたと思いますが、イメージは「夜の薔薇園」です。

まだ広島市現代美術館の展覧会の感想を記事にしていないので、
近日中に記事にしたいと思います。

ダリ、シルクロード

2006-02-13 23:51:42 | 美術
今回のタイトルは一見脈絡がないようですが、
どちらも広島県立美術館の常設展と関連のあるものです。

現在開催されている常設展は
 新収蔵品特集
 1920-30年代の美術3 ダリ「マルドロールの歌」
 児玉希望・奥田元宋・平山郁夫3(いずれも広島県出身の画家です)
 墨に五彩あり
 スザニ-花咲き乱れる刺繍布
以上なのですが、
今回特に印象に残った「ダリ『マルドロールの歌』」と「スザニ―」を記事にしたいと思います。

ダリ「マルドロールの歌」
ダリをはじめ、マグリット、マックス・エルンスト、ピカビアといったシュールレアリスムの作品が展示されていました。

「マルドロールの歌」はエッチング集で、やわらかく曲がった時計、妻のガラなど、
ダリといえば連想されるようなおなじみのモティーフによって構成されています。
中でも頻繁に描かれていたのが、ミレー「晩鐘」を元にした祈る男女の姿です。
素朴で敬虔な農民の夫婦の姿を写実的に描いたのがミレー「晩鐘」ですが、
ダリは祈る男女の姿にいろいろな意味を見出しています。

広島県立美術館にはダリの大作「ヴィーナスの夢」もあるのですが、
今回は貸し出し中で展示されていませんでした。
この貸出先が愛媛県美術館で、現在「ダリの宇宙とシュルレアリスムの巨匠展」が開催されています。

スザニ―花咲き乱れる刺繍布―
「スザニ」とは中央アジアで作られる刺繍布のことです。
スザニという言葉はもともとは「針仕事」を意味していましたが、
木綿地に絹糸刺繍を施したものをさすようになりました。

タシケント、サマルカンド、ブハラなどで19世紀に制作された美しい刺繍布の数々が展示されていました。
100年以上たっても色あせず、繊細で美しい花模様の数々に見入ってしまいました。
作品の中にはしみがついているものもあり、
これがただの美術品ではなく、実際に生活の中で使用されていたものであることが実感できました。
ああいうベッドカバーやカーテンがあれば欲しいなぁというのが
オリエンタルなものの好きな私の正直な感想です。
展覧会を見ていても、ついこんな観点でものを見てしまいます。

偉大なる「エルミタージュ美術館」展

2006-02-12 20:58:21 | 美術
現在広島県立美術館で開催中の偉大なる「エルミタージュ美術館」展を見てきました。
17世紀フランドル絵画と17世紀から19世紀にヨーロッパで制作された工芸品が出品されていました。

今回の展覧会は広島のみの開催で、他へは巡回しないとのことです。
広島県立美術館とエルミタージュ美術館は長年にわたり交流が続いているそうで
それによって今回の展覧会が実現したようです。

1 肖像画でみるフランドル
今回の展覧会の最大の呼び物である、ヴァン・ダイク「家族の肖像」をはじめ、
テニールス「アントワープ市射手組合の集団肖像画」など、
17世紀フランドルの人々を描いた肖像画が展示されていました。

「家族の肖像」は、ルーベンス「ヤン・ブリューゲルと家族の肖像」を下敷きとした作品ですが、
この作品のモデルについては不明です。
上を見上げる子供の表情など、肖像画家として名をはせたヴァン・ダイクの力量が十分に発揮された作品です。
「アントワープ―」は当時オランダやフランドルで流行していた集団肖像画です。
有名なレンブラントの「夜警」と異なり、人物はすべて平等に描かれていますが、
人物よりもアントワープの広場沿いの建物のほうが目立つ作品になっています。
私には「集団肖像画」というよりも、アントワープという「街」の肖像のように見えます。

2 フランドルの巨匠テニールス
今回の展覧会では17世紀フランドルの風俗画家ダフィート・テニールスの作品が19点一挙に公開されています。

「農村の祭り」では中央に楽しく歌い踊る村人たち、右手に酒宴を催す村人たち、
左手には街からやってきた上流の人たち(と思われる)が描かれています。
また「農村の婚礼」では中央奥の緑の幕の前に花嫁が座り、
手前には村人たちが祝宴を楽しむ様子が生き生きと描かれています。

私はこれまでテニールスという名前を聞いたことがなかったのですが、
作品を見ていくとブリューゲル以来のフランドル風俗画の伝統を受け継いでいる画家だと言うことがよくわかりました。
このように日本であまり知られていない画家に焦点をあてる展示構成は素晴らしいと思います。

3 同時代の画家たち
ヴァン・ダイクやテニールスと同時代に活躍したフランドルの画家の作品が紹介されていました。

私が今回の展覧会で一番気に入った作品はこれです。

ダフィート・ライカールト三世 「農婦と猫」


一目見て作品の前に釘付けになってしまいました。
「猫かわいがり」な表情の老女といい、おくるみにくるまれた猫のとぼけた表情といい
猫好きのツボを実に心得た作品だな~というのが正直な感想です。

プラート美術の至宝展

2006-02-11 11:17:10 | 美術
現在ひろしま美術館で開催されているプラート美術の至宝展を見ました。

プラートはフィレンツェに隣接した都市であり、
美術においても常にその影響を大きく受けてきました。
この展覧会では
14世紀自治都市であった時代から、フィレンツェの直轄領となってからの時代
そして17世紀プラートが教会の教区として独立してからに至る
プラートの都市としての歴史を美術作品によってたどるといった展示構成でした。

展覧会最大の呼び物はフィリッポ・リッピの手による祭壇画です。
フラ・ディアマンテとの合作の「身につけた聖帯を使徒トマスに授ける聖母および聖グレゴリウス、聖女マルゲリータ、聖アウグスティヌス、トビアスと天使」と
「聖ユリアヌスをともなう受胎告知」の2点が展示されていました。

「身につけた―」はプラートに伝わる聖帯伝説を題材とした祭壇画で、
被昇天した聖母マリアが自分が身につけていた帯を、
使徒トマスに与えたという物語を描いています。
この祭壇画はサンタ・マルゲリータ修道院長の注文により描かれたもので、
画中に修道院長を伴った聖女マルゲリータが描かれていますが、
聖女の姿はリッピの愛人であった尼僧ルクレツィアに似せているといわれています。
確かにルクレツィアがモデルであるとされている、リッピ作の聖母マリアとよく似た顔立ちをしていました。

「聖ユリアヌスをともなう受胎告知」はリッピとフラ・ディアマンテの共作と
リッピの弟子による模写の2点が展示されていました。
全体の構図は全く同じですが、
色彩や人物の表情といった微妙なところはオリジナルのほうが繊細に表現されていました。
ルネサンス時代には絵画は工房で制作されるものであり、
オリジナルの作品を元に工房の画家たちが制作するということが行われていました。

ルネサンス時代に流行した“トンド”(円形画)も何点か展示されていましたが
ラッファエッリーノ・デル・ガルボ「聖母子と幼き洗礼者ヨハネ」の色彩の美しさが印象に残りました。

ルネサンスからマニエリスム、バロックと時代の変遷を追う形の展示で、
バロック期になるとカラヴァッジョ風の様式の作品が描かれるようになります。
バロック時代の作品で印象に残ったのが
サッソフェラート「祈りの聖母マリア」です。
「マーテル・アマービリス(愛すべき聖母)」と呼ばれる図像で
暗い背景の中穏やかな表情で静かに祈る聖母の上半身が浮かび上がるように描かれています。

作品展示のほかにも、リッピが制作したプラート大聖堂の壁画についてのパネル展示や
プラートの歴史についてのパネル展示が詳しく行われていました。
展示作品の総数はそれほど多くはなく、
またいわゆる「有名画家」の作品もほとんどありませんでしたが、
イタリア都市国家の歴史をたどることができ、
またほとんど日本で展示されることのないゴシック期やルネサンス期の作品を見ることのできる
有意義な展覧会だと思いました。