Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

魔女

2006-06-30 19:27:38 | Weblog
My Favorite Arts内に新たに魔女を作成しました。
現在はキルケとメデイアのみですが、
今後そのほかの「魔女」についても取り上げ、
またブログで記事もUPする予定です。

そしてトップページのデザインも変更しました。

Waterhouse Gallery完成

2006-06-29 20:33:54 | Weblog
My Sweet RoseのWaterhouse Galleryがようやく完成しました。
Galleryに収録していない作品もありますが、
サイト内のあちこちに展示しています。
今のところ初期作品をあまり取り上げていないので、
いずれ取り上げてみたいと思います。

また一つMy Favorite Artsで取り上げたい内容を思いついたので
新しいページを作ろうと思っています。

睡蓮

2006-06-26 23:44:10 | 美術
現在Art Fan Ringのトップページ画像に使用している作品はモネ『睡蓮』です。

スイレンは温帯性スイレンと熱帯性スイレンの二つに大きく分けられます。

温帯性スイレン(一般に日本で栽培されているものはこちらです)は
水面に浮かぶように花を咲かせ、ほとんど香りはしません。
温帯性スイレンの花の色はもともと白や黄色でしたが
1880年代にヨーロッパで品種改良が行われ、
赤やピンクの花をつける品種が登場しました。
モネの『睡蓮』連作に描かれているピンクのスイレンは当時登場したばかりの新品種でした。

熱帯性スイレンは水面から茎を立ち上げて花を咲かせ、甘い香りを漂わせます。
昼咲きと夜咲きの二つに分けられ
夜咲きの花の色には赤、ピンク、白、黄色があり、
昼咲きにはさらに青や紫もあります。
モネは自らの「水の庭」で青いスイレンを咲かせたかったのですが、
青いスイレンは熱帯性のため、フランスの気候では咲かせることができませんでした。
高知県北川村にあるモネの庭ではモネの夢であった青いスイレンを見ることができます。

スイレンの学名はNymphaeaといいますが、これはスイレンの花に変身したニンフ(nymph)のローティス(Lotis)に由来します。
ちなみにローティスの名はハス(lotus)の語源となっています。

スイレンの葉の下には水魔が棲んでいて、スイレンの花を手折ろうとする人間を沼の中に引き込んでしまうという言い伝えもあります。


ウォーターハウス ヒュラスとニンフたち

この作品は古代の寓話に題材をとったもので
美少年ヒュラスに魅せられた水のニンフたちがヒュラスを説き伏せて水の中へ入らせ、
抱擁したまま水の中へ引きずり込んでしまうという物語を描いています。
この作品のニンフたちはスイレンの花を髪に飾っています。

水面に優美な花を浮かばせるスイレンという花は
水の妖精の化身のように思われたのでしょう。

現在わが家の池にも黄色いスイレンが咲いています。
うちの池には妖精は棲んでいなさそうなのが残念です。

水の女 From the Deep Waters

2006-06-24 22:58:23 | 
『水の女 From the Deep Waters』1993 解説:高宮利行
この画集を出版していたトレヴィルでは
この他にも美しい画集や写真集を数多く出版していました。
出版社が解散してしまい、現在入手困難な本ですが、
大好きな本で、私にとって今のHPを作ることになった原点ともいえるものなので
ここで紹介させていただきます。

この本ではラファエル前派、世紀末象徴主義、アカデミスムの画家による
水にまつわる女を描いた作品を
四章に分けて紹介しています。

19世紀後半機械文明の進展は同時に多くの弊害を生み出しました。
それらの現実から背を向け神話や伝説の世界、
超自然的な世界に夢を追い求めた芸術家が好んで題材にしたものの一つが
水の精や水の流れに運ばれる死せる女の姿です。

Sighs of Water
オフィーリア、イレイン、シャロットの女といった物語に登場する女達のほか
入水自殺を図ろうとする女や溺死させられた殉教者を描いた作品が紹介されています。
愛のために狂気に陥り、花輪を木の枝にかけようとして溺死したオフィーリア、
愛のために死に、遺体を小舟に乗せてキャメロットへ運ばせたイレイン、
愛のために呪いを受け、小舟の中で歌いながら息絶えたシャロットの女のように
この章で紹介されているのは、水と結びついた女の死を題材にした作品です。

Water Nymphs
水にまつわる妖精を描いた作品が紹介されています。
ウォーターハウス『ヒュラスとニンフたち』『エコーとナルキッソス』のような可憐な妖精だけではなく、
ウォーターハウス『嫉妬に燃えるキルケ』レヴィ=デュルメル『メデューサ』のような恐ろしい魔女
クリムト『海蛇』『金魚』のような妖美なエロスあふれる女達も登場します。

From the Deep
人魚やセイレーンなど主に海にまつわる女たちを紹介しています。
暗く、深く、どこまでも続く水底の世界へいざなう美しき誘惑者としての
人魚やセイレーンにとらわれてしまっては、
二度と日の光の下へ戻れなくなるように思えます。
この本に登場する「水の女」たちの中でも最も異界の住人という感じがします。
実は私のHPのコンテンツFrom the Deepはこちらからタイトルをお借りしました。

Water Blooms
『ヴィーナスの誕生』や先日の更新情報で紹介した作品『ウォーター・ベビー』などが紹介されています。

地球の歴史上最初の生命は水の中から生まれました。
そして人間も母親の胎内で羊水という水に浮かびながら
単細胞生物からの進化の過程を経て生まれてきます。
つまり水は生命を生み出す根源であり、すべての生命の故郷でもあるのです。
水に身をゆだねる死を選んだ女たちや
美しい水の精にいざなわれ水底に沈んでいった男たちは
生命の源である水の世界へ還ることを選んだのではないかとも思えます。
「水」と自らの胎内で生命を育み生み出す「母」の共通項
それこそが様々な「水の女」の原点となったのではないかと思います。

大雨の一日

2006-06-23 21:56:39 | Weblog
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どうぞご了承ください。
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休日なのでどこかへ出かけようかと思っていたのですが、
大雨だったので、結局どこへも行きませんでした。
その代わりといっては何ですが、
久々にビーズアクセサリー作りをしました。
以前に購入していたターコイズブルーとカーネリアンのチェコカットビーズを使って
ネックレスとリングを作ってみました。
最近は休日といえばHP作りに熱中してしまい
ビーズアクセサリー作りはあまり行っていなかったのですが
久しぶりにしたので楽しかったです。
ちなみに以前作ったアクセサリーの一部はこちらで公開しています。

人魚姫

2006-06-21 21:28:43 | 美術
メアリー・イヴリン・ド・モーガン 人魚

上の作品はラファエル前派の女性画家ド・モーガンによるもので、
アンデルセン「人魚姫」を題材にしています。

一般に伝説や詩に登場する人魚は
美しい歌声と姿で人間を誘い、
海底の世界へ引きずり込んでしまう存在として表されています。
つまり人魚は“宿命の女 famme fatale”なのです。

しかし「人魚姫」の主人公は海の外の世界へ憧れ、
人間の王子に恋をして、人間になることを望みます。
彼女は美しい声と引き換えに人間になりますが、
人間になってもその恋は実りませんでした。

ド・モーガンの作品に描かれているのは、
人魚姫の身を案じて海上に現れた彼女の姉達です。
彼女らは人魚姫が王子を殺せば、もとの人魚に戻れると伝えますが、
人魚姫は愛する王子を殺すことができませんでした。
そして彼女は海の泡となってしまいます。

私はこの物語を改めて見直してみて
「人魚姫」が「シャロットの女」同様
報われぬ恋に殉じた女であることに気づきました。
どちらの主人公も愛のために本来自分のいるべき世界を飛び出し
その結果自らは破滅することになります。
しかしたとえ思いを伝えることすらできなかったとしても
彼女らは己の選んだ道を後悔はしていないように思えます。

成分解析 with 和色大辞典

2006-06-20 21:17:45 | Weblog
lapis様のところで面白いものが紹介されていたので、やってみました。

成分解析 with 和色大辞典

千露の解析結果



千露の65%は半色(はしたいろ)でできています。
千露の15%は薄緑(うすみどり)でできています。
千露の13%は高麗納戸(こうらいなんど)でできています。
千露の3%は茶鼠(ちゃねずみ)でできています。
千露の3%は藍鼠(あいねず)でできています。
千露の1%は薄群青(うすぐんじょう)でできています。
千露の解析結果を調合すると#8a92a2になります。



ちなみに本名だとこうなりました。

*****の解析結果



*****の80%は桃色(ももいろ)でできています。
*****の15%は蒲公英色(たんぽぽいろ)でできています。
*****の4%は蜜柑色(みかんいろ)でできています。
*****の1%は宍色(ししいろ)でできています。
*****の解析結果を調合すると#f29b7bになります。



HNと本名ではずいぶんと違う色になったのに驚きました。
千露は青や灰色系統の色、
本名の私は桃色や黄色系統の色と対照的になっています。
自分でもどちらが本当の自分に近いのかわからなくなりました。
でもMy Sweet Roseのサイトイメージだと
本名の色のほうが近いようにも思えます。

ついでにメインサイトの名前でもやってみました。

My Sweet Roseの解析結果



My Sweet Roseの51%は薄紅梅(うすこうばい)でできています。
My Sweet Roseの26%は青藍(せいらん)でできています。
My Sweet Roseの16%は錆浅葱(さびあさぎ)でできています。
My Sweet Roseの6%は古代紫(こだいむらさき)でできています。
My Sweet Roseの1%は藍鉄(あいてつ)でできています。
My Sweet Roseの解析結果を調合すると#967d9aになります。


どうやらHNと本名を融合した結果になったようです。

My Favorite Arts更新

2006-06-19 19:54:14 | Weblog
My Sweet RoseのMy Favorite Arts内
 Sleeping Beauty および From the Deepをリニューアルしました。

これまでUPしていた画像に加え、新たな画像を追加し、
またSleeping Beautyのほうにはページのイメージに合わせた音楽をつけてみました。

更新作業をしているうちに作品についてのテキストも作成したくなりました。
少しずつブログでUPしようと思っております。

灼熱の六月

2006-06-18 22:04:14 | 美術
フレデリック・レイトン 「灼熱の六月」1895頃

上の作品はヴィクトリア朝を代表する画家レイトンの代表作です。
レイトンはアトリエで眠り込んでいるモデルの姿を見て
この構図を思いついたと言われていますが、
実際には「灼熱の六月」以前にも眠る人物を題材にした作品を制作しています。
また「眠る女」というテーマはヴィクトリア時代の画家達に好まれた題材です。
そして「灼熱の六月」のモデルのポーズは
ミケランジェロによるメディチ礼拝堂の彫刻「夜」によく似ています。

この作品の最大の特色は空間のあいまいさです。
画面上部には海が見えますが、
モデルが眠っている室内(テラス?)はどのような空間であるのかよくわかりません。
またモデルの髪と体を覆う布との境界もきわめてあいまいで
似たような色調の衣裳の襞とともに溶け合ってしまっています。

画面上からは作品内の時間や場所、
またこの女性がどういう人物であるかを判断する手がかりを見つけることはできません。
「灼熱の六月」は特定の物語を描いたものではなく、
燃え上がるような色彩の閉塞的な空間そのものを描き出した作品といえます。

愛媛県美術館 常設展

2006-06-17 22:27:54 | 美術
特別展を見た後、常設展もあわせて見ました。

常設展示室1(日本画) 特集展示 風景画―都市と自然―
江戸時代から現代に至る日本画の展示です。
愛媛の自然ということで石鎚山や面河渓を題材にした作品もあるのですが、
私が気になったのは
岩波昭彦の描くマンハッタンを題材にした都市景観図です。
日本画の手法で描かれ屏風に仕立てられたマンハッタンの夜景には
不思議な魅力を感じます。

常設展示室2(洋画) 特集展示 パリの日本人―海を渡った画家たち―
/小企画 夏から秋へ―自然へのまなざし―

藤田嗣治、安井曾太郎、梅原龍三郎といったパリで制作活動を行った画家の作品が紹介されていました。
そのほか愛媛県出身の杉浦非水の創作図案集と
フランス風景の水彩画5点が展示されていました。
杉浦非水は三越のポスターを手がけたことで知られており、
日本のグラフィックデザイナーの魁ともいえる画家です。
創作図案集を見ていると、
アール・ヌーヴォーやアール・デコといった
当時のヨーロッパの装飾様式の影響を大きく受けていたことがわかります。
そのほか大正から昭和40年代にかけて活躍した画家たちの
夏の風景を描いた作品が展示されていました。

常設展示室3(現代美術)
1950年代以降のいわゆる「現代美術」の展示がされています。
私は現代美術はどちらかといえば苦手で、
作品の優れたところがよくわからないのが残念です。

特別展示室1(海外の名作) 19~20世紀の西洋美術II
クールベ、モネ、ルドン、ミュシャなどの作品の展示です。
モネ「アンティーブ岬」は明るい海の風景を描いた作品です。
ルドン「アポロンの馬車」は晩年のルドンが好んで描いた画題の一つです。
ミュシャ「『ハムレット』のポスター」は新たに所蔵した作品のようです。
私は何度も愛媛県美術館へは行っていますが
この作品をここで見たのは初めてです。

特別展示室2(福田平八郎) 初夏の風物
大分県出身の日本画家福田平八郎作品のコレクションから
初夏の風物を題材にしたものを選んで展示しています。
鮮やかでありながら涼しげな色使いの妙味を味わえます。

特別展示室3(郷土作家) 特集展示 追悼・村上三島
愛媛県越智郡上浦町(現:今治市)出身で
昨年11月に亡くなった書家村上三島の追悼展です。

常設展ではいつ来ても見られるものと
展示替えによって見られるときと見られないときがあるものがあります。
一見同じような常設展でも
その時々で違う表情を見せるのを楽しみにしています。