Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

私の好きなボッティチェリBest5

2007-01-26 21:58:30 | 美術
「私の好きな…」シリーズ第2弾は
フィレンツェ・ルネサンスを代表する画家ボッティチェリです。
私は世紀末芸術にはまる前はルネサンス(特に初期ルネサンス)絵画が好きだったのですが
(今でも好きです)
その中でも特に好きなのがボッティチェリです。
フィレンツェで彼の代表作の数々を目にして、ますます好きになりました。

第5位 海の聖母

あまり有名な作品ではありませんが、
少女の面影を残す聖母と
窓から見える海の風景が印象的です。
すべての生命の「母」である海と
人々の「母」とも言えるマリアが重なって見えます。

第4位 神秘の降誕

文字通り「ミステリアス(神秘的)」な作品だと思います。
天上を舞う天使たちや地上で抱擁しあう天使と人間など
そのしぐさは祝意に満ちたものであるにもかかわらず
彼らの表情には不安と苦悩が垣間見えます。

第3位 歌う天使と聖母子

歌う天使の表情や白百合の花などから
実に清新な印象を受けます。
「ルネサンスの息吹」を感じ取ることのできるような作品です。

第2位 マニフィカトの聖母

流麗な線描、鮮やかな色彩、聖母子や天使たちの表情など、
どこをとっても「美しい」としか言いようの無い作品です。
天使たちの美少年ぶりにも惚れ惚れしてしまいます(笑)

第1位 ヴィーナスの誕生

やはりBest1はこの作品です。
絵の前で涙したのは後にも先にもこの作品のみです。

流麗な女性や可憐な女性
中性的あるいは両性具有的な美少年たち
ボッティチェリの描く人物は古きよき時代の少女漫画の登場人物のようです。
私がボッティチェリの作品に惹かれるのも少女漫画好きであることが大いに関係しているかもしれません。

私の好きなモローBest5

2007-01-24 22:12:00 | 美術
最近は美術以外の内容に浮気しがちなので、
久々に美術ブログらしい記事をUPしたいと思ったのですが、
いいネタがなかなか浮かびません。

そこで最愛の画家の一人ギュスターヴ・モローの作品から
好きな作品を5点選んでみることにしました。

第5位 神秘の花

殉教者たちの血を養分にして咲き誇る「神秘の花」
ファム・ファタルとしての聖母マリアに倒錯的な魅力を感じます。

第4位 ガラテア

以前は特別好きな作品ではなかったのですが、
昨年神戸のオルセー美術館展で見て以来
輝くような色彩と線描の繊細さに魅了されてしまいました。

第3位 サッフォーの死

薄紅色の夕闇の美しさ、
死せるサッフォーと舞い降りる白い鳥
一瞬の中に永遠が存在するということを感じさせてくれるような作品です。

第2位 夕べ

両性具有的な詩人の姿は
まさにモローが表現しようとした「美」の姿そのもののように思えます。

第1位 夕べと苦しみ

森・湖・夕空の美しさ
恋人である「苦しみ」を慈愛に満ちた表情で包み込む「夕べ」
この後一人取り残されることになってもいいから
この黄昏の世界に入っていきたいと思わされます。

他にも好きな作品はたくさんあるので
5つに絞るのは結構苦心しました。

モローといえば「サロメ」ですが、
私のBest5には一点も「サロメ」が入りませんでした。
もちろんサロメを初めとする「ファム・ファタル」を描いた作品も好きなのですが、
詩人や詩的な情景を描いた作品により魅了されています。

2007年に見たい展覧会

2007-01-19 19:15:17 | 美術
ようやく今年見たい展覧会がまとまりました。
しかし平成19年度の展覧会の予定は
どこの美術館もまだ公式サイトにて発表していないので、
これから追加が出てくると思います。

NHK日曜美術館30年展 2月15日~3月25日 広島県立美術館
大エルミタージュ美術館展 3月14日~5月13日 京都市美術館
大英博物館 ミイラと古代エジプト展 3月17日~6月17日 神戸市立博物館
ベルギー王立美術館展 4月7日~6月24日 国立国際美術館(大阪)
フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展 9月26日~12月17日 国立新美術館

現時点では4月中旬~5月上旬にかけて京阪神に行くことになりそうです。
おそらく三都展覧会巡りの旅となって他のところを見る時間は無いのでは?と思います。

フェルメール《牛乳を注ぐ女》はまだ見たことのない作品なので、
できれば見に行きたいと思っています。

2006私が見た展覧会Best5

2006-12-28 23:43:59 | 美術
今年も残すところあと3日となりました。
2006年に行った展覧会のBest5を独断と偏見で決定しました。

1.オルセー美術館展(神戸市立博物館)
オルセーといえば「印象派の殿堂」のイメージがありますが、
象徴主義絵画、工芸、写真など、「印象派」以外のオルセーの魅力を再認識しました。
ガラテアとジュリーの猫を見るだけでも大いに価値のある展覧会です。

2.プラド美術館展(大阪市立美術館)
ムリーリョの描く愛らしい乙女や幼児、喪服のマルガリータの美しさにただただ心惹かれました。
プラドのエッセンスがギュッと詰まった展覧会だったと思います。

3.アムステルダム国立美術館展(兵庫県立美術館)
フェルメール『恋文』が一番の目的でしたが、
当時の風俗画には結構猫が登場していて、猫探しも楽しかったです。

4.偉大なる「エルミタージュ美術館」展(広島県立美術館)
広島県立美術館の独自企画による展覧会です。
テニールスの作品を中心に17世紀オランダの風俗画・肖像画を展示していました。
地方の美術館でこういった独自企画を催すという意気込みがいいと思います。

5.ベオグラード美術館所蔵 フランス近代絵画展(高知県立美術館)
有名な画家の作品中心の構成ですが、それぞれの画家の意外な一面を見せてくれた展覧会だったと思います。
モロー『疲れたケンタウロス』の美しさは格別でした。

どうも私が絵を見るポイントは「世紀末」「猫」「美女・美少女」のようです。
来る2007年も様々な作品との出会いが開けることを期待しています。

夜の降誕

2006-12-23 22:21:59 | 美術
いよいよ明日はクリスマス・イブです。
私の家の近くでもイルミネーションをしている家が何軒もあります。
今日はそのイルミネーションを見に行ってきたのですが、
個人宅のものといえ本当に見事で、結構遠くから見に来る人もいるようです。

降誕祭=クリスマスといえば「聖夜」と呼ばれるように
夜のイメージが強いのですが、
中世の美術においてはキリスト降誕は夜の情景としては描かれていませんでした。

上の画像は15世紀ネーデルランドの画家シント・ヤンスの描いた『降誕』です。
シント・ヤンスは聖ヨハネ(シント・ヤンス)騎士団の画家として
ハールレムを活動の拠点としていました。
若くして亡くなったため、残された作品は少ないのですが、
静かで神秘的な宗教画を描いています。

シント・ヤンスはキリスト降誕を夜景で描いた最初の画家といわれています。
暗い家畜小屋の中で飼葉桶に寝かされた嬰児とそれを見つめる母という
華やかなものは何もない情景ですが、
かえってそれが静かな詩情と厳かさを生み出す効果をあげています。
自ら光を発して暗闇を照らす幼子は
「世界の光」すなわち救世主であることを見るものに告げています。

クリスマス・キャロル'06

2006-12-22 21:43:48 | 美術
ロセッティ クリスマス・キャロル 1867

ロセッティが描いたもう一枚の『クリスマス・キャロル』です。

現在My Sweet Roseのトップページに用いている『クリスマス・キャロル』では
「クリスマスを祝福する」といった雰囲気が画面から感じられるのですが、
この作品からは「幸せなクリスマス」のイメージが思い浮かびません。
どちらかといえば愛の苦悩を謳い上げる女といった感じがします。

前作(1857)から十年の間に起こったロセッティの人生経験が
彼の「クリスマス」のイメージを変えてしまったのかもしれないと感じます。

関連記事 クリスマス・キャロル

ベツレヘムの星

2006-12-21 22:00:48 | 美術
今年もあと残すところ十日足らずとなりました。

クリスマスツリーの先端にはたいてい大きな星が飾ってあります。
あの星は東方より来る三人の博士(三人の王とする説もあり)を
救い主の生まれた場所へ導くために現れたもので
「ベツレヘムの星」と呼ばれます。

「ベツレヘムの星」がいったいどんな星であったのかについては諸説ありますが、
紀元前後の詳しい天文記録が残っていないため、未だ定説がありません。
主な説に
 1.最大光輝に達した金星説
 2.彗星説
 3.超新星説
 4.大流星・火球説
 5.惑星会合説
などがありますが、

1.の場合、確かに金星は明るい星ではありますが、普段から見られる星であり、
「奇跡」に結びつけることは難しいであろうとのことです。

3.の「超新星」は一つの銀河の中で数百年に一度しか起こらない事象で、
場合によっては昼間でも見ることができるほどの光輝を発するものですが、
同時代の記録にそのような天体が現れたとするものが全くないため
この説は成立しないことになります。

4.の場合、流星も火球も一瞬の出来事であるので、
三博士がベツレヘムに到着するまで輝いていた星という条件に当てはまりません。

現在有力視されているのは2.と5.の説です。

5.の説は天文学者ケプラーが唱えたもので、
彼は紀元前7年5月にうお座で木星と土星が会合したことをつきとめました。
ユダヤ民族の間ではうお座は聖なる星座と考えられており、
モーゼが生まれる3年前にもうお座での惑星会合があったことが記録に残っているそうです。

2.の説の場合最有力視されたのはハレー彗星なのですが、
ハレー彗星のイエスの誕生に最も近い出現年は紀元前12年であり、
紀元前5~6年ごろと考えられているイエスの誕生年と年代が合いません。
しかし、彗星には周期が数百万年というものもあり、
人類史上で一度しか目にすることができないというものも数多く存在するということです。
そして彗星といえば長い尾を箒のように引いている姿を連想しますが、
地球から見える角度によっては短い尾を垂直に引いて、
まるで矢印のように見えるものもあるそうです。
「ベツレヘムの星」はこういった彗星ではないかとする説もあります。

画像はジョット『東方三博士の礼拝』です。
馬小屋の上に見える長く尾を引いた球体は彗星です。
1301年に地球に接近したハレー彗星をジョットは作品に描きました。
1986年のハレー彗星接近時に欧州宇宙機関によって打ち上げられた探査機は
ジョットの名前にちなんで「ジオット」と名づけられました。

参考文献 メロスが見た星

三人の花嫁

2006-12-16 22:18:32 | 美術
ヤン・トーロップ 三人の花嫁
1893 78×98cm クレラー=ミュラー美術館


世紀末象徴主義芸術のなかでもトーロップの個性は特に際立っています。
彼は当時オランダ領であったジャワで生まれ、
14歳でオランダに帰国するまでかの地で育ちました。
彼独特の作品様式は幼年期を過ごしたジャワの伝統や思い出によるもので、
ジャワの版画やワヤン劇の操り人形などの影響も受けて形成されたものです。

『三人の花嫁』は1894年に開催された「自由美学」展に出品されたもので、
この展覧会に出品された作品の中でも最も重要な作品の一つという高い評価を得ました。

三人の花嫁を取り囲む女たちはシルフィード(空気の精)です。
この流れるようなシルフィードの造形にもジャワ文化の影響が見られます。
こういったシルフィードはトーロップの他の作品にも数多く登場しています。

左側の尼僧のような衣裳を身につけているのは
「神」に嫁ぐ「天国の花嫁」です。
彼女は清純な乙女であり、「花嫁」となることに不安を覚えています。
奥では彼女の仲間?である尼僧たちが「花嫁」の身を案じているようです。
シルフィードは「花嫁」に百合の花を捧げ祝意を表しています。

中央の透けるベールを被っているのは
「人間」に嫁ぐ「地上」の花嫁です。
彼女の穏やかな表情は「花嫁」の純潔と彼女に希求される母性を
ベールの下に透けて見える美しい裸身は、地上的な女性美を象徴しています。
永遠の女性としての「花嫁」に、シルフィードは白薔薇を捧げ賛美しています。

右側の険しい表情をしているのは
「悪魔」に嫁ぐ「地獄の花嫁」です。
蛇と髑髏を身につけた「花嫁」は冷酷で官能的な「ファム・ファタル」です。
シルフィードは彼女を引き止めようとしていますが、
悪魔へ嫁ぐ「花嫁」の決心は覆らないようで、真正面を見据えて佇んでいます。

シルフィードは婚礼の鐘を鳴らしていますが、
その鐘は十字架につけられたキリストの手に繋がっており、
また彼女らの足元は一面茨が敷き詰められています。
これは魂を気高く保つことでしか希望はないということを表しています。

トーロップは『三人の花嫁』は「精神的なる宇宙と官能的なものの結婚による美の誕生」を象徴していると述べています。
純真さと官能性を併せ持った「地上の花嫁」こそが
彼にとっての「理想の美」の姿であったのかもしれません。

魔性のヴィーナス

2006-12-14 23:28:05 | 美術
ロセッティ 魔性のヴィーナス

最近どうも「魔性」に魅入られてしまっているようで、
この作品を紹介したくなってしまいました。

原題はVenus Verticordia(人の心を変えるヴィーナス)で、
誘惑の林檎とエロスの矢を手にした「ファム・ファタル」としてのヴィーナスです。

この作品のモデルはロセッティの愛人でもあったファニー・コーンフォースで、
リジー(エリザベス・シダル)とは対照的な華やかで官能的な女性でした。
ふくよかで肉感的な美女であった彼女をロセッティは「象さん」と呼んでいました。

肉感的な裸婦として描かれているヴィーナスですが、
性的な表現に対して厳しい制限のあったヴィクトリア朝において
このような作品は大胆極まりないものでした。

ロセッティはもう一点『魔性のヴィーナス』を油彩で描いています。クリック時音量にご注意ください。
こちらも胸もあらわなヴィーナスで、
鮮やかな色彩が一層官能性を高めています。

先日「ファム・ファタル占い」を作って、占いの結果はリリスでしたが、
実際の私自身のキャラクターは多分「魔性?のオタンコナス」だと思います。

教会の見える冬景色

2006-12-12 22:19:39 | 美術
現在Art Fan Ringのトップ画像に用いている作品です。
ドイツ・ロマン派を代表する画家フリードリヒは数多くの冬景色を描いていますが、
この作品は荒涼たる雪景色と樅の木の緑の対比が印象的です。

一人の人物が杖を放り出して樅の木の中の十字架を礼拝しています。
背景には三位一体を表す三つの塔を持ったゴシック様式の教会が見えます。
この教会は超越的なものの啓示、神の顕現を象徴していますが、
むしろ目の前にある生命力に満ち溢れた樅の木のほうに
神が宿っているかのように見受けられます。

多くの生命が死に絶え、または眠りにつく冬の間も
常に緑の葉を茂らせている常緑樹は洋の東西を問わず崇拝の対象となりました。
16世紀ごろドイツで常緑樹を飾って新年を迎える習慣があり、
これがクリスマスツリーの起源とされています。