Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

よいお年を

2006-12-29 22:39:51 | Weblog
いつもWindflowersをご訪問頂き、誠にありがとうございます。
この一年美術を初めとする様々な話題によって
多くの皆様と交流できたことを本当にうれしく思います。

30,31両日は多忙のためネット落ちさせていただきます。
そのためコメントのご返事が新年以降となりますが、
どうぞご了承くださいませ。

どうぞ皆様よいお年をお迎えくださいませ。

2006私が見た展覧会Best5

2006-12-28 23:43:59 | 美術
今年も残すところあと3日となりました。
2006年に行った展覧会のBest5を独断と偏見で決定しました。

1.オルセー美術館展(神戸市立博物館)
オルセーといえば「印象派の殿堂」のイメージがありますが、
象徴主義絵画、工芸、写真など、「印象派」以外のオルセーの魅力を再認識しました。
ガラテアとジュリーの猫を見るだけでも大いに価値のある展覧会です。

2.プラド美術館展(大阪市立美術館)
ムリーリョの描く愛らしい乙女や幼児、喪服のマルガリータの美しさにただただ心惹かれました。
プラドのエッセンスがギュッと詰まった展覧会だったと思います。

3.アムステルダム国立美術館展(兵庫県立美術館)
フェルメール『恋文』が一番の目的でしたが、
当時の風俗画には結構猫が登場していて、猫探しも楽しかったです。

4.偉大なる「エルミタージュ美術館」展(広島県立美術館)
広島県立美術館の独自企画による展覧会です。
テニールスの作品を中心に17世紀オランダの風俗画・肖像画を展示していました。
地方の美術館でこういった独自企画を催すという意気込みがいいと思います。

5.ベオグラード美術館所蔵 フランス近代絵画展(高知県立美術館)
有名な画家の作品中心の構成ですが、それぞれの画家の意外な一面を見せてくれた展覧会だったと思います。
モロー『疲れたケンタウロス』の美しさは格別でした。

どうも私が絵を見るポイントは「世紀末」「猫」「美女・美少女」のようです。
来る2007年も様々な作品との出会いが開けることを期待しています。

一筆箋

2006-12-27 23:47:02 | Weblog
私は一筆箋が好きで色々と持っています。

花や子猫、招き猫などのイラストのもののほか
ミュシャやウィリアム・モリスの意匠のもの、
展覧会オリジナルの『恋文』や『絵画芸術の寓意』(フェルメール)をデザインしたもの、
ハプスブルク展で購入したマリア・テレジアやシシィの肖像入りのものなどいろいろです。

そして「一筆箋」というにはやや大判なのですが
一番気に入っているのがこの絵の入った便箋です。

2000年に開催されたラファエル前派展で買いました。
貴重なものなので、「ここぞ!」というときにだけ使っています。

他にも高畠華宵の「サロメ」の便箋などを持っています。

以前は友人によく手紙を書いていましたが、
最近はブログで展覧会の感想等記事にしているせいか、
あまり手紙を書かなくなってしまいました。

新年に向けて

2006-12-26 11:04:13 | Weblog
クリスマスが終わると街は一気に迎春ムードになります。

My Sweet RoseのトップページとArt Fan Ringのページもクリスマスバージョンから変更しました。
最も「世紀末芸術とラファエル前派の絵画」と「正月飾り」ではどうもイメージが合わないので、
明るく華やかな雰囲気で新年を迎えるという感じにしてみました。

そしてArt Fan Ringはホイッスラーの「孔雀の間」をテーマにページを構成してみました。

ただし実生活においては未だに年賀状も書いておりません。
そろそろ書かなければいけないのですが…
小掃除(大掃除ではありません)だけは先日しました。


今までに買った高かった本

2006-12-25 22:21:00 | 
昨日ウォーターハウス画集(6800円)を買って、
これまでに買った高い本は何だろうと振り返ってみました。
今持っている一番高い本は「図詳ガッケンエリア教科事典」(全18巻)なのですが、
これは自分でお金を払って買ったものではないので除くと

Best3は
 象徴派世代1870-1910 ピエール・ルイ・マチユ 訳:窪田般彌 18540円
 ラファエル前派画集「女」ジャン・マーシュ 訳:河村錠一郎 12360円
 失われた時を求めて(全10巻) プルースト 訳:井上究一郎 12300円
となりました。
ちなみに4番目がウォーターハウス画集、5番目がバーン=ジョーンズ画集(5150円)となります。

「象徴派世代」は10年ほど前高知へ展覧会を見に行った帰り、
高知市内の書店で偶然発見し、18540円という値段と本の大きさにもひるむことなく
即決で購入した本です。
ボール箱に入った本で、箱の絵はトーロップ、表紙カバーはオスベールです。
箱書きに「主な画家103人とカラー図版149点から 克明に浮かび上がる象徴主義と世紀末の全貌。」とあるように
世紀末象徴主義美術を網羅した本となっています。

「ラファエル前派画集」はいずれ詳しく取り上げたいと思っております。
これは学生時代にバイト代をはたいて買った本です。

「失われた時を求めて」は一度読んでみたいと思い、文庫本全10巻セットを購入したのですが、
途中で挫折してしまい、ほとんど手をつけていない状態です。
これも学生時代に買いました。

最近はあまりしなくなったのですが、以前は漫画本の大人買いもしていました。
とはいえ長編漫画はほとんど古書店で買ったので、そんなに高価なものはありません。

Merry Christmas

2006-12-24 21:34:10 | Weblog
本日は久々に日曜が休日となり、のんびり過ごしております。
昨年はMy Sweet Roseにて「クリスマス企画」を実施したのですが、
今年は特に変わったことはできませんでした。

クリスマスのご挨拶、
および通常コンテンツ内の「奏楽の天使」への近道を設けております。
24、25日の二日間限定でUPしておりますので、
ご挨拶状はご自由にお持ち帰りください。
(26日にて終了いたしました。)

「奏楽の天使」では音楽が流れておりますので、
ページを開く際は音量にご注意ください。
「天の女王」「天上の音楽家たち」BGM:バッハ「グローリア」
「魂を満たす和声」「雲の上のアンサンブル」BGM:バッハ「イエスよ、私は主の名を呼ぶ」

最高のクリスマスプレゼント

2006-12-24 21:31:55 | 
本日私にとって最高のクリスマスプレゼントがやってきました。

それはウォーターハウスの画集です。
最もプレゼントといっても6800円自分で払って買ったものですが…
今年中には入手できないかもしれないと思っていたので、本当にうれしいです。
本を持って帰る間笑いが止まりませんでした。
傍から見たら不気味な人物だったかもしれません。
家に帰ってから美しい作品の数々を眺めて悦に入っていました。

今年の休みは今日で最後で明日から元日まで休みなしです。
なので本の全文をゆっくりと読むのは新年以降となる予定です。

夜の降誕

2006-12-23 22:21:59 | 美術
いよいよ明日はクリスマス・イブです。
私の家の近くでもイルミネーションをしている家が何軒もあります。
今日はそのイルミネーションを見に行ってきたのですが、
個人宅のものといえ本当に見事で、結構遠くから見に来る人もいるようです。

降誕祭=クリスマスといえば「聖夜」と呼ばれるように
夜のイメージが強いのですが、
中世の美術においてはキリスト降誕は夜の情景としては描かれていませんでした。

上の画像は15世紀ネーデルランドの画家シント・ヤンスの描いた『降誕』です。
シント・ヤンスは聖ヨハネ(シント・ヤンス)騎士団の画家として
ハールレムを活動の拠点としていました。
若くして亡くなったため、残された作品は少ないのですが、
静かで神秘的な宗教画を描いています。

シント・ヤンスはキリスト降誕を夜景で描いた最初の画家といわれています。
暗い家畜小屋の中で飼葉桶に寝かされた嬰児とそれを見つめる母という
華やかなものは何もない情景ですが、
かえってそれが静かな詩情と厳かさを生み出す効果をあげています。
自ら光を発して暗闇を照らす幼子は
「世界の光」すなわち救世主であることを見るものに告げています。

クリスマス・キャロル'06

2006-12-22 21:43:48 | 美術
ロセッティ クリスマス・キャロル 1867

ロセッティが描いたもう一枚の『クリスマス・キャロル』です。

現在My Sweet Roseのトップページに用いている『クリスマス・キャロル』では
「クリスマスを祝福する」といった雰囲気が画面から感じられるのですが、
この作品からは「幸せなクリスマス」のイメージが思い浮かびません。
どちらかといえば愛の苦悩を謳い上げる女といった感じがします。

前作(1857)から十年の間に起こったロセッティの人生経験が
彼の「クリスマス」のイメージを変えてしまったのかもしれないと感じます。

関連記事 クリスマス・キャロル

ベツレヘムの星

2006-12-21 22:00:48 | 美術
今年もあと残すところ十日足らずとなりました。

クリスマスツリーの先端にはたいてい大きな星が飾ってあります。
あの星は東方より来る三人の博士(三人の王とする説もあり)を
救い主の生まれた場所へ導くために現れたもので
「ベツレヘムの星」と呼ばれます。

「ベツレヘムの星」がいったいどんな星であったのかについては諸説ありますが、
紀元前後の詳しい天文記録が残っていないため、未だ定説がありません。
主な説に
 1.最大光輝に達した金星説
 2.彗星説
 3.超新星説
 4.大流星・火球説
 5.惑星会合説
などがありますが、

1.の場合、確かに金星は明るい星ではありますが、普段から見られる星であり、
「奇跡」に結びつけることは難しいであろうとのことです。

3.の「超新星」は一つの銀河の中で数百年に一度しか起こらない事象で、
場合によっては昼間でも見ることができるほどの光輝を発するものですが、
同時代の記録にそのような天体が現れたとするものが全くないため
この説は成立しないことになります。

4.の場合、流星も火球も一瞬の出来事であるので、
三博士がベツレヘムに到着するまで輝いていた星という条件に当てはまりません。

現在有力視されているのは2.と5.の説です。

5.の説は天文学者ケプラーが唱えたもので、
彼は紀元前7年5月にうお座で木星と土星が会合したことをつきとめました。
ユダヤ民族の間ではうお座は聖なる星座と考えられており、
モーゼが生まれる3年前にもうお座での惑星会合があったことが記録に残っているそうです。

2.の説の場合最有力視されたのはハレー彗星なのですが、
ハレー彗星のイエスの誕生に最も近い出現年は紀元前12年であり、
紀元前5~6年ごろと考えられているイエスの誕生年と年代が合いません。
しかし、彗星には周期が数百万年というものもあり、
人類史上で一度しか目にすることができないというものも数多く存在するということです。
そして彗星といえば長い尾を箒のように引いている姿を連想しますが、
地球から見える角度によっては短い尾を垂直に引いて、
まるで矢印のように見えるものもあるそうです。
「ベツレヘムの星」はこういった彗星ではないかとする説もあります。

画像はジョット『東方三博士の礼拝』です。
馬小屋の上に見える長く尾を引いた球体は彗星です。
1301年に地球に接近したハレー彗星をジョットは作品に描きました。
1986年のハレー彗星接近時に欧州宇宙機関によって打ち上げられた探査機は
ジョットの名前にちなんで「ジオット」と名づけられました。

参考文献 メロスが見た星