最近は身辺雑記になっていたこの“Windflowers”ですが、
久々に今日は「展覧会遍歴」を更新いたします。
今回は
高松市美術館で開催された展覧会についてです。
なぜ、京都の美術館のあとが大阪、神戸ではないのかというと、
単に私の記憶をたどるのに、高松市美術館のことが思い出しやすいからというだけです。
私が高松市美術館へ見に行った展覧会は
・「ベル・エポックのパリ」展 1992年12月
・「西洋絵画の中のシェイクスピア展」 1993年3月
・「グルノーブル美術館展」 1993年5月
・「オスロ・ムンク美術館所蔵 ムンク版画展」 1993年7月
・「珠玉の英国絵画展 マンチェスター市立美術館所蔵」 1993年9月
・「アール・デコの世界―ファッションを中心として」 1994年5月
・「トゥール美術館展」 1994年11月
・「ルーマニア国立美術館・ブルゲンダール国立美術館所蔵
16-18世紀 ヨーロッパ絵画展」 1995年9月
・「世紀末ヨーロッパ 象徴派展」 1996年11月
・「英国アバディーン美術館所蔵
イギリス・フランス近代絵画展」 2000年11月
あと高松市美術館での開催ではないのですが、
高松で開催された展覧会で、私が見たのは
・「大ナポレオン展」 1994年9月 サンメッセ香川
・「フランス印象派からエコール・ド・パリ
松岡清次郎コレクション」 1995年9月 香川県文化会館
・「マリー・ローランサン展」 1996年11月 香川県文化会館
以上が高松で見た展覧会です。
特に1993年は2ヶ月に一度は高松まで展覧会を見に行っていたようです。
当時は高松まで電車で約1時間のところに住んでいたのですが、
それでも良くこれだけ見に行ったなと思います。
ひょっとすると私が最も多く展覧会を見に行った美術館は、高松市美術館かもしれません。
「ベル・エポックのパリ」展では
ミュシャの「ジズモンダ」や「椿姫」といった、サラ・ベルナール主演の舞台のポスターをはじめとして、アール・ヌーヴォーの作品が多く展示されていました。
「ベル・エポック(良き時代)」という言葉にふさわしく、華やかな作品が多く展示されていました。
「西洋絵画の中のシェイクスピア展」(この展覧会については今後詳しく取り上げる予定です。)で
初めてウォーターハウスの作品「オフィーリア」を見ました。
「グルノーブル美術館展」は「アングルからマティスまで」というサブタイトルがついていて、
近現代フランス絵画の流れを見ることのできる展覧会でした。
ファンタン・ラトゥールの「婚約の静物」が印象に残っています。
グルノーブルという地名は冬季オリンピックに詳しい方ならピンと来ると思います。
展覧会のスポットCMのBGMは「白い恋人たち」でした。
ちなみに「―シェイクスピア展」では「見るべきか、見ざるべきか、やはり見るべきだ」という
「ハムレット」をもじったフレーズがCMで流れていました。
「ムンク版画展」では「叫び」や「マドンナ」をはじめとして、数多くの作品が出品されていました。
版画の「叫び」は油彩よりもいっそう線の鋭さが強調され、感情の発露の激しさを感じさせられます。
「マドンナ」も油彩のうっとりとして官能的ともいえる女性像とは異なり、
女性を取り囲む図像からも伺えるように、生命を生み出す「器」としての女性として描かれているような気がします。
「珠玉の英国絵画展」(こちらも後日詳しく記事にしたいと思います。)
なんといっても、この展覧会では
「ヒュラスとニンフたち」を見ることができたのが一番の思い出です。
「アール・デコの世界」展では、エルテやバルビエといった当時の人気イラストレーターによるファッションプレートが数多く展示されていました。
当時のファッションプレートは、今で言うファッション雑誌のようなもので、
そういったイラストから流行が発信されていたようです。
現代のパリコレなどに登場しても違和感のないようなおしゃれな服がたくさんありました。
他にも当時流行したプラスティック・バッグも多く展示されていました。
「トゥール美術館展」は、サブタイトルが「17世紀‐19世紀名作でつづるフランス絵画」とあるように、バロック、ロココから近代までのフランス絵画が出展されていました。特にロココ絵画が充実していたように思います。
「ルーマニア国立美術館―」展には、エル・グレコ、レンブラントといった画家の知られざる作品が多く展示されていました。
ルーマニアの美術館については日本ではほとんど知られていないので、貴重な展覧会だったと思います。
「世紀末ヨーロッパ 象徴派展」
これについては語り始めるといくらでも語れると思います。
学生時代に開催されなかったのが残念です。(96年当時はすでに社会人でした)
後日じっくり記事を作成したいと思います。
「アバディーン美術館所蔵―」は高知から帰る途中の汽車(電車ではありません)の中のつり広告で知りました。
広告に使われていたのが今回画像にあげている、ロセッティ「マリアーナ」だったので、絶対に行こうと思ったのです。
予想通りラファエル前派の作品が数多く展示されていました。
これ以降は高松へは展覧会を見に行っていません。
こうしてみていると高松市美術館では質の高い企画展が多く開催されていることがわかります。
(単に私の好みの展覧会というべきかもしれませんが)
ここ数年はほとんど見に行っていないのですが、この間にもいい内容の展覧会が開催されているようです。
私は行ったことがないのですが、高松市美術館ではマンガ関連の展覧会も多く開催されています。
こういった美術館を身近に持つ高松市民の皆様をうらやましく思います。