Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

神秘の降誕

2005-11-28 23:39:50 | 美術
クリスマス企画で紹介している降誕図の中にボッティチェリ「神秘の降誕」があります。(タイトル画像は部分です)

この作品はボッティチェリの晩年の代表作で、彼の全盛期の作品「春(プリマヴェーラ)」や「ヴィーナスの誕生」などと比較すると明らかに画風が変化していることがわかります。
全盛期の瑞々しく流麗な描写に対し、緊張感のある硬質なタッチに変化しています。

天上を天使たちがオリーブの枝を手に輪になって舞っていますが、
救世主の降誕を寿ぐといった雰囲気には程遠い感じです。
彼らの表情も「マニニフィカトの聖母」や「柘榴の聖母」に描かれた天使たちのように生き生きとしたものではありません。

オリーブの枝に巻きつけられたリボンには
「人類には平和」「いと高きところには栄光、神にあれ」という平和のメッセージが刻まれています。
オリーブの枝は人間が原罪から救済され、神と和解したことを表します。
神との和解を象徴するのが天使と人間の抱擁です。

しかしこの図で見ると祝福という雰囲気とはやや異質な印象を受けます。

前景には三組の天使と人間が描かれているのですが、
その傍にはあたふたと走り去っていく悪魔が描かれています。

これは悪魔による地上の支配が終了したことを示しています。

ボッティチェリは「神秘の降誕」画面上端の銘文に
「イタリアの苦難の時代、つまり、ヨハネの黙示録第11章2節の悪魔が3年半のあいだ野放しにされる苦難の時代に描いた。そののち我々は、悪魔が再び拘束されるのを目にすることになろう」と記しています。

この時代フランス軍のイタリア侵入やメディチ家の失脚などフィレンツェの政情は不安定でした。
そういった不安から、救済を求めて「神秘の降誕」のような作品が描かれたのかもしれません。

私がこの作品を初めて知ったのは、大学の西洋美術史の講義でした。
それまでに知っていたボッティチェリの作品とは全く異質で
まさに「神秘」的なこの作品に興味を持ちました。

クリスマス企画

2005-11-27 23:30:39 | Weblog
My Sweet Roseにて「クリスマス企画」をUPしました。
今後ブログのほうでも取り上げた作品について詳しく記事にできればよいと思っております。

最近はサイトの更新情報ばかりで、ブログらしい記事をなかなか作成できません。
12月こそは少しでもブログらしい記事を更新できればと思います。

試験外泊

2005-11-26 21:27:41 | Weblog
本日母が「試験外泊」ということで家に帰ってまいりました。
明後日の3時にはまた病院に戻るのですが、
とりあえずだいぶよくなっているようなので、一安心です。

My Sweet Rose更新

2005-11-24 23:24:52 | Weblog
久しぶりにMy Sweet Roseの更新を行いました。
「Dante and Beatrice」の絵画作品解説と
「Waterhouse Gallery」の「文学の世界」の部屋を作成したのです。

ここのところHP更新どころではなかったのですが、
今日は少し余裕ができました。
しばし現実から離れることができて気分転換になります。

忙しかった休日

2005-11-22 23:17:03 | Weblog
昨日は仕事が休みだったのですが、なぜか一日忙しかったのです。
前日日曜の夜はテレビ(新シルクロード)を見たのですが、
その後眠ってしまい、とうとうこの日は一回もPCを開くことがありませんでした。

そして次の日は燃えるゴミの日なのでゴミだし、
洗濯(うちは二層式洗濯機なので守りをしなくてはなりません)
昼食の支度をしてから病院へ(母の用事が多々あったのです)
病院から帰って昼食、そのあと家中の掃除
そして母に頼まれていた物を病院に持っていき、
頼まれた本を買いに大型書店へ
最初に行った店にはなかったので、バスに乗ってもう一軒の大型書店へ行き、
ようやくそこで目的の本を見つけました。
それからバスの時間が合わなかったので歩いて帰宅(途中でスーパーに寄り買い物)
そして夕食の支度をし、病院へ行き、
7時に帰宅してテレビ(ブラックジャック)を見ながら夕食をすませ
片づけをしようやく新聞(朝刊です)を読みました。
そのあとメールのチェック等をしたのですが、
ブログの更新はできませんでした。

主婦であれば毎日当然のようにしていることなのでしょうが、
そのことがいかに大変であるかよくわかった一日でした。

クリスマスバージョン

2005-11-19 23:04:37 | Weblog
現在サイトの更新は停滞中なのですが、
My Sweet RoseトップページとArt Fan Ringホームページをクリスマスバージョンに改装しました。

毎年この時期になると部屋の飾り棚をクリスマスバージョンに飾り変えます。
ポストカードも天使の絵などクリスマス向けのものに変更するのです。
これが楽しみになっています。

My Sweet Roseトップページにはロセッティ「クリスマス・キャロル」を
Art Fan Ringトップページには今回タイトル画像にしたフィリップ・ド・シャンパーニュ「降誕」をUPしました。

今のところ新しいコンテンツを作る余裕がなかなかできないので、
このようにトップページの模様替えをすることが気分転換になっています。

展覧会遍歴 episodeⅦ

2005-11-18 22:38:13 | 美術
急に寒くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
風邪などひかないようにお気をつけてくださいね。

今日は久々に「展覧会遍歴」です。今回は神戸で見た展覧会をご紹介します。

私がこれまで神戸で見た展覧会は
ルーヴル美術館200年展(1993:神戸市立博物館)
アイルランド国立美術館名品展(1994:神戸市立博物館)
オルセー美術館展(1996:神戸市立博物館)
テート・ギャラリー展(1998:兵庫県立美術館)
英国ロマン派展(1998:大丸ミュージアムKobe)
大英博物館古代エジプト展(1999:神戸市立博物館)
大英博物館の至宝展(2004:神戸市立博物館)
栄光のオランダ・フランドル絵画展(2004:神戸市立博物館)
ドレスデン国立美術館展(2005:兵庫県立美術館)
ギュスターヴ・モロー展(2005:兵庫県立美術館)
ベルリンの至宝展(2005:神戸市立博物館)
以上です。

93年のルーヴル美術館展を見るために私は初めて神戸を訪れました。
この時は京都で「楼蘭の美女」を見て、大阪でたこ焼きを食べて、
その後神戸に行くという「三都物語」の旅でした。
ベラスケス「王女マリア・テレーサ」
アングル「ルッジェーロとアンジェリカ」など
ルーヴルのコレクション全体からバランスよく選ばれた作品が展示されていました。
この時は友人と二人だったのですが、その友人に自分が美術に興味を持ったのは
「千露(私のニックネームが入ります)の影響」とそのとき言われました。
日帰りであわただしく旅をしたので、神戸では三ノ宮駅と博物館を往復しただけで一切観光はしませんでした。

アイルランド国立美術館名品展は残念ながらあまり印象に残っていません。
この時も時間がなくて神戸滞在は駅と博物館を往復しただけでした。

オルセー美術館展に行った時に初めて神戸の町を歩きました。
しかし駅から博物館へ行く道が以前とかなり変わってしまっているようで、少し迷いました。
これは震災の影響です。
この時はマネ「バルコニー」
モーリス・ドニ「ミューズたち」など
オルセー美術館を代表するコレクションが展示されていました。

テート・ギャラリー展は私一人で見に行ったのですが、
この日偶然友人たちもテート・ギャラリー展を見に来ていたのです。
後日そのことを知って本当に驚きました。
レノルズ、ゲインズバラからホックニーに至る英国絵画の粋を集めた展覧会で、
ロセッティ「プロセルピナ」(今回のタイトル画像です)「モンナ・ヴァンナ」
ミレー「オフィーリア」 モリス「麗しのイズー」など
ラファエル前派を代表する作品も多く展示されていました。

英国ロマン派展には3点のウォーターハウス作品が出品されていました。
「オフィーリア」
「ダナイスたち」
「フローラ」(郡山市立美術館所蔵)です。
他にも私の興味のある数多くの作品が展示されており、大変楽しめた展覧会でした。
1998年は日本における英国年であったため、イギリス関連の展覧会が多く開催されたようです。

まだ展覧会遍歴神戸編は続くのですが、今日はここまでとしたいと思います。

皆様ありがとうございます

2005-11-15 22:53:40 | Weblog
先日母の入院について記事にしたのですが、
皆様にご心配頂き恐縮しております。
本当にありがとうございます。

母は手術が必要であるとか、命にかかわるというわけではないのですが、
すぐには退院できそうにありません。
病院はうちから徒歩5分足らずのところにあるのですぐに行けますし、
完全看護なので付き添う必要もないので、その点は楽なのですが、
家事全般を私がしなくてはならなくなりました。
とはいっても手抜きばかりでたいしたことはしていません。

しかし以前と同じ時間の睡眠では疲れがとれにくくなっています。
帰宅後夕飯と洗濯を済ませ、PCに向かうのですが
メールと掲示板およびブログのコメントのチェックのみで済ませるつもりが
ついついあちこちのブログをのぞいてしまいます。
休日以外は少し控えたほうがいいと思うのですが、やめられません。

こうしてひととき日常から離れていることがストレス解消になっているのかもしれません。

ちなみにさっちゃんはここ数日は落ち着いています。
私の部屋が定位置になったようで、いつも部屋で寝ています。
(今回の写真はさっちゃんの手です)

ブラウザ

2005-11-13 23:41:58 | Weblog
先日HPの動作確認のためにNetscape7.1 Opera 8をダウンロードしました。
これまで私にとってブラウザというとInternet Explorer 6(以下IE)だったのですが、
ブラウザによってHPの表示のされ方が変わってくるというので、
他のブラウザで動作確認をしたくなったのです。

今作っているページを見てみたところ、
IE基準で作っても特にレイアウトが崩れていることはないようなので安心しました。

HP作りを初めて半年あまりでここまでこだわるようになるとは思ってもみませんでした。
でもまだまだHTML等は知らないことばかりなので、
研究を重ねていきたいと思っております。

甘えん坊な猫

2005-11-12 23:44:03 | 
今日帰宅後テレビを見ながら(世界・ふしぎ発見)洗濯物をたたんでいたら、
さっちゃんが膝に乗ってきて離れようとしませんでした。
膝から離そうとすると、とても嫌がるのです。
さっちゃんは普段はあまり甘える猫ではありません。
「大食(タージ)セット」(猫の食事のことです)も缶詰、ドライフード、花かつおとそろえてあるので、
お腹をすかせてのことでもないようです。

実は昨日母が急遽入院しました。
さっちゃんも家の中の様子がいつもと違うことに気がついているのだと思います。
特にさっちゃんと過ごす時間が一番長いのは母ですし、
さっちゃんは寂しいのかもしれません。