Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

猫と絵画

2005-04-30 20:49:01 | 美術
私の人生の友といえば「猫」と「絵画」です。
このふたつをいっしょに楽しめる本が赤瀬川原平「ニャーンズ・コレクション」
深大寺かおる「キャット・ギャラリー ―猫の贈り物」です。

猫は様々な絵画作品にさりげなく登場しています。
「受胎告知」や「最後の晩餐」などの場面にさえ登場していることがあるのです。
一体画家はどのような意味付けで猫をそのような場面に描きこんだのでしょうか?

古代エジプトでは神とされ、古代ゲルマンでは女神の戦車を引く動物とされた猫ですが、
中世ヨーロッパでは悪魔の使いとされ、猫を飼っているだけで魔女とみなされることとなりました。

暗闇で光る眼、忍び足など、猫好きにとっては神秘的にさえ見える猫の特質ですが、
それが猫の気味悪がられる原因となったのかもしれません。
そして、猫殺しが横行したために、ネズミが大量に発生し、ペストの蔓延を引き起こす一因となりました。

しかし、近代に入ると猫は謎めいたものの象徴として象徴主義者たちに好まれるようになりました。
そして20世紀の画家は猫を主役に様々な作品を描いています。

私は自他共に認める猫好きなので、猫の登場する絵画作品は大好きです。

ここで紹介するのは日本の画家の作品ですが、
松山のセキ美術館所蔵 加山又造 「凝」を初めて見たときには「本当に素敵な作品だな」と
海外の有名絵画を見たとき同様に感動しました。
猫(ヒマラヤン)の眼の青と、蝶の青が同じ鮮やかな青でとても美しい作品です。

実物は見たことがないのですが、竹内栖鳳 「斑猫」も大好きな作品です。
緑色の眼がとてもきれいで、毛並みのやわらかさまで表現されています。
重要文化財に指定されているのも納得の作品です。

休日

2005-04-30 00:09:24 | Weblog
本日は(もう30日になってるけど)公休日でした。
そこで本館サイトMy Sweet Roseのコンテンツを少し増やしてみました。
「詩と絵画」「猫の登場する絵画」そして絵画と関係ないのですが、趣味のビーズアクセサリーを紹介するコーナーを作りました。
ますますコンテンツの種類が様々になってきています。
また「詩と絵画」「猫の登場する絵画」について語りたいと思います。

「運河沿いのフェルメールの家」

2005-04-28 21:39:06 | 
「運河沿いのフェルメールの家」イングリット・メラー著
フェルメールの半生を描いた小説です。
フェルメールの伝記小説でまず思い浮かぶのは、映画化された「真珠の耳飾りの少女」ですが、
私は「運河沿いのフェルメールの家」のほうを推します。

フェルメールの結婚から物語は始まり、友人の画家カレル・ファブリティウスやピーテル・デ・ホーホ、科学者レーウェンフック、
そして何より彼の妻カタリーナ(作中では愛称:トゥレインチェンと呼ばれています)などの姿も魅力的に描かれています。
作中にフェルメールの描いた作品が登場しますが、中でも「窓辺で手紙を読む女」「青衣の女」の二点が印象的です。
「窓辺…」は娘時代のカタリーナの姿で、
「青衣…」は妻となり、やがて母となるカタリーナの姿で描いた作品ということになっています。
作中でカタリーナは一時夫に対し不信を抱くことがあるのですが、「青衣…」を見て自分への愛情を再確認するのです。

そしてもう一つ重要なアイテムが、結婚祝いにカタリーナがもらった品として登場する真珠の耳飾りです。
確かにフェルメール作品の登場人物の身を飾るものといえば、まず真珠です。
真珠とフェルメールの関係というのも興味深いテーマかもしれません。

葛生千夏 “THE LADY OF SHALOTT”

2005-04-27 21:26:54 | 音楽
私の持っているCDに、葛生千夏 “THE LADY OF SHALOTT”(1992年)があります。
コンピュータプログラミングによって作曲された楽曲にのせて
テニスンの詩をアルトの声で歌っています。
コンピュータによる音とテニスンの詩が意外にもよく調和しています。
このアルバムでは、キーツの“ISABELLA”や、ポーの“TO HELEN”なども曲をつけて歌われています。

葛生千夏にとって“THE LADY OF SHALOTT”という題材はライフワークであるようで、
このアルバムに収録された組曲はその集大成のようです。
「新たな生命を吹き込んだ、というよりは、死に化粧をほどこしてきたつもりです。」という彼女の言葉は、
死出の旅路についた“THE LADY OF SHALOTT”へのはなむけのように思えます。
ひとりコンピュータに向かい、一つひとつの音を紡ぎだしていく彼女自身が、
20世紀末の“THE LADY OF SHALOTT”であるかのように感じます。

本日業者に来てもらってPCの具合が直りました。
ウイルスバスターのトラブルが原因だったようです。
ウイルス対策ソフトというものは自分のPCを守るために必要不可欠なものであるのに、
その対策ソフトによってトラブルが起こるのであれば、本末転倒です。“THE LADY OF SHALOTT”

薔薇のイコノロジー

2005-04-26 14:31:28 | 
先日注文していた「薔薇のイコノロジー」を受け取りました。
10年以上前に読んだきりなので、じっくりと読みたいと思います。
西洋美術史において「薔薇」というモティーフは
ヴィーナスを象徴する花であったり、聖母マリアを象徴する花であったりします。
「薔薇のイコノロジー」は「絵画」と「薔薇」の関係を読み解く上で
ぜひ一読すべき文献だと思っております。

昨日、亡くなった猫をペット霊園に連れて行きました。
本当にこれでお別れということでやはり寂しいです。
もう一匹の猫はとても元気で外を駆け回っています。

実はおとといから私のPCの具合が悪く、
明日には業者にきてもらう予定ですが、
もしかしたらOSの交換をしなくてはならないかもしれません。
HPやこのblogを訪問してくださった方になかなかレスをつけられないかもしれませんが、
どうぞご容赦くださいませ。

本日・・・

2005-04-24 23:01:18 | 
我が家の猫が亡くなりました。享年17歳でした。
今月になってから急激に弱ってきたので、この日が来る覚悟はしていたつもりですが、
いざそのときが来ると悲しい限りです。
まだまだ元気で、18歳になったら「猫の手帖」のご長寿番付に投稿しようと思っていました。
それが果たせなくなりさびしく思います。
しかし、最期は苦しまずにすんだのでそのことはよかったと思います。

生き物は寿命には勝てません。だからこそ命というものはいとおしいものなのだと思います。

「手紙を書く女」

2005-04-23 09:51:55 | 美術
Profileの画像には、フェルメール「手紙を書く女」を使わせていただいております。
心だけはこの作品のように優雅に書き込みをしているつもりです。

「手紙を書く女」は私が初めて実物を見たフェルメール作品です。
数年前、京都市美術館で開催された「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」にて公開されました。
この展覧会は主に19~20世紀絵画中心の出展でしたが、
特別展示として何点か古典絵画が展示されたものの一つです。
この作品を見たときに思っていたよりも小さい作品だと感じました。
おそらく作品の存在感からもっと大きな作品を想像していたのだと思います。

この作品は風俗画に分類されますが、
個性的な人物の表情からは、誰か特定の人物を描いた肖像画といっても通じるようなところがあります。
女性の着ている黄色いガウンの他には色鮮やかなものが少ない作品ですが、
手前に置いてあるネックレスの真珠の白とリボンの黄色が印象的です。

ブログ開設

2005-04-22 20:17:20 | Weblog
本日、ブログを開設しました。
美術、歴史、本、猫、その他色々と取り上げたいと思っております。

英国の詩人テニスンに“The Lady of Shalott”という詩があります。
この詩の主人公は、塔の中で鏡に映る外の世界をタペストリーとして織り続けています。
PCのディスプレイという鏡に映る世界、そして鏡の外の世界を
キーボードという機織り機で、日々綴ってゆきたいと考えております。

まったく個人的なこととなりますが、我が家の猫がずいぶんと弱ってきました。
うちの猫は高齢であり、生きとし生けるものには定命というものがあることは承知しています。
しかし今まで本当に元気で、後から来た若い猫よりも長生きしていたので、
命が尽きてしまうということが信じられません。
もう一匹の猫が元気なことが救いです。


                               Waterhouse “Windflowers”
                           画像をクリックすると拡大されます。