Chiro's Memo

My Sweet RoseとRosariumの更新記録です。

一時休止のお知らせ

2006-07-28 08:23:15 | Weblog
Windflowersをご訪問いただき、誠にありがとうございます。
現在、私のPCが調子が悪く、もしかすると修理に出さなくてはならないかもしれません。
そのため、しばらく、My Sweet Rose, Rosarium,およびWindflowersの更新をお休みさせていただきます。

コメント・トラックバックの受付、掲示板も休止致します。
Art Fan Ringの仮登録は可能ですが、当分本登録は出来ませんので、何卒ご了承下さい。

お急ぎのご用件がございましたら
 rugosa_cecilia★yahoo.co.jp
(全角になっておりますので半角に、および★を@に直してください。)
までどうぞ。

夏の大三角形vol.3―デネブ

2006-07-22 23:11:44 | Weblog
モロー レダ


はくちょう座α星デネブは1.3等の白い星で、
地球から1500光年の彼方に位置します。
はくちょう座は翼を広げて飛ぶ白鳥の姿をかたどっており、
この十字形を別名「北十字星」とも呼びます。
デネブとは「尾」を意味し、
ちょうど白鳥の尾の部分に当たることからこの名がつけられました。

この白鳥は最高神ゼウスがスパルタ王妃レダに近づくために姿を変えたものです。
レダは二つの卵を産み、
一つからは男の双子、もう一つからは女の双子が生まれました。
男の双子の兄カストルは乗馬の名人となり、弟ポリュクスは拳闘の達人となります。
双子の姉ヘレネは絶世の美女となり、トロイア戦争が起こるきっかけとなります。
この双子の兄弟姉妹のうちポリュクスとヘレネはゼウスの子、
カストルと妹クリュイテムネストラはスパルタ王の子とされています。

ポリュクスは神の子であったため不死身だったのですが
カストルが戦争で死んでしまったため、二人一緒に夜空の星になりました。
これがふたご座です。

「レダと白鳥」はレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロも手がけた主題で、
彼らの作品は現存していないのですが、多くの模写が残っています。
そしてバロック期以降官能的な主題として好まれ、多くの画家が描いています。

モローもこの作品をはじめ多くの「レダと白鳥」を残しています。
彼はこの主題を神と人間の「聖なる婚姻」に昇華させ、
神聖な出産という聖母信仰になぞらえています。

古代には人間が神に愛されることによって、死すべき肉体から解放されるという
彼岸における神との合一の憧れがありました。
そのため神々と人間の愛の神話が生まれたと考えられます。

夏の大三角形vol.2―アルタイル

2006-07-21 19:45:03 | Weblog
モロー ガニュメデス


アルタイルはわし座のα星で、0.8等の白く光る星です。
天の川の東岸に位置し、西岸のベガと相対しています。
「アルタイル」とはアラビア語で「飛ぶ鷲」を意味しています。
七夕の彦星はこのアルタイルです。

わし座はオリンポスの最高神ゼウスが
羊飼いの美少年ガニュメデスをさらうため変身した鷲の姿をかたどっています。
ゼウスはガニュメデスを小姓として神々の饗宴に侍らせるために彼をさらいました。
ちなみにガニュメデスの姿はみずがめ座として星座になっています。
神々に酌をするために瓶を手にした姿をしています。

古代ギリシア世界では同性愛はタブー視されておらず、
むしろ男女の愛よりも純粋なものであると考えられていました。
そのため神話の中にも同性愛的な趣向の物語がいくつも残っています。


ミケランジェロ ガニュメデスの略奪

ミケランジェロが親しくしている美しい青年に贈った作品といわれています。
「略奪」の場面を描いているはずなのですが、
ガニュメデスはうっとりと鷲(ゼウス)に身をゆだねているようです。
ルネサンスの人文主義者はこの物語を
人間の魂の天上(神々の世界)への回帰ととらえていました。
そのため天上へ連れ去られるガニュメデスは穏やかな表情をしているのです。

夏の大三角形vol.1―ベガ

2006-07-20 23:50:03 | Weblog
モロー オルフェウス


私は小学生の頃星座の観察をするのが好きでした。
古代からある星座にはそれぞれ由来を表す神話があり、
そういったものに触れることによって歴史に対する関心を育ててきました。
歴史に対する関心が美術への興味へとつながっていったので
どんなところから興味が転がっていくかわかりません。

夏の星空を代表するのがベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)の
三つの一等星によって形作られる『夏の大三角形』です。

「ベガ」とはアラビア語で「落ちる鷲」を意味します。
アラビアではこと座を羽をたたんで落ちる鷲の姿に見立てたことから
この名前がついたといいます。
夏の夜空の中で最も明るい0.0等の白く澄んだ光の星です。
七夕伝説の「織姫星」もこの星です。

こと座は詩人オルフェウスが太陽神であり音楽の神でもあるアポロンから授けられた竪琴をかたどった星座です。
オルフェウスは妻エウリュディケと幸せに暮らしていましたが、
彼女は毒蛇に噛まれて死んでしまいます。
妻をよみがえらせるため冥界へ向かい黄泉の王ハデスと対面します。
ハデスは現世へ戻るまで決して振り向いてはならないと
オルフェウスに言い渡します。
しかし現世へ戻ってきたと思い後ろを振り返ったところ
まだエウリュディケは一歩足を黄泉に残していました。
そのため彼女は冥界へ連れ戻され、二度と現世へは戻れなくなりました。
妻を永久に失ったオルフェウスはあちこちをさまよいます。
そんな彼をバッカス信者の女達が誘惑しますが、
オルフェウスはそれを拒んだため、彼女らに惨殺されます。
彼の首は竪琴と共にトラキアへ流れ着きます。
そして竪琴は空へ引き上げられ、夜空を彩る星座となったといわれます。

帰ってきました

2006-07-19 20:18:09 | Weblog
本日勤務先の社内資格の検定試験がありました。
高知で開催されたため、往復5時間かけて行ってきました。

コメント・トラックバックの受付及び、
My Sweet Rose Rosariumの掲示板も再開しました。

明日以降記事の更新も再開したいと思っております。

どうぞこれからもWindflowersをよろしくお願いいたします。

休止のお知らせ

2006-07-14 13:23:51 | Weblog
日ごろWindflowersをご訪問いただき、誠にありがとうございます。
来る7月19日に現在勤務しております会社での社内資格の試験があり、
その準備のため今日から更新を休止します。
コメントおよびトラックバックの受付も停止しております。

My Sweet RoseおよびRosariumの掲示板も休止いたします。
Art Fan Ringの仮登録は可能ですが、
本登録は7月20日以降となりますので、どうぞご了承ください。

20日以降復帰の予定です。
そのときはまたどうぞよろしくお願いいたします。

彼方より来る―色の名前vol.9

2006-07-13 21:25:50 | Weblog
9回にわたってお送りしてきた「色の名前」シリーズも今回で最終回です。
大トリを飾るのは、美術史上最も重要な役割を果たしてきたこの色です。

ultramarineウルトラマリン
ウルトラマリンは文字通り「海を越えて」やってきた青です。
中世ヨーロッパにおいては金と同じ価格で取引され、
当時の絵画制作の契約においては
金とウルトラマリンの使用量が取り決められていました。
この青はラピス・ラズリより作られました。

lapis lazuliラピス・ラズリ
“lapis”はギリシア語で「石」を、
“lazuli”はペルシア語で「空」を意味します。
この石は深い青の中に雲のような白い筋や、黄鉄鋼の金の斑がちりばめられ、
まさに「天空の石」にふさわしく、空を固めて作ったような石です。
ラピス・ラズリは現在では南アメリカ産のものも流通していますが、
長らくアフガニスタンの一部地域でのみ産出する石でした。
そのため極めて貴重で高価でした。

「青」の歴史はラピス・ラズリの歴史ともいえます。
ツタンカーメンの黄金の棺とマスク、
シルクロードの仏教遺跡の石窟の壁画
聖母マリアの纏うマント、
ミケランジェロ『最後の審判』の背景、
フェルメールの描く青い衣服やターバン
これらはすべてラピス・ラズリによって彩られました。

瑠璃色るりいろ
「ルリ」という言葉はペルシア語の“lazuli”と同語源とされています。
正倉院御物にラピス・ラズリを象嵌したベルトや瑠璃色のグラスがあります。
「瑠璃色」は日本人にとってはシルクロードの彼方の色といえます。


まだまだ取り上げていない色はたくさんあるのですが、
今後HPで色についてのページを作りたいと思っています。

マドンナブルー

2006-07-12 21:50:45 | Weblog
フラ・アンジェリコ 受胎告知(部分)

「色の名前」の連載は一応明日で終了の予定です。
今日は番外編をお届けします。

madonna blueマドンナブルー
伝統的なキリスト教美術において
聖母マリアは赤い衣服の上に青いマントを羽織った姿で描かれます。
衣服の「赤」は神の「愛」「慈悲」を
マントの青は「信仰」「天の真実」を象徴しています。
マリアの纏うマントの色を指して「マドンナブルー」と呼びます。

「色の名前」最終回は、
マリアのマントを彩ることをはじめとして、
美術史上重要な役割を果たした「色」を取り上げます。

から紅の水―色の名前vol.8

2006-07-11 20:18:41 | Weblog
ちはやぶる神代もきかず竜田川 から紅に水くくるとは 在原業平

竜田川の川面いっぱいに紅葉の葉が散り浮く様子を描いた屏風絵を見て読んだ歌とされています。
「くくる」は「くくり染め」すなわち「絞り染め」の意味で、
一面の紅葉が水をくくり染めで染め上げていると見立てたものです。

くれない
ベニバナで染めた鮮やかな紫みよりの赤を指します。
ベニバナは西アジア原産で、
4000年前のエジプトのミイラもベニバナ染めの布にくるまれていました。
日本には6~7世紀に伝わりました。
ベニバナの色素は染料としてだけではなく、口紅・頬紅などの化粧品としても使われました。
紅は秘めた熱い思いを表す言葉として歌に詠まれます。

真紅しんく
紅のより青みのつよいものを指します。

韓紅からくれない
韓紅の「韓」は、舶来の意味を表すといわれています。

薄紅うすくれない
濃紅こきくれない
紅赤べにあか
紅は薄いものから濃いものまで様々に呼び分けられました。

退紅あらぞめ
「褪せた紅」のような薄い紅を指す名前で、上代から用いられていました。

今様色いまよういろ
「今流行りの色」の意味で「今」とは平安時代のことです。
紅の薄い色を指します。

茜色あかねいろ
アカネで染めた暗い赤を指します。
「アカネ」の名は「赤い根」に由来し、アイと並ぶ最古の染料の一つです。
ベニバナの「紅」に対し、アカネから得られる黄みよりの赤を「緋」と呼びます。

蘇芳すおう
スオウは東南アジア原産のマメ科の低木で、日本へは奈良時代に伝わりました。
灰汁を媒染剤に用いると紫みの赤に染まります。
蘇芳はくすんだ紫みの赤を指します。

私は「紅」の深みのある赤には内に秘めた情熱を感じます。
この色が高貴な色とされたことにもうなずけます。

畑の実り―色の名前vol.7

2006-07-10 23:01:47 | Weblog
アルチンボルド 夏

16世紀神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の宮廷画家となった、
イタリア出身の画家アルチンボルドによる作品です。
様々な野菜によって人の横顔を形作り、「夏」を寓意的に表しています。

今回の「色の名前」は野菜や作物の色です。

小麦色こむぎいろ
小麦の種子のような茶色がかったオレンジ色を指します。
日本では日に焼けた肌の形容に「小麦色」を使いますが、
フランスでは焦げたパンの色を表す「パン・ブリュレ」が日焼けした肌の形容となります。

亜麻色あまいろ
アマはヨーロッパでは紀元前から繊維を取るために栽培されてきました。
亜麻色は亜麻糸のような明るい灰色みを帯びた茶色です。
また「亜麻色の髪」というように薄い金髪の形容にも用いられます。

mint greenミントグリーン
ミントはシソ科ハッカ属の植物の総称です。
ミントグリーンはミントの葉の色からとられた明るい緑色です。

spearmintスペアミント
ミントの一種の色で、ミントグリーンよりもやや濃い目の緑色です。

strawストロー
麦わらのような薄い赤みの黄色を指します。

carrot orangeキャロットオレンジ
ニンジンの色からつけられた明るい赤みのオレンジです。
「キャロット」には「赤毛の人」の意味もあります。

人参色にんじんいろ
キャロットオレンジよりもやや濃い目のオレンジです。
和ニンジンと洋ニンジンの違いでしょうか。

pumpkinパンプキン
カボチャの実の中身の色に由来する色名で、強い黄みのオレンジを指します。

茄子紺なすこん
ナスの実のような暗い紫を指します。

tomato redトマトレッド
トマトの実のような鮮やかなオレンジよりの赤を指します。

lettuce greenレタスグリーン
レタスの葉の浅い黄緑色です。

asparagus greenアスパラガスグリーン
アスパラガスの茎のような薄い緑色です。

芥子色からしいろ
アブラナの一種カラシナの種を粉末にして作った芥子の色です。

山葵色わさびいろ
山間の清流に自生するワサビは日本特産で、
現在でも水のきれいなところでのみ栽培できる植物です。
山葵色はすりおろしたワサビの色です。

小豆色あずきいろ
日本では古事記の時代から栽培されていた植物です。
小豆色はアズキのようなくすんだ赤です。

こうして見ていくと意外に野菜や作物に由来する色は少ないと感じました。
しかし色とりどりの野菜は見た目も美しく、栄養もあるので
務めて摂取するようにしたいと思いました。