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蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

サイバーサロン(21)

2025-03-23 | 日々雑感、散策、旅行

 春の彼岸も過ぎて、いよいよ春らしくなってきました。

 一昨日(3/21)の14時から、定例のサイバーサロンがありました。この会は、会社
OB /OGで作る趣味サークルの一つ「園芸友の会」で、サイバー例会は、ネット接続の
オンライン談話形式で運営され、今回で21回を数えます。 それまでの教養室(品川)
での例会に比して、出かける必要がなく、そして、遠隔地からの参加も可能で、毎回
重宝しています。

    今回の参加メンバー(関東×5、札幌、福岡、岡崎)
      

 大阪(堺)在住のメンバーは、旅行中で途中名古屋(岡崎)からの参加で、オン
ラインならではの効用です。

 

 発表は、北海道蘭友会会長を務める札幌のN氏から、毎年開催される『世界らん展
2025』の詳細な報告がありました。 以下にその概要を記して、会場の華やいだ雰囲
気と共に、蘭の世界の素晴らしいあれこれを共有したいと思います。(写真はすべて
N氏より。)

 例年通り、会場は後楽園ドームシティ・プリズムホールにて、2025年2月5~12日に
開催されましたが、会場の構成は素晴らしく、先ず10万輪の満開の蘭で飾られたオー
キッドゲートをくぐると、香りと光が織りなすオーキッドアベニューへと続き、天井
から一面にたくさんの色とりどりの蘭の花が逆向きに並べられた幻想蘭空間へといざ
なう、まるで別世界に入ったようなほんのり漂う香りと共に入場を歓迎してくれた
そうです。


       逆向きの蘭の花に誘導された幻想蘭空間
        

 

 そして、假屋崎省吾氏、志穂美悦子氏のそれぞれの力作による大きなオブジェに
よるお出迎えがありました。 例年そうであるようですが、このようなエントランス
の演出は一瞬にして花園の世界へと導かれるのでしょう。

       志穂美悦子氏のオブジェ
        

 審査対象の選りすぐりの447鉢の出品から、41のカテゴリーごとに、ブルー(1席)、
レッド(2席)、ホワイト(3席)のリボン賞が選ばれ、ブルーリボン賞の41鉢がトロ
フィー賞に選ばれ、さらにその中から18の部門賞が選出され、最高の賞が「日本大賞」
で、続いて「優秀賞」、「優良賞」そして「奨励賞」15鉢が選出されるそうです。
50人以上の審査員による厳正な審査を経て、これらの栄誉ある賞に輝くのです。

     日本大賞2025(パフィオペディルム ワーディイ ‘オサム’)
      

 日本大賞は、ミュンマー北部~中国雲南省原産で、標高1000m級の高地に自生している
種で、花の色、模様に個体差が大きいそうですが、この作品は、花びら、花茎、葉に
黒の色彩が入り、非常に珍しい。しかも6輪同時に咲かせた栽培技術が評価されている
のだそうです。この種は一般的なワーディならば、2~4000円程度とのことですが、
このように咲かせるのはとても難しいとされていました。

      優秀賞(ルデマニアナ ‘Betania’)
       

 優秀賞は、ベネズエラ原産の原種カトレアで、海岸地域と山岳地域の2種があるが、この
作品は、色が濃いので山岳系と思われるが、花数が10輪以上同時にしかも同じ方向を
向いて咲かせているところが評価されたようです。会場の中でもとても目立った存在
で、際立った色、花数で多くの方が写真を撮っていたそうです。出展者は毎年出展
しているベテランの方だそうです。

      優良賞(シンビジウム デボン ワイン ‘ミリオンベイル’)
        

 優良賞は、ベトナム、タイ、中国南部原産ですが、2007年に山梨県の蘭園で登録
された種で、この作品は数え切れないほどの花が球形にしだれて咲く見事なもので、
背は高くならず横に広がって咲く特徴があり「テーブルシンビジウム」というカテ
ゴリーで販売されているそうです。

 

 奨励賞は15鉢ありそれぞれの特徴や評価されたポイントなど、素人ではわからない
栽培技術やそのむずかしさなど丁寧に説明いただきましたが、ここではこのうち2鉢
だけ取り上げてみました。

       奨励賞(パフィオペディルム ギャラクシーストーン ‘ファイアーボール’)
        

 これは数々の受賞歴を誇る有名パフィオペディルムで、本作品は白を基調に全体的に
淡いピンクに小さな濃ピンクのスポットが配置され、花びらは大きく丸くかわいい
感じに気品がある。蘭専門のHPではピンク系の最高個体として44万円で販売されて
いるそうです。

       奨励賞(カトレア コクシネア ‘シャイン’)
        
 
 本作品は、小型のカトレア原種で、ブラジルサンパウロ州に自生し、2㎝位の花で極小型で
ニカトレア交配の重要な親になっているそうです。夏の暑さには弱いそうですが、2号鉢
でも11月~4月に開花する。コクネシアはラテン語で緋色を意味し、本作品は、小型の
花7輪が同時に咲き、小さいながらも会場ではその色が鮮明でとても目立つ存在だった
そうです。

 数あるトロフィー賞の中から、こちらも2鉢を選んで紹介します。

      トロフィー賞(デンドロビューム モニリフォルメ(長生蘭)‘八代(ヤシロ)’)
        

 今回も、東洋蘭、和蘭が多く出品されていましたが、この作品もその中の一つで、
長生蘭です。この種は何度も受賞歴がある有名花で、黄色の小型の花が無数に咲いて
いました。日本の古典園芸植物の中でも長い歴史があり、足利義政が盆栽として栽培
していたという記録から数百年の歴史を持つ。その後江戸後期の天保年間の盆栽ブーム
では既に100種類以上の銘品が存在していたそうです。長生蘭(セッコク)は日本、中国、
韓国、ヒマラヤなどに自生
し零度以下でも育ち白または黄色の花を咲かせる。 

   トロフィー賞(ミルトニジューム (エンザン ビューティー サンセット×オンシジューム ワイアッティアナム) ‘シューティン            グ スター) ‘ニッコウ’)
             

 この作品は、ミルトニアとオンシジュームの交配から生まれた種類で、登録前であるため、交配
種が書かれているのだそうです。その花色は薄い黄緑に濃ピンクのリップと変わった
配色で、会場では目立った存在だったようです。
 

 これらの応募作品のほか、特別展示として、北の神秘~レブンアツモリソウが出展
されていました。

       特別展示
        

 学名をCypripedium macranthum var. rebunenseといい、礼文島にのみ自生する野生
の蘭で、その名前は平家物語などに描写された平敦盛が背負った後ろからの矢を防ぐ
ための母衣(ホロ)に見立てたことに由来しているそうです。種の保存法による国内
希少野生動植物種に指定されているとあります。花は淡いクリーム色で花径に一輪咲きで、
唇弁は袋状になり、パフィオペディルムと似ています。現在は保護区で見られるものだけと
なっている貴重な蘭だそうです。

 もう一つ、今回の講師(会員)が会長を務める北海道蘭友会会員からの出品があり
ました。

      北海道蘭友会会員出品株(フラグミペディウム ベッセ ‘ジャスティン’)
         

 パフィオペディルムと似た形ですが、パフィオの自生地はアジアで、これはコロンビア、エクアドル、
ペルーのアンデス山脈東斜面に自生しているもので、1981年に発見されたそうです。水が
好きで寒さには強いが日本の暑さには弱く栽培が困難な蘭だとあります。本作品は、
まだ初花の1輪咲きで株自体は20cmと小さいが、普通のベッセアエに比べ花は大きく花
びらが丸く大きい。また色彩も鮮やかな朱色で、これまでの見慣れたベッセアエとは違っ
ていた。世界らん展のNHK-TVに取り上げて解説されていたそうです。このまま順調に
育ち、1、2年後には入賞してほしい株であると評価されたそうです。。

 

 発表はまだまだたくさんの蘭がありましたが、その中から一部をご紹介しました。
素人目には、どの作品も素晴らしくきれいですが、花の色、形、数などに加えて、
鉢なども含めた総合的なバランスの美しさによる芸術性のほか、栽培技術の難易度
などが競われていることが分かり、栽培者の取り組み態度だけでなくそれらを達成
するための努力と技術力の結集であるようです。ある程度の年月を経ないとそれらの
神髄はとても把握できそうにありません。

 発表の都度質問などに助けられて、それらの片鱗が理解できる程度ですが、毎年
このような発表に浴している身にあらためて感謝するのです。

               

 世界らん展の発表の後、自由討論では、昨今の米価の問題におよび、そもそもの
過剰生産による価格下落を防ぐための減反政策そのものの見直しが必要ではないか? 
減産ではなく、どんどん生産して、余剰が出れば、それを例えばODAに回すなどの
政策に転換できないか・・現在も米作を自家でやっている会員からの意見がありまし
た。たしかに、現金のみでなく、ここでの提案の他、日本の優れた医療技術や教育面
などの支援も併せ行うことも重要ではないか・・などの意見がありました。

 また、次回例会は屋外例会として、その候補についても提案がありました。

2時間以上に亘る熱心な会合は、それぞれに充実した思いを胸にお開きとなりました。

 

 

ランの字は違いますが・・

藤沢嵐子 ♫ママ、私恋人が欲しいの (1964・アルゼンチン録)

 

 

 

 


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (samgirly)
2025-03-23 17:41:01
最後は伊藤蘭さんがくるかと思いきや…藤沢嵐子さんでしたか!

ランの花はお世話が難しい印象で、特別感があるお花ですね。
美しさも格別ですね!
返信する
なるほど! (bon)
2025-03-24 23:01:48
samgirlyさん、コメントありがとうございます。
伊藤蘭さんなら文字もぴったりでしたが、なぜか、
嵐子さんの、この歌がすぐにイメージされたもんですから・・
自然に咲く花ですから、それもたっぷりと時間をかけて・・
それを思うように、形、色、花数などを仕立て上げる技術・情熱
など計り知れないですね。
返信する

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