かねてから議論されていた後期高齢者の医療機関での窓口負担が、現行1割か
ら2割に引き上げる方向で、その対象範囲をどうするか、自民、公明の間で双方
の主張に隔たりがあり調整が難航していたが、昨日(12/10)、首相、公明代表
の間で合意されたとありました。
実施は、団塊の世代がどっと後期高齢者になる22年10月(未定)を想定とあり
ました。(現行でも、年収383万円以上は3割負担)
75歳以上の対象者の範囲を年収によって決めるということで、政府案は年収を
5段階に分けた、170万円以上を2割負担とする案に対して、公明は最高の240万円
以上とするとしていました。この隔たりを巡る議論が難航したと報じられていま
すが、この図式は当初から「この中間あたり」に決着することが見えていたよう
に思いました。
2割引き上げ案が、一発で年収○○円以上と決めると、いろいろと意見が出て
収拾が難しくなる? との読みから、わざわざ両者の隔たりを作って、公開の舞
台で決めるとの演出が丸見え? のように思いました。
(読売新聞ネットより)
これまで、風邪をひいても売薬愛好者でしたし、張り薬や常用する目薬もドラ
ッグストア派でしたが、これからは、面倒でも医者に行って処方箋でもらった方
が少しでも・・という気にさせられます。国の医療費は増える方向になりますが。
政府は、近く 全世代型社会保障検討会議で最終決定するとしていますが、
「全世代型」というのは、もしかして、“高齢者の負担を少し増加して、現役世
代の負担を軽減する”という意味なのでしょうか。実際、高齢化率が高くなって、
以前から言われていることですが、現役世代の負担が増大する・・ことを少しで
も均してゆこうということなんですね。
しかし、今回の2割負担だけでは、なお現役世代の負担は厳しいので、更なる
変更が予想されるのです。
高齢者は、テレビを見て押し寄せるサプリメントのCMの波をかぶり、少なから
ず出費を余儀なくされていて、特に年金生活者に対する負担は厳しいものとなっ
てきます。
以下には、年齢別の人口推移の図等を引用しましたが、確かに高齢者の医療費
に占める割合は高く、これを何とか負担してもらい現役世代を少しでも負担軽減
したい気持ちはわかります。
しかし、そればかりでなく高齢者が医療機関にかかる機会を少しでも少なくす
る方策、そして、投薬を減らす(状態が安定して継続していても薬は減らない?)
方策などを推進することも大事なのではないかと思います。
以下に、社会保障審議会医療保険部会(2019.1.21)基礎資料より引用しました。
上図で、棒グラフのピンクが高齢者(65歳以上)、真ん中の黒の折れ線グラフ
が高齢化率です。青い棒グラフ(生産人口)が次第に少なくなってピンクが増え
てくるのですね。
上のグラフで、赤い折れ線グラフ(75歳以上)が2022年で急増していることが
分かります。団塊の世代がそろって75歳になるということです。半面、最下の折
れ線(生産人口増加率)は下降しています。
まあ、いやなグラフですが75歳以上は医療費は増加しているのですね。
"Solveigs Sang" 「ソルヴェイグの歌」 シセル・シルシェブー
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