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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

丹下左膳

2005-09-11 20:34:53 | 映画 タ行
DVDで、中村獅童、ともさかりえ、渡辺いっけい出演の「丹下左膳」を観ました。

●ストーリー
徳川八代将軍・吉宗(風間杜夫)は、日光東照宮の修復工事という金のかかる事業をどの藩に負担させようか思案していた。

吉宗は、この事を側近の老人・愚楽に相談すると、柳生藩には先祖代々より溜め込んだ莫大な隠し財産が存在すると言う話を耳にする。

剣術に優れ、しかも莫大な財産も持っていれば、いずれは幕府に反旗を翻すかも知れんと考えた吉宗は、日光東照宮の修復工事を柳生藩に負わせる事で隠し財産をすべて使わせる事に決める。

その頃、鼓芸人の与吉(渡辺いっけい)は、江戸の名門道場として名高い、司馬十方斎の後妻・お蓮(戸田恵子)に頼まれ、柳生屋敷に入り込み、柳生源三郎(RIKIYA)が十方斎の娘・萩乃(宮地真緒)との婚礼の引き出物として用意した壷を盗み出す。

しかし、与吉は柳生藩士達に追われる中、壷をぜんざい売りの子供・ちょび安に持ち逃げされ、運悪く、隻腕隻眼の凄腕剣士・丹下左膳(中村獅童)が住む河原のあばら屋に逃げ込まれてしまい、壷を左膳に取り上げられてしまうのだが、この壷こそ、柳生藩の隠し財産の在り処を示した家宝「猿の腰掛の壷」だったのだ…。

●感想
久しぶりに時代劇のチャンバラが観たくなり、前から気になっていた、中村獅童が主役を務めたこの作品をレンタルしてみました。

柳生藩の隠し財産の在り処を示した「猿の腰掛の壷」をめぐって、左膳、柳生源三郎、幕府隠密などが入り乱れて戦うのですが、柳生源三郎を演じるRIKIYAの演技が全然なっていない為に、彼が出てくると全てが台無しになってしまうという非常に勿体無い印象を受けました。

脇役を西田敏行、風間杜夫、大杉 漣などの大物俳優が固めている為に、RIKIYAの棒読み口調の演技がより一層強調され、彼のしゃべるセリフにことごとく違和感を感じてしまい、「どうして彼をこの役に選んだのか?」と言う素朴な疑問と腹立たしさが残ってしまいました。

主役の中村獅童は気合の入った演技で破天荒な左膳を魅せてくれ、「やっぱり彼はこういった威勢のいい役の方が似合っているなぁ~」と実感しました。

けれでも、私を一番ビックリさせたのは、ともさかりえの演技力の高さでした。
彼女は「お藤」という、左膳の無茶苦茶な行動にも動じず、べらんめい口調で文句を言いながらも、最後には全てを受け入れ、手助けしてやる「強さ」と「包容力」の両方を持った女性で、難しい役どころだったのですが、この役を誠に上手く演じ切っており、私には、ともさかりえの演技が劇中で一番輝いて見えました。

それとは対照的に、名門道場の娘・萩乃を演じた宮地真緒の演技には華が感じられず、「これもキャスティングミスだな~」と思ってしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は65点です。

元々は去年に日テレ系列で放映されたテレビドラマなんで、クオリティーとかはこんなもんでしょう。

期待したチャンバラシーンも多く、中村獅童の暴れっぷりが気持ち良いので、そこそこの満足感は得られましたが、やはり、RIKIYAと宮地真緒のキャスティングミスが2人ともに重要な役柄だけに、私には気になって仕方ありませんでした。

結論として、キャスティングの重要さと俳優の演技力の大切さを改めて感じさせられる、少し残念な作品になってしまいました。

だから、この作品は無性にチャンバラが観たい方と先祖の家宝として壷を持っている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「左膳とちょび安が、THE BLUE HEARTSの「僕の右手」が流れる中、現代の浅草に出かけるエンディングシーンが一番おもしろかった!」と思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。 





銀河ヒッチハイク・ガイド

2005-09-10 18:13:08 | 映画 カ行
映画館で、マーティン・フリーマン、ズーイー・デシャネル、サム・ロックウェル出演の「銀河ヒッチハイク・ガイド」を観ました。

●ストーリー
ある日の朝、イギリスの田舎町に住むアーサー(マーティン・フリーマン)は自分の家がバイパス工事の為に取り壊される事を知り、ブルドーザーの前に寝転がり、必死に工事の着手に抵抗していた。

そこへ、友人のフォード(モス・デフ)がスーパーのカートにビールを満載にして現れ、工事関係者達にビールを振舞い、アーサーを連れて、その場を離れ近くのバーへと向かう。

バーに着くと、フォードはビール6杯とピーナッツを注文し、急いでビールを飲みながらアーサーに間もなく、地球が銀河バイパスを通す為に爆破される事を告げ、宇宙へのヒッチハイクに備えて、ビールとピーナッツを大量に摂取する事をすすめる。

言われた事を信じられないアーサーにフォードは自分の本当の正体は、ベテルギウス星周辺の宇宙人でヒッチハイクで地球にやって来て、15年間、宇宙船がやってくるのを待っていたのだと告げる。

その時、空に轟音が響き、アーサーとフォードが慌てて外に出てみると、空に無数のヴォゴン人が乗るバイパス工事建設宇宙船団が出現し、地球人に向かって爆破への最終警告を行う。

その警告を聞いた全世界の地球人から悲鳴の声が上がるが、その直後、あまりにも呆気なく地球は爆破され、宇宙から消滅してしまう。

地球が爆破される寸前、フォードのヒッチハイク用の指輪によって宇宙船への密航に成功していたアーサーは地球人の最後の生き残りとして、広大な宇宙を彷徨う事になるのだが…。

●感想
この作品はSF映画だと思って観に行くと、エライ目に遭ってしまうので最初に警告しておきます。

この作品はハッキリ言ってコメディ映画ですね。それもセリフで笑わせる要素が割りと多い作品なので、好き嫌いの評価が分かれてしまう作品だと思います。

私が英語を理解出来たら、もっと笑えたのかも知れませんが、ギャグを字幕で追っていても、爆笑はできず、数シーンに「アハハ…」と笑えたくらいでした。

CGを使った映像やクリーチャー、宇宙船等は、「スターウォーズ」シリーズと比べても遜色ない素晴しい出来になっているのですが、如何せんストーリーがあまりにも薄すぎて、どうしてもB級映画感が強く出てしまっています。

また、慢性鬱状態のロボットや宇宙一無責任な銀河系大統領など、いい味を持ったキャラクターも出てくるのですが、ワンパターンな行動に終始してしまい、今一つ活かされてないのが残念でした。

脇役でジョン・マルコヴィッチやビル・ナイなどの大物俳優を使っているのですが、出番が少なく、「勿体無いので、もう少し出演シーンを増やしても良かったんじゃないかな~」と思ってしまいました。

笑いのツボに、はまれば最初から最後まで笑える作品だけど、そうでなければ、観終わった後あまり記憶に残らないそんな作品だと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

私はあまり笑えなかったので、この点数ですが、場内で2~3人常に爆笑している方がいらっしゃったのも事実であります。

でも、脚本やストーリー性に重点を置いて観てしまう私としては、どうしてもこれ以上の点数を付ける事ができませんでした。

映像の出来が良いだけに、脚本の内容を練り直して、もう少し内容のある物に出来ていたら、もっと大勢の人々が楽しめる作品になったのではないかと思うと非常に残念な気持ちになってしまいました。

だからこの作品は、おバカムービーで大爆笑出来る方とタオルを肌身離さず持ち歩いている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「この内容の映画で、1000円のパンフレットは高すぎるぞ!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

トランスポーター

2005-09-09 21:02:14 | 映画 タ行
DVDで、ジェイソン・ステイサム、スー・チー出演、リック・ベッソン製作作品「トランスポーター」を観ました。

●ストーリー
フランク(ジェイスン・ステイサム)は、南フランスで軍隊を辞め、表向きは年金生活者としての暮らしをしながら、裏の顔として高額な報酬で何でも運ぶ、プロの運び屋稼業(トランスポーター)を行っていた。

これまで、どんな困難な依頼も、契約厳守、名前は聞かない、依頼品を開けない、と言うフランク自身で決めた3つのルールを完璧に守り、成功を収めて来た。

そんなある日、フランクはいつものように荷物を預かったが、トランクを開けた時に、その荷物がゴソゴソと動くのに気付いてしまい、今まで完璧に守ってきたルールを破り、依頼品のバックを開けてしまう。

開けたバックの中には、なんと中国人美女のライ(スー・チー)が手足を縛られ、口にはテープを貼られて閉じ込められていたのだった。 

この事実を知ってしまった瞬間から、これまで身を潜め静かに暮らしていたフランクの生活が一変し、とんでもない事件へと巻き込まれて行くのだが…。

●感想
他のブログでは、厳しい評価をするモノもありますが、私としては、最後まで楽しめる「有り」な作品でした。

前半はカーアクションで楽しませてくれ、中盤は銃撃戦と少しのラブロマンス、後半は身体を使った派手な格闘シーンで充分に満足致しました。

ストーリーの荒さはあるものの、そこにこだわって観なければ割りと「ダイ・ハード」に近い作品になっているので、飽きずに観れると思います。

ジェイスン・ステイサムが主役で頑張っている作品を初めて観たのですが、髪型とか顔立ちが「ダイ・ハード」の頃のブルース・ウィリスに似ている為に、思わず「マクレーン刑事!」と呼びたくなってしまいました。

でも、格闘シーンではブルース・ウィリスも真似出来ないような、素早い身のこなしで次々と敵を蹴り倒す爽快なアクションを披露してくれています。

また、身体もかなりムキムキに仕上げていて、軍隊上がりと言う役に説得力を持たせるのに充分な役作りをしているのが、ハッキリと見てとれ好印象を持ってしまいました。

アクションシーンの多い映画が好きな方なら充分に気に入るだろうと思える、そんな作品でした。

●採点
私のこの映画に対する評価は70点です。

フランクの愛車が急に爆破されてしまうシーンに驚かされ、その後、復讐に出るフランクの行動の早さと見事さには更に驚かされてしまいました。

また、フランクの家が攻撃されるシーンは「これでもか!」というくらいの徹底ぶりで「レオン」を上回る凄まじさを感じてしまいました。
やはり、こういった所はリック・ベッソンらしさが良く出ていますよね。

たとえ家を爆破されても、地下に海へとつながる逃げ道とスキューバセットを隠しているフランクの準備の良さには頭が下がりました。
この勢いでついでに、「トランスポーター2」も観てしまおうと思っています。

だから、この作品は派手なアクションシーン満載な映像が好きな方と今まで運送業で荷物を運んだ経験のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「ライの親父さんの顔がロウ人形みたいで気持ち悪~い!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

ファンタスティック④フォー

2005-09-08 22:05:40 | 映画 ハ行
試写会で、ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンス、マイケル・チクリス出演の「ファンタスティック④フォー」を観ました。

●ストーリー
天才的科学者・リード(ヨアン・グリフィズ)は宇宙雲による人類進化の謎を解明する為に、彼の旧友で野心家でもあるビクター(ジュリアン・マクマホン)が社長を務める企業に実験の協力を求め、親友の宇宙飛行士・ベン(マイケル・チクリス)を伴いやって来る。

リードらの実験で得る利益を自分に有利となる内容の契約で援助をすることに成功したビクターは、現在、共に働いているリードの元恋人であり科学者のスー(ジェシカ・アルバ)と彼の弟で宇宙船のチーフパイロットを任されたジョニー(クリス・エヴァンス)を伴い、宇宙の実験施設へと旅立つ。

施設から実験の為に、ベンを宇宙へ送り出した直後、リードが予測した宇宙雲との遭遇時間よりも遥かに早く、宇宙雲が到来し、ベンを必死になって施設内に回収しようとしている時にリード、ベン、スー、ジョニー、ビクターの5人は宇宙雲の光線を浴び、実験を完成できないまま地球へと帰還し、病院施設へと搬送される。

入院し日が経つにつれ、身体の異常に気付き始めた5人は、これが宇宙雲の光線を浴びた為に発生した、DNAの突然変異である事を理解するが、外見が著しく変化してしまったベンはショックに耐え切れず、施設を怪力で抜け出し、愛する妻の元へ向かうのだったが…。

●感想
アメコミが原作となっているので、大体のストーリー展開は予想できたのですが、まさにその予想していた内容通りの作品でした。

テレビやインターネットでの予告編で、重要なシーンの大部分が流されているという誠に大胆な作品でもあり、観終わった後、少し驚いてしまいました。
だから本編を全部観ても、「他に盛り上がるシーンは無いの?」と尋ねたくなってしまいました。

クライマックスでは、ビクターが悪の化身となった「Dr ドゥーム」をファンタフティック4がそれぞれの能力を合わせてやっけるのですが、「Dr ドゥーム」は呆気ないほど簡単にやっつけられてしまい、全く盛り上がらない結末となってしまっています。

それも、科学者がリーダーとなっているユニットらしく科学の原理を利用したやっつけ方なんですが、別に科学者でなくても知っているような単純な実験のようなものなので、別段驚く事も無く「あぁ~、そりゃー、そうなるだろうね」と達観してしまいました。

まぁ、本国のアメリカでも公開当初は物珍しさで、観客は集まったものの、その後は不評で伸び悩んだと聞いていますので、「日本でも、やっぱりそうなるだろうなぁ~」と感じてしまいました。

でも、出演している役者さん達には、日本の映画ファンにとってのいい顔見せが出来たのではないでしょうか?

まぁ、ヨアンは「キング・アーサー」のランスロット役の方が良かった様に思いますし、ジェシカは髪を金髪に変えただけで、「ダーク・エンジェル」と同じ様な超能力を持った役柄で、あまり変わり栄えしなかったけれでも、キュートな顔立ちですべてが許せてしまい、次回作は違うキャラでの演技を見せてもらいたいと思いました。

クリスもほぼ「セルラー」と同じキャラなんですが、派手に燃えて、空を飛んだりしますので、「一番目立って美味しかったかな?」って感じで、マイケルは昔から「ザ・シング」の役に憧れていたとの事なんで、「夢が叶ってよかったね!」っていうのがファンタスティック4を演じた役者さん達への私の感想であります。

別に今回出演した役者さん達で無く、他の方が演じてもそんなに変わり栄えしない作品になっただろうなーと思ってしまう、そんな作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は40点です。

試写会のお誘いが無かったら、確実に劇場で観ない作品でしょうね。

私の場合、幸か不幸か無料で観る事が出来たので、観終わった後もそんなに怒りを感じることがなかったので、評価として「40点」を付けたのですが、万が一にでもお金を払って劇場で観ていたら、もっと酷評し点数も「40点」では済まなかったでしょうね。

結論を言うと、DVDが発売されて、しばらく時間が経ち、準新作くらいになって暇つぶしの為に、寝転んで観るのに調度いい作品ではないでしょうか。

だから、この作品はかなりのアメコミファンとお子さんに「どうしても、ファンタスティック4が観たいよー!」と泣き付かれて困っている親御さんにおすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品を参考にした「Mr.インクレディブル」の方が遥かに面白いと感じてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

セルラー

2005-09-07 21:31:28 | 映画 サ行
DVDで、キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス出演の「セルラー」を観ました。

●ストーリー
 ある朝、高校の生物教師ジェシカ(キム・ベイシンガー)は息子のリッキーを学校に送り出した直後、突然裏口から侵入してきた男達に拉致されて、場所の分からない屋根裏部屋に監禁されてしまう。

ジェシカを拉致したリーダー格のイーサン(ジェイソン・ステイサム)は屋根裏部屋にハンマーを持って現れ、備え付けてあった電話をいきなり叩き壊し、外部への連絡手段を断つと、ジェシカを残しどこかへ出かけて行ったのだった。

男達の正体も自分が拉致された理由も分からないジェシカだったが、男達が顔を隠していない事から、彼らの目的が達成された時に、自分が殺される事を悟った彼女は、必死の思いで壊れた電話を修理し、助けを呼ぶ試みを続けるだった。

そして、何度も失敗を繰り返した後、ジェシカの掛けた電話は、ライアン(クリス・エヴァンス)という軽いノリで彼女にフラれたばかりの青年が持つ、最新式携帯電話に繋がるのだが…。

●感想
この作品は、他のブログ等で評判が高い作品だったので、早く観たいと思っていて、やっと観る事が出来ました。

物語の序盤から、いきなりジェシカが誘拐されるという早い展開で、それからも、あの手この手で主人公のジェシカとライアンを苦しめる手法は終盤まで見事に続き、「アッ」と言う間に観終わってしまったと感じるくらい、画面にずーと引き付けられっぱなしでした。

時間に追われる大変さや携帯を切れない状況を上手く作り出し、そこにカーアクションやユーモア、ラストへの伏線を上手く織り交ぜた良い作品だと思います。

映像の撮り方とかトーンが「どこかで観たなー」と思っていたら、私の中での名作「デッドコースター」と同じデヴィッド・R・エリス監督でした!

観終わった後に思ったのですが、どうやら私はこの監督のズームアップを多く使う撮影方法とか、惜しげもなく車を壊していくカーアクションや物語の展開が急変する独特のスタイルがお気に入りみたいです。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

上映時間は1時間35分とそんなに長くないのですが、その中に色々な要素を上手く詰め込んだ良く出来た作品だと思います。

劇中で何度か笑ってしまうシーンがあったのですが、中でも主人公のライアンが携帯を掛けながら車を運転しているのに、隣を携帯電話で話しながらノンビリ走っている車に向かって「携帯切れよ!」と怒鳴るシーンでは思わず「お前はどうやねん!」って笑いながらツッコミを入れてしまいました。

肝心なオチの部分も前半に、何気なくライアンが喋っている会話の中に伏線を忍ばせているという、大変凝った物に仕立てている所にこの監督のセンスの良さを感じてしまいました。

だから、この作品は「デッドコースター」を観て気に入った方とノキア製の最新式携帯電話を使っている方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「出演者やスタッフの名前を携帯画面の映像を使って流すのってオシャレじゃない!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

サマータイムマシン・ブルース

2005-09-06 23:55:44 | 映画 サ行
映画館で 瑛太、上野樹里、佐々木蔵之介 出演、本広克行 監督作品「サマータイムマシン・ブルース」を観ました。

●ストーリー
2005年の夏休み中のある大学の誰もいないグラウンドで“SF研究会”甲本(瑛太)・新美(与座嘉秋)・小泉(川岡大次郎)・石松(ムロツヨシ)・曽我(永野宗典)の5人は写真部の来月のグループ展に協力すべく、女性部員・伊藤(真木よう子)の被写体となり炎天下の中、下手クソな野球をそれなりに楽しんでいた。

一方、もう一人の写真部女性部員・柴田(上野樹里)も、SF研の顧問・保積(佐々木蔵之介 )をモデルに、しきりと顔のアップばかりを撮っていた。

なんとか写真部の役にたったSF研の5人は、ユニホーム姿のまま銭湯に出かけ、汗を流すのだが急に新美が愛用する「ヴィダルサスーン」のシャンプーが消えてしまい大騒ぎとなる。

しばらくして5人は銭湯から部室に帰って来るのだが、甲本の不自然な行動が元となり、それを指摘した他の4人の不可抗力で大切なクーラーのリモコンを壊してしまい、部室は蒸し風呂状態になってしまう。

次の日、本体にスイッチの無いクーラーを動かせず、過酷な暑さに困り果てた5人のSF研部員たちは学校のゴミ置き場で扇風機を探し始めるのだが、どれもガラクタばかりで使い物にならず、諦めて部室に戻ると、謎のマッシュルームカットの男(本多 力)と不思議な金属製の物体に遭遇するのだが…。

●感想
いやー、昨日と今日を中心に、過去と未来を行ったり来たりするので、時系列をある程度、理解しておかないと頭がこんがらがってしまいますが、脚本自体が良く出来ている為、とても楽しんで観る事ができました。

どこにでも居そうな男5人・女2人の大学生を中心人物とし、映画館の主人、銭湯の番台のおばちゃん、カッパ様の像、薬屋のマスコット・ギンギンなど個性の強い脇役キャラとのバランスが非常にイイです。

タイムマシンにしても、一見するとガラクタに近いデザインで到底、凄い技術が使われているとは思えないショボさが笑えてしまいました。

そのショボい機械が本物のタイムマシンだと分かっても、未来の事を知って大儲けをしようとせず「試運転の為に、まずは昨日に戻って壊れていないクーラーのリモコンを取って来る」と言う発想がユニーク過ぎて私のツボを刺激しました。

SF研の部室とか、それぞれのキャラのセリフや行動に笑いがちゃんと入れられていて、前半に張り巡らした数々の伏線を中盤から後半にかけて見事に解消していくところに爽快感を覚えてしまい、ここら辺の作品のまとめ方は、「さすがに本広監督は上手いなぁ」と感心致しました。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

正直言ってあまり期待せず、本広監督が「踊るシリーズ」の監督を蹴ってまで作った作品がどんな物なのか?という興味だけで、観に行ったのですが、脚本がしっかり練られた良作だと思いました。

ちなみにこの脚本を書いたのは、劇団「ヨーロッパ企画」の上田 誠さんで、若干25歳の新人脚本家であります。

彼の所属する「ヨーロッパ企画」の「サマータイムマシン・ブルース2005」の公演を偶然観た、本広監督がすぐにこの作品を気に入り、上田さんに映画の脚本化をお願いして、出来上がったのがこの作品であります。

複雑な時系列をギミックとして上手く使い、普通の大学生達が思わぬ事態に遭遇しドタバタするコミカルなストーリー構成には、彼の力量の凄さを感じてしまい、本広克行監督が一目観て、この脚本が気に入った理由がよくわかりました!

やっぱり、才能のある人が観れば、良いものはすぐにわかるんですね!

だから、この作品はタイムマシン好きな人と部屋のクーラーが壊れてしまい、暑くて死にそうな方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「上野樹里よりも真木よう子の方がカワイイじゃない!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。



スイミング・プール

2005-09-05 21:59:44 | 映画 サ行
DVDでシャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ出演の「スイミング・プール」を観ました。

●ストーリー
ミステリー作家サラ(シャーロット・ランプリング)は初めての創作活動の行き詰まりや有能な新人作家にばかり目を向けている出版社社長ジョン(チャールズ・ダンス)の行動にイライラしていた。

その態度を見かねたジョンはサラに自分の別荘がある南フランスへの旅行を勧め、サラも気分転換するにはいいチャンスだとこの提案を受け、一人南フランスへ旅立つのである。
訪れた土地は気候も良く、静かで、誰にも邪魔されずに執筆活動に専念できる最高の場所だった。

しかし、サラの執筆が順調に進んでいた矢先、ジョンの娘ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が急に別荘にやって来たのだった。

ジュリーがやって来る事を聞かされていなかったサラはすぐにジョンに連絡を取るが、生憎の外出中でジョンに事情を聞くことはできなかった。

若くて自由奔放な生き方をしているジュリーは、到着して早々裸でプールを泳ぎ、毎夜違う男を連れ込んでは激しいSEXを繰り返していたが、この行動がサラを苛立たせ間もなく二人は対立してしまう。

しかし、ジュリーの若さと美しい身体を武器にした大胆な振る舞いに、作家として強い関心を持ったサラは、ジュリーを題材にしたこれまでにない作風の作品を書き始める。

そんなある日、前夜ジュリーが連れてきた地元レストランで働く男・フランク(ジャン=マリー・ラムール)が急に姿を消したのだった。

不審に思ったサラがジュリーにフランクの事を尋ねる為、プールサイドに向かうと周囲に血痕が点々と落ちているのを発見する。
サラがこの血痕について問い詰めると、ジュリーは曖昧な返事を残し走り去ってしまうのだが…。

●感想
フランス映画らしい、落ち着いたトーンで綺麗な映像が目に残る良い作品でした。

ジュリーを演じたリュディヴィーヌ・サニエの冒頭からの大胆なヌードに感激し、ストーリーの展開も相まって最後まで画面に引き付けられてしまいました。

私は男なのでどうしても女性のヌードシーンが出てくると嬉しくなってしまうのですが、リュディヴィーヌ・サニエのように美しいプロポーションの女優さんが何度も脱いでくれて感無量でした!

ヌードシーンも多いのですがストーリーに沿った必然的なものであり、景色や天候のいい明るい場所で演じているので、いやらしさは余り感じず、「開放的なジュリーの性格を表現する手段として上手く使われているなぁ」と感じました。

若くて美しいジュリーに触発されたサラが、段々と大胆な行動をとる女に変貌していく過程を楽しんで観ることができる作品でもありました。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

色々なブログでこの作品の評価が良いのを知り、前から観てみたいと思っていて、今日やっと観たのですが、私にとって充分「有り!」な作品でした。

ジュリーと秘密を共有してからの、サラの以外な行動に驚き、ラストで「あー、だからあの時は、あんな行動をとれたのか!」と、主人公が作家らしい軽いどんでん返し的なオチに納得できる良く出来た作品だと思いました。

だからこの作品はリュディヴィーヌ・サニエの美しいヌードが観たい方と南フランスへ旅行に出かける予定のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「ジュリーって、本当に男の趣味悪いな~!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。




東京原発

2005-09-04 14:44:47 | 映画 タ行
DVDで役所広司、段田安則、岸辺一徳、吉田日出子、平田 満、出演の「東京原発」を観ました。

●ストーリー
押しの強さと派手なパフォーマンスで、都民の支持を得てきた天馬東京都知事(役所広司)は、津田副知事(段田安則)、佐伯政策報道室長(田山涼成)、石川都市計画局長(菅原大吉)、大野財務局長(岸部一徳)、泉環境局長(吉田日出子)、笠岡産業労働局長(平田満)の6人を臨時緊急会議に召集し、その席上で切迫した財政の再建のために、東京に原子力発電所を誘致すると言い出し、この突然の爆弾発言にその場に収集された副知事以下5名の局長は驚かされるばかりだった。

他者の意見は一切聞かず、強引にでも東京に原発を誘致しようとする天馬都知事の姿勢に、危険性を感じた副知事の津田は、物理学の権威で東大の榎本教授(綾田俊樹)を呼び出し、原子力発電所の問題点について詳しい説明を行わせる。

都庁で都知事達が原発誘致の議論を戦わせている時、フランスから極秘裏に運ばれてきたプルトニウム燃料を載せたトレーラーを、爆弾マニアの少年・透が改造銃で運転手の中村(塩見三省)を脅し、乗っ取ってしまうのだった。

透はパソコンとWEBカメラを利用し、車内の模様を都庁に送信し、テレビ局にこの事件を生中継させなければ、トレーラーに仕掛けた爆弾を爆発させると天馬達を脅迫し、トレーラーを都庁に向けて走らせるのだが…。

●感想
現実に起こりうる原発の危険性を、切々と語りかけ、観ている者に原発の是非を考えさせる良く出来た作品だと思います。

中盤の榎本教授が、原子力発電所の問題点や危険性を阪神大震災やチェルノブイリ原発事故などの具体例を挙げ、詳しく説明してくれるので、本当の原発の現状がよく分かり、政府の原発推進政策が必ずしも正しくないと理解しました。

これまで、牛肉問題や厚生省の薬害エイズ問題など、数々の重要な事柄を国民に隠し続け、騙し続けている政府ですから、どうしても、この原発問題もその一つに入るんじゃないかと勘繰ってしまいます。

最近、村上 龍さんの小説「半島を出よ」で日本の原発がテロリスト達に乗っ取られるストーリーが話題となりましたが、「これはあながち小説の中だけの話だと放っておけないリアルな危険性が含まれている」と考える私は、この「東京原発」で益々「日本政府は原発施設に対する防衛の重要さを再認識すべきだ!」と強く思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

榎本教授に原発の危険性を分かりやすく説明させている為に、後半のプルトニウムを積んだトレーラーが都庁に向かう恐怖が上手く伝わり、良い演出が随所にされている作品だと思います。

また上記の説明が上手くいっている為に、ラストシーンで損傷を受けたプルトニウムの容器に雨が激しく打ちつける危険性が理解でき、更なる恐怖心を煽ってくれました。

他にも、それぞれの局長の性格を机の上に置かれている持ち物で表現する手法は、短時間で分かり易く効果的なやり方だと感心させて頂きました。

だからこの作品は、日本の原発について学びたい方と爆弾マニアでない方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「酒を飲まなければ運転出来ないような男にプルトニウムなんて運ばせるな!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。








トリプルX

2005-09-03 21:50:57 | 映画 タ行
DVDでヴィン・ディーゼル、サミュエル・L・ジャクソン、アーシア・アルジェント出演、ロブ・コーエン監督作品「トリプルX」を観ました。

●ストーリー
ザンダー(ヴィン・ディーゼル)はエクストリーム・スポーツ“Xゲーム”でカリスマ的な存在の命知らずなワルだった。

今日も気にくわない上院議員の車を奪い取り、パラシュートを付け、橋の上から車ごとダイブする自分のパフォーマンスをビデオに収めるのに成功し、彼を支持する大勢の仲間達から祝福を受けていた。

その時、突然、窓から完全武装した謎の集団がザンダーを包囲し、麻酔銃で彼を眠らせ拉致したのだった。

このザンダー拉致計画を命令した男こそ国家安全保障局(NSA)のベテラン・エージェント、ギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)だった。

ギボンズはこれまでにザンダーが犯した罪の全てを帳消しにするのを条件に、彼をシークレット・エージェントに任命し、ロシアの過激な犯罪集団“アナーキー99”への潜入捜査を命じるのだったが…。

●感想
思っていたよりも、テンポが良く話しがどんどん進むので楽しんで観れました。

バイクでの鉄条網のフェンスの間のくぐり抜け、飛行機からボードの板を付けてのダイビング、雪崩が襲って来るなかでのスノーボードと、中々スタントマンの見せ場タップリの映画であり、アクション映画好きには楽しんで観れる内容になっていると思います。

CGも雪崩のシーンは良く出来ていましたね、どこからCGを使っているのかハッキリと見抜けませんでした。

しかし、ヴィン・ディーゼルは荒くれ者の役が良く似合いますよね~。
この役も彼がやっていなかったら、ここまでヒットしたかどうか分かりませんね。

私は多分、違う役者がこの映画の主役だったら観てなかったかもしれませんね。それだけ、ヴィン・ディーゼルは私にとって魅力のある俳優さんであります。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

ラストはお決まりのハッピーエンド・パターンでしたが、アメリカ版ジェームス・ボンドを観ているようで久しぶりに楽しめるシリーズ作品になりそうなので、同じキャストで次回作が出来るのを期待したいと思っています。

だから、この作品はスポーツカーや最新兵器好きな方や身体中にタトゥーを入れた気性の荒い方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですけど、「この映画に出てくるサミュエル・L・ジャクソンの髪型ってビミョーだな~」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。




ファイナル・デスティネーション

2005-09-02 20:46:56 | 映画 ハ行
ビデオでデヴォン・サワ、アリ・ラーター、カー・スミス出演の「ファイナル・デスティネーション」を観ました。

●ストーリー
高校生アレックス(デヴォン・サワ)は、40人のクラスメイトと共にパリへの修学旅行へ向かう機内で、自分達の乗った飛行機が炎に包まれ、空中爆発するリアルな未来を予知してしまう。

急に信じられない光景を目の当たりにし、パニックに陥ったアレックスは、機内で飛行機が爆発する事を大声で叫び、みんなを降ろそうとするが、彼と共に機内から外に出たのは5人の生徒と1人の先生だけだった。

降ろされた空港のロビーで、どうして急に叫びだしたのかをルートン先生(クリステン・クローク)がアレックスに問い質していたその時、他の生徒達を乗せて飛び立った飛行機がアレックス達の目前で予知通りに、炎に包まれ大爆発したのだった。

その後、警察から事情を聞かれ飛行機事故を予言したアレックスは、生き残った6人や警察から不審者として厳しい視線を向けられる事になる。

その後、事故から3ヶ月が過ぎ、生き残った7人は何事も無く、普段通り生活していたのだが、彼らを狙う死の影はすぐ傍まで迫っていたのだった、、、。

●感想
この続編の「デッドコースター」がとても面白く、その影響でこの作品を観たのですが、残念ながら「デッドコースター」と同じレベルで楽しむ事は出来ませんでした。

冒頭の飛行機爆発シーンにしても、人の死に方にしても「デッドコースター」の出来には遠く及ばず、物足りない印象を強く持ってしまいました。

しかしながら雨や風、雷、水、影など自然現象を巧みに使い、観ている者の恐怖心を煽る演出はなかなか見応えのある出来に仕上がっていたと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は65点です。

不運な事に傑作である続編の「デッドコースター」を先に観てしまった為に点数が少し辛くなってしまったかもしれません。

もし、私がまだ「デッドコースター」を観ていなかったら、もう少し点数を付けたかもしれませんが…。
まぁ、これがこの作品にとっても私にとっても少し不幸だったのかも知れませんね。

だから、この作品は姿のない死の影の恐怖を味わいたい方と、まだ続編の「デッドコースター」を観ていない方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「この作品でもトニー・トッドの出番は少ねーなー!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。