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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

ザスーラ

2006-01-02 19:01:20 | 映画 サ行
映画館で、出演:ジョシュ・ハッチャーソン/ジョナ・ボボ/ダックス・シェパード/クリステン・スチュワート/ティム・ロビンス/原作:クリス・ヴァン・オールズバーグ/脚本:デヴィッド・コープ/ジョン・カンプス/監督:ジョン・ファヴロー/作品『ザスーラ』を観ました。

●ストーリー
仕事の忙しいパパ(ティム・ロビンス)に遊んでもらえず、兄ウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)は少し不機嫌気味。

弟ダニー(ジョナ・ボボ)はウォルターと遊びたいのだが相手にされず、ふとした事で兄を怒らせてしまい地下室に閉じ込められてしまう。

暗闇の地下室で怯えていたダニーだが“ザスーラ”と書かれた古いボードゲームを見つけ、リビングに戻って来る。

パパは姉のリサ(クリステン・スチュワート)に兄弟の世話を頼み、仕事に出かけてしまうのだが、リサは全く面倒を見る気が無くベッドに横になったままだった。

ダニーは“ザスーラ”をウォルターに見せゲームに誘ったのだが、やはり相手にされず一人でゲームを始めてしまう。

だが、字を充分に読めないダニーがゲームから出て来たカードをウォルターに読んでもらうと、「隕石群接近中、避難せよ!」の文字が…。

次の瞬間、家の中に大量の隕石が降って来て、慌てて暖炉に避難するウォルターとダニー。

何とか隕石群の危険を免れた二人が家のドアを開けると、なんと家の外には広大な宇宙空間が広がっていたのだった……。

●感想
前から、「観ようか?」「どうしようか?」と迷っていたのですが、元旦が「映画1000円デー」という事もあり、『キング・コング』の2回目を観るついでに、観て参りました。

10年前の『ジュマンジ』の続編なんで多少の期待はあったのですが、内容的には遥かに『ジュマンジ』の方が面白かった様に思います。

ロボットや宇宙船に乗った宇宙人が襲って来たりして、見所もあるのですが、オチが弱く、どうしても「子供向け」の印象が強かったです。

でも、ロボットや宇宙船のいかにも、昔のブリキのおもちゃの様なレトロな雰囲気のデザインは好きですね~、チープさが逆に格好良く感じてしまいました。

親の目線から見ると、「ズルした!」「ズルしてない!」と兄弟でいつまでも、つまらないケンカばかりをしているので、「お前ら~!いい加減にせえよ~!!」と激怒したくなります。

とりあえず、子供だけで留守番させておくと、ろくなことが無いって教訓が学べるだけでも、観た甲斐があったかな?って作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

映像に目新しさが感じられなかった事と、ストーリー展開がベタ過ぎて、あまりにも子供向けに作られているのでこの点数に致しました。

前作の『ジュマンジ』はロビン・ウィリアムスの好演で結構笑った記憶があるんですけども、本作はメジャー俳優のティム・ロビンスも少ししか出てないですし、「パパ役は誰でもよかったじゃん!」って感じでした。

と言う訳でこの作品は、兄弟ゲンカばかりしているやんちゃなお子さん達をお持ちの親御さん方とボードゲームをしている最中に宇宙空間に出てしまったという経験がある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、元日から1000円で映画が観れるとはいえ、「他に行く所が無いって結構、可哀想だなぁ~っ」て少しだけ自分の事をミジメに思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

THE 有頂天ホテル

2005-12-15 02:14:25 | 映画 サ行
試写会で、出演:役所広司/松 たか子/佐藤浩市/香取慎吾/篠原涼子/戸田恵子/生瀬勝久/麻生久美子/YOU/オダギリジョー/角野卓造/寺島 進/浅野和之/近藤芳正/川平慈英/堀内敬子/梶原 善/石井正則/原田美枝子/榎木兵衛/奈良崎まどか/唐沢寿明/西田敏行/伊東四朗/津川雅彦/脚本・監督:三谷幸喜/作品『THE 有頂天ホテル』を観ました。

●ストーリー
都内にある「ホテルアバンティ」は、新年のカウントダウンパーティーまであと2時間と迫り、慌しく準備を進めていた。

そんな最中、疑惑の渦中にある国会議員・武藤田(佐藤浩市)がスイートルームに宿泊している事がマスコミにバレてしまい、出入り口は大混乱してしまう。

その事態を収拾しようと副支配人の新堂(役所広司)、アシスタントマネージャーの矢部(戸田恵子)が中心となり、ホテル中を駆けずり回る。

それと同時に、カウントダウンパーティーに使う垂れ幕の文字が「謹賀信年」と間違って発注されているのが見つかったり、腹話術師・坂田(榎木兵衛)の相棒でアヒルの「ダブダブ」が逃げ出したりと、様々な問題が次々と発生して行くのだった……。

●感想
サプライズでした。
そうです、試写会にサプライズ・ゲストで脚本・監督の三谷幸喜さんと国会議員・武藤田役の佐藤浩市さんがやって来ていたのです!

三谷幸喜さんと佐藤浩市さんが現れると物凄い歓声が上がり、場内が一挙に明るくなるのを感じました。

「三谷トーク」は相変わらず面白く、女性司会者に「本作の見所は?」と聞かれて、「今日の佐藤さんの髪の分け目が劇中では、逆になっている所です」と言った時には、ドッと爆笑が起こりました。

佐藤浩市さんも、男の私から見てもフェロモンがムンムン出ており、本当に色気が漂うチョー男前でした。

作品も136分間、色々な所に笑いと訳有りな人間関係が上手く散りばめられており、久しぶりに劇場で大声を上げて笑わせてもらいました。

特に、伊東四朗さん、梶原 善さん、西田敏行さんが出てくるシーンでは、笑い放しでした!
この人達が現れると皆さんも多分爆笑すると思いますので、期待して観ていて下さい。

それと、意外にも話のキーパーソンになっているのが麻生久美子さんです。
彼女の正体はラスト近くまで分からないのですが、分かった時には「そうやって、話を繋げるのか~!」と三谷さんの天才的な構成力に感心してしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は90点です。

「三谷作品」の笑いが分かる方は絶対に観るべき作品だと思います!
嫌な事もこの作品を観れば笑い飛ばせてしまう!そんな作品でした。

だから、この作品は、抜群の構成力で笑いを提供する「三谷ワールド」を体感したい方とシカのかぶり物をしてスピーチをした事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「今度生まれて来る時は、三谷幸喜さんの頭脳と佐藤浩市さんのルックスが欲しい!」って2人のオーラの輝きに、すっかり憧れてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。



疾走

2005-12-12 23:37:12 | 映画 サ行
試写会で、出演:手越裕也/韓 英恵/中谷美紀/大杉 漣/寺島 進/加瀬 亮/豊川悦司/柄本 佑/平泉 成/原作:重松 清/脚本・監督:SABU/作品『疾走』を観ました。

●ストーリー
“沖”と“浜”が隣接する田舎町にシュウジ(手越裕也)は、住んでいた。
ある日、幼いジュウジは自転車で“沖”に出かけたのだが、途中で自転車が壊れ困ってしまう。

その時、最近“沖”に引っ越して来た“鬼ケン”(寺島 進)と呼ばれるヤクザとその情婦・アカネ(中谷美紀)と出会い助けてもらう。

やがて、高校生になったシュウジは、昔に両親を自殺で亡くしたエリ(韓 英恵)と弟が殺人者として服役をしている神父・ユウイチ(豊川悦司)と出会い教会に通うようになる。

しばらくして“沖”にホテルが建つ計画が持ち上がり、シュウジは建設会社・社長秘書として教会の立ち退き交渉に戻って来たアカネと再開する。

丁度その頃、高校でのカンニングが元で堕落していった兄・シュウイチ(柄本 佑)が連続放火犯として逮捕される。

その日を境として、これまで幸せだったシュウジの生活は、一変して行くのだった……。

●感想
「やたらと若い女の子が多いなぁ~」と思っていたら、上映される前に主演の手越裕也くんと監督のSABUさんの舞台挨拶がありました。

手越裕也くんが登場すると女の子達の「キャー!」という黄色い歓声が上がり、それを見ていたSABU監督が「俺にも声援してくれよ~」って言ってたのが面白く印象的でした。

劇中では暗い印象の強かった手越裕也くんでありましたが、オシャレな服装でインタビューにハキハキ答える姿は、好感が持て「さすがはジャニーズ!」といった感じでした。

この作品の原作は読んでないのですが、直木賞作家の重松 清さんが「どんな作品を書くのか?」という事には以前から興味を持っていました。

そんな事を考えながら観ていたのですが、この作品は本当に暗いですねぇ~!

差別、偏見、イジメ、殺人、性的虐待など等、人間の醜い部分が次々と出て来て、暗いトーンで物語が進行していくので、125分の上映時間がとても長く感じられました。

ラストに少しだけ救いを感じられるのですが、全体を通しての重苦しさは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を思い出してしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は30点です。

たまたま試写会が当たったので観に行きましたが、普通なら絶対観ないジャンルの作品でした。

救いの部分が少ないので、ハッキリ言って嫌いな作品なんですが、出演している手越裕也、韓 英恵、中谷美紀、大杉 漣、寺島 進、加瀬 亮、豊川悦司、柄本 佑、平泉 成さん達、俳優陣の演技は凄く良いです!

だから、演技を勉強している人や役者志望の方なんかは、見る価値有りの作品じゃないでしょうか。

と言う訳で、この作品は、「ジャニーズ」&「重松作品」ファンの方と初体験が年上のキレイなお姉さんだったという方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品を観ていて物凄~く、お尻が痛くなってしまったのは私だけでしょうか?(ちなみに私は痔ではありませんので誤解の無い様、宜しくお願いします。)

それでは、また何か観たら書き込みます。



スカーレット・レター

2005-12-08 16:40:23 | 映画 サ行
DVDで、出演:ハン・ソッキュ/イ・ウンジュ/ソン・ヒョンア/オム・ジウォン/監督・脚本:ピョン・ヒョク/作品『スカーレット・レター』を観ました。

●ストーリー
刑事のギフン(ハン・ソッキュ)は、妻・スヒョンを愛しながらも彼女の友人であるカヒ(イ・ウンジュ)を愛人にし、幸せな日々を送っていた。

そんなある日、写真館で店主が殺害される事件が起こり、第一発見者の妻・ギョンヒ(ソン・ヒョンア)を取り調べたギフンは、彼女に疑念を抱きながらも、女としての魅力を感じていく。

殺人事件の捜査が難航するなか、妻・スヒョンが妊娠した事を知り喜ぶギフンだったが、同時に愛人のカヒも妊娠した事から、スヒョンに2人の関係を疑われ始めるのだったが……。

●感想
韓国映画が得意とするタブーとされる愛とかSEXを題材とした映画で、主人公の刑事とその妻、愛人の愛憎劇の中に、殺人事件の犯人探しの要素を取り入れた作品です。

衝撃的な作品であると宣伝していたので、私もそのつもりで観ていたのですが、画像のトーンが全体を通して明るく、空間の広さを感じるシーンが多かったので、そんなに人間関係のドロドロした感じや、衝撃的な印象は受けませんでした。

もっと、人間の醜い部分を描いているのかと思っていた私にとっては、少々期待外れな内容でした。

それにしても、韓国の女優さん達はみんなスタイルがいいですね~!
主に登場する3人の女優さん達の、くびれたウエストや細くてスラッと伸びたキレイな足には思わず見とれてしまいました。

主役のハン・ソッキュさんもこれまでのイメージと違った、愛欲に溺れモラルに反する刑事を熱演しているのですが、ラストのトランクから全裸で出てくる演出には行き過ぎを感じて、ビックリするというより、少し笑ってしまいました。

私的には、この作品のストーリーなら『乱歩地獄』の様に、人間関係をもっとドロドロにして、更にエロティックな内容で作った方が面白くなったんじゃないかな~と思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は60点です。

愛した人を独占しようとする女と、何人も同時に愛そうとする男の根本的な「性」の違いを改めて感じました。

お腹の赤ちゃんに危険が及んでいるのを感じ、必死に逃げたいと願うカヒと、精神的にやられてしまい泣いたり叫んだりするだけのギフンとの対比が、男と女の根本的な違いを如実に描いていたのではないでしょうか。

まぁ、男がどんなにがんばっても精神力では、出産の痛みを乗り切る女には敵いませんし、男がいくら隠れて浮気をしていても、女の直感の前には無意味だと言う事を思い知らされました。

だから、この作品は韓国映画お得意のタブーを描いた恋愛物語が好きな方と、妻と愛人が同時に妊娠してしまい凄くヤバイ立場に追い込まれた経験のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「土壇場になるとやっぱり女の方が強えなぁ~」って色々な意味で女性の恐ろしさを痛感してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。










スピーシーズ3/禁断の種

2005-12-06 17:20:16 | 映画 サ行
DVDで、出演:ロビン・ダン/サニー・メイブリー/ロバート・ナッパー/アメリア・クック/ナターシャ・ヘンストリッジ/脚本:ベン・リプリー /監督:ブラッド・ターナー/作品『スピーシーズ3/禁断の種』を観ました。

●ストーリー
大学教授のアボット(ロバート・ナッパー)は、自宅の地下研究室で、凶暴なスピーシーズ・イヴ(ナターシャ・ヘンストリッジ)が死ぬ間際に産み落としたスピーシーズの純血種であるサラ(サニー・メイブリー)を密かに育てていた。

アボットはサラの卵子から新たな純血種を生み出し、歴史的な名声を得ようとしていたが、ある日、彼の前に体中に発疹が出来、弱りきった混合種のスピーシーズが現れ、絶命した事から早急に純血種を生み出す必要性を感じる。

そんな時、優秀な学生だが、研究資金を打ち切られたばかりのディーン(ロビン・ダン)に目を付けたアボットは、共同研究という名目で自分の計画に引き入れることに成功するのだったが……。

●感想
私はこの作品の美しい女性が、凶暴なスピーシーズに変身するという設定が大好きで、1、2作目と楽しんで観る事が出来たので、当然本作も「観なければならない!」と思いレンタルして参りました。

1、2作目よりも制作費がかなり削られているらしく、比較すると、どうしてもアクションシーンにパワーダウンを感じてしまい、このシリーズならではの面白さを感じる事が出来なかったので残念に思いました。

主役のサニー・メイブリーが惜しげもなく綺麗な裸体をさらけ出しているので、それだけでも男としては観る価値が大いにあると思うのですが、スピーシーズ同士とか人間対スピーシーズなどの戦闘シーンにも、もっと力を入れて作って欲しかったです。

本作は、前2作と方向性を変えて、スピーシーズと人間のほのかな恋心を描こうとしたみたいなんですが、ストーリー的には中途半端な印象しか受けませんでした。

●評価
私のこの作品に対する評価は60点です。

私がこのシリーズ作品のテイストが好きだという事と常に薄暗い雰囲気で不安を煽る演出が気に入り、この点数に致しました。

本作はそこそこだったのですが、特典映像は撮影シーンの裏側などが詳しく説明されているので、私としては、こちらの方が観ていて楽しかったです。

だから、この作品は「サニー・メイブリー」の美しい裸体が観たい方と知り合いに怒らすと怖い女性がいるという方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、本作を観て「『スピーシーズ』シリーズも、そろそろ打ち切りかな~」って嫌な予感がしてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。





七人の侍

2005-11-26 23:00:17 | 映画 サ行
DVDで、出演:三船敏郎/志村 喬/津島恵子/藤原釜足/加東大介/木村 功/千秋 実/宮口精二/小杉義男/
左卜全/稲葉義男/土屋嘉男/高堂国典/脚本:黒澤 明/橋本 忍/小国英雄/監督:黒澤 明/の『七人の侍』を観ました。

●ストーリー
ある貧しい村では、去年「野伏せり」と呼ばれる野盗と化した落ち武者に襲われ、収穫した麦を奪われていた。

その「野伏せり」が今年も村を狙っている事を知った村人達は、村を守ってくれる侍を雇い入れる事に決め、二人の百姓を町へと送り出す。

「腹一杯、米を食わせる」とう条件だけで、村を命懸けで守ってくれる侍はなかなか見つからず、二人の百姓が諦めかけた時、子供を人質にとって、立てこもっていた野武士から、頭を剃り僧に変装して、見事に子供を助け出した侍を見つける。

その侍の名は勘兵衛(志村 喬)と言い、幾多の戦場を生き抜いて来た強者の武士であった。
百姓達は、勘兵衛の腕を見込んで、何とか村を救ってくれる様に頼み込むのだが、条件が悪い事もあって勘兵衛は難色を示す。

しかし、侍に米を食わせる為に、百姓達がひえを食っている事を知った勘兵衛は、百姓達の村を守る約束をし、腕のたつ侍を探し始めるのだったが……。

●感想
ある番組で、爆笑問題の太田さんが「黒澤映画」を熱く語っているのを見て、「白黒映画」にあまり興味の無かった私も観る決心を固め、この作品に挑戦致しました。

本作は、3時間を越える大作なので、「途中で飽きたらどうしよう…」などと色々な不安があり、これまで敬遠して来たのですが、分かり易いストーリー展開とよく練られた脚本のおかげで、最後まで楽しんで観る事が出来ました。

監督業だけではなく、脚本製作にも黒澤氏が携わっているのですが、大監督と呼ばれているにも係わらず、橋本 忍、小国英雄の両名を加え、自分以外の様々な意見も取り入れて、より良い脚本作りを目指す貪欲な姿勢が映像に現れている様に思いました。

ストーリーは「7人の侍達が、貧しい村を悪党から守る」という至ってシンプルなものなんですが、その中に「人の強さ、弱さ、醜さ、貪欲さ、優しさ、切なさ、喜び、悲しみ、別れ」等の色々な要素をふんだんに盛り込んでいるので、とても見応えのある作品でした。

出演する役者陣も演技に緊迫感があり、スクリーンの中をスピード感あふれる動きで駆け回る姿には、ビックリしてしまいました。

数々ある合戦のシーンもテンポが凄く早いので、古い作品であるという印象は全く感じられず、どれも素晴らしい出来栄えだったと思います。

その中でも、志村 喬さんの凛とした存在感のある演技と、三船敏郎さんの荒々しく野獣の様に迫力のある演技は、決してこの作品に欠く事が出来ないものであり、私には、忘れられない印象深いものになりました。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

「黒澤監督は人の本質を描くのがとても上手い人だ!」って言うのが、本作を観た後の、私の率直な意見でした。
ここら辺が「黒澤映画は面白い!」って言われる由縁なんでしょうね。

私は、この作品の「弱者を美化しない」という姿勢を最後まで貫き通している所が好きです。
一見、弱者の様な百姓も、実は「ずる賢さや醜さを隠し持っている」という描き方に好感を持ち、作品の奥深さを感じました。

だから、この作品は、「黒澤映画」がみんなに絶賛されている理由を知りたい方と、いつまで経っても色あせない時代活劇を観たい方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「この時代の百姓に生まれなくて、本当に良かった!」って、今の時代に生きてる事を、心から感謝してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。







さよなら、さよならハリウッド

2005-11-24 21:14:41 | 映画 サ行
DVDで、出演:ウディ・アレン/ティア・レオーニ/トリート・ウィリアムズ/ジョージ・ハミルトン/脚本・監督:ウディ・アレン/の『さよなら、さよならハリウッド』を観ました。

●ストーリー
過去に2度もオスカー賞に輝いた映画監督・ヴァル(ウディ・アレン)であったが、心因性から来る様々な病気が原因で仕事をことごとく失敗し、今では何とかCM撮影の仕事で食いつないでる状態だった。

そんなCM撮影の仕事も途中でクビになり、これからの仕事にも困り始めた頃、元妻・エリー(ティア・レオーニ)が映画プロデューサーを務めるハリウッドのメジャースタジオから、新作映画の監督としてのオファーが舞い込む。

しかし、このオファーは、エリー(ティア・レオーニ)が、ヴァルを監督に復帰させようと、強く推薦し決定されたものだった。

最初は、自分を捨てて、オファー先の映画製作会社社長であるハル(トリート・ウィリアムズ)の元に走ったエリーに、恨みと未練をぶつけるヴァルだったが、監督として再起を図る為、ハルとエリーへの感情を押し殺して仕事を受ける決心をする。

ところが、正式な監督就任が決まりクランク・イン直前になった頃、ヴァルは、またしても心因性が原因となる失明状態に陥ってしまい、代理人のエド(ジョージ・ハミルトン)に全てを打ち明け、監督の仕事を断ろうとするのだったが……。

●感想
ウディ・アレンの映画を始めて観たのですが、この作品はとても面白かったです!
何が面白いって、ウディ・アレンのいかにも落ちぶれた映画監督の演技と「目の見えない映画監督が映画を撮る」って設定が私のツボに見事に入りました。

ショボくて、神経質な映画監督役がウディ・アレンに見事にハマっていて、彼をサポートする元妻役のティア・レオーニとの色々なギャップがとても楽しい作品です。

ウディ・アレンとティア・レオーニは元夫婦の役なので、一緒にいるシーンが多いのですが、中でも2人きりで会話をするシーンでは常に笑わされました。

興奮して話しの内容が次々と変わっていくヴァルの会話に、見事について行くエリーには元夫婦でしか出来ない雰囲気を感じましたし、目が見えなくなったヴァルが社長のハルと会う事になり、エリーがホテルの部屋の間取りを必死にヴァルに教えるシーンでは「あの教え方じゃ、一生分からないよ!」って笑いながら突っ込んでしまいました。

笑いの中にも、息子のトニーと語らうシーンには、ちょっとジーンとさせられたりと色々な要素も詰まった作品です。

ラストも納得の行くハッピーな展開になっていますので、恋人や奥さんと一緒に観るには、持って来いの1本だと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

中国人カメラマンを起用する理由が、後から分かって来る展開と、ニューヨークでコケにされた映画がフランスで大ウケするって話は、ハリウッドを上手くコケにしていて、とても良かったと思います。

この作品を観て、ウディ・アレンが出演している他の作品も、観たくなってしまいました。

だから、この作品は、ストーリー構成が上手く出来たコメディ映画を観たい方と、別れた元妻に今だに未練がタップリあるって方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、ヴァルの息子のトニーの芸名を聞いて、思わず吹き出してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。



最後の恋のはじめ方

2005-10-30 23:46:38 | 映画 サ行
DVDで、ウィル・スミス、エヴァ・メンデス、ケヴィン・ジェームズ、アンバー・ヴァレッタ 出演の「最後の恋のはじめ方」を観ました。

●ストーリー
ニューヨークに住むヒッチ(ウィル・スミス)は、恋愛下手な男達に救いの手を差し伸べる「デート・ドクター」を職業にしている。

彼のモットーは、真剣な恋愛関係を望む者にしか力を貸さないということ、だからナンパ目的の男達はお断りである。

このスタイルで何人ものモテない男達に適切なアドバイスを与え、成功に導いて来たヒッチは、知る人ぞ知る恋愛のカリスマ的存在となっていた。

そんな時、何をやっても要領の悪い会計士のアルバート(ケヴィン・ジェームズ)が資産家セレブのアレグラ(アンバー・ヴァレッタ)に恋をし、ヒッチを頼ってやって来る。

素直なアルバートは、ヒッチのアドバイス通りにアレグラの気を引くことに成功し、彼女をデートに誘い出す。

しかし、アレグラとのデート現場をゴシップ紙のカメラマンに撮られたことから、アルバートは記者達に身元を調べられ始める。

一方、普段は恋愛指南をしているヒッチも、バーで知り合ったゴシップ記者のサラ(エヴァ・メンデス)に一目惚れをし、彼女をデートに誘い出すのだが……。

●感想
ハッキリ言って、思ったよりも面白かったです!

ヒッチ演じるウィル・スミスとアルバート演じるケヴィン・ジェームズの軽妙な会話とコミカルな動きが息もピッタリで面白く、まさに名コンビだと思いました。

劇中でヒッチがアルバートのダンスを見守るシーンがあるのですが、これが本当に下手くそダンスで面白く「見事な演技だなぁ~」と思っていたら、このシーンでのダンスは、全部ケヴィン・ジェームズが即興で作ったものだというのが、特典映像のメイキングを観て判明し、「演技ではなく本当にダンスが下手くそだった」という事が分かり更に笑ってしまいました。

他にも、ヒッチのアドバイスでアルバートがエステに行き、背中の毛を悲鳴を上げながら抜かれているシーンや、アルバートがキスの仕方をヒッチから習っていて本当にキスをしてしまうシーンでは、思わず「プッ」と笑ってしまいました。

女性に対して自信満々のヒッチも昔はとてもダサく、やっと出来た恋人にも無惨に捨てられ、その経験を元にモテない男達の恋愛の手助けをしているという彼の設定にも好感が持て、良く出来ていると思いました。

ウィル・スミスが主演をしている映画は、彼の話す言葉だけでも充分楽しめるので、私としては、「ハズレ作品が少ない俳優」とイメージを持っているのですが、まさにこの作品は、ウィル・スミスの会話や仕草を大いに楽しめるコミカルな作品に仕上がっていると思います。

特に、ヒッチがホタテに当たり男前のウィル・スミスの顔がどんどんブサイクになっていく過程は何度観ても笑えるとシーンだと思います。

少し気になったのが、ウィル・スミスの恋人・サラ役としてエヴァ・メンデスが出演しているのですが、あまり私の好みではなく、最後にサラの妹・マリア役で出てきた女優さんの方がはるかに綺麗だと感じてしまいました。

女性は、この作品を観るだけで「男が女性を誘うまでのドキドキ感や自信の無さ」が分かって楽しいと思いますし、男性は「どうやったら好きな女を落とすことができるのか?」を知ることが出来るので、男女共々、観て損の無い作品だと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

ほとんどが、男性目線で作られているので私にはとても参考になり、今後の女性へのアプローチに大いに役立てようと思いました。

本当にヒッチのような「デート・ドクター」という職業が存在するのかは分からないですが、あれほど的確にアドバイスを与え、自分も一緒になって行動してくれる良心的な恋愛アドバイザーがいれば、「かなり流行るだろうなぁ」と真剣に考えてしまいました。

だから、この作品は「今より、少しでも女性にモテたい!」と切に願っている男性の方々と「気弱な男性が好きな女性をデートに誘うまでの大変さを観てみたい!」という女性の方々におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「ニューヨークの恋愛事情も結構大変なんだなぁ~」と少しだけ同情してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。












スワロウテイル

2005-10-13 04:15:09 | 映画 サ行
ビデオで、三上博史、伊藤 歩、Chara、渡部篤郎、江口洋介 出演、岩井俊二 監督作品の「スワロウテイル」を観ました。

●ストーリー
日本の“円"を稼ぐために異国からやって来て不法に住み着いた者達が暮らす街“円都・イェンタウン"。その街で娼婦として働いていた母・ユリコ(藤井かほり)を亡くした名も無き少女(伊藤 歩)は、知り合いをたらい回しにされ、胸にアゲハ蝶のタトゥーを入れた娼婦・グリコ(Chara)の元にたどり着く。

グリコは中国から、2人の兄とやって来たのだが、次兄は交通事故で死亡し、長兄とは生き別れになって生死も分からない状態だった。

グリコは名前の無い少女にアゲハ(伊藤 歩)という名前を与え、仲間のフェイホン(三上博史)やラン(渡部篤郎)達が経営するなんでも屋“あおぞら"での職を見つけてやる。

ある夜、グリコの客の須藤(塩見三省)が偶然にも、隠れていたアゲハを見つけ出し、襲いかかるのだが、グリコが助けに入り、その隙にアゲハは隣室の元ボクサー・アーロウ(シーク・マハメッド・ベイ)に助けを求める。

須藤は助けに入ったアーロウに殴られた弾みで、運悪く窓から転落し、走って来たミキサー車にも轢かれ、内臓をぶちまけて死んでしまう。

その死体をグリコ達は“あおぞら"の仲間の手を借りて、墓地へ埋めに行くのだが、その時、須藤の裂けた腹の中から、「マイ・ウェイ」が録音されたカセットテープを発見する。

その頃、“円都・イェンタウン"の中国マフィアの若きリーダー・リャンキ(江口洋介)は、行方不明の須藤が持ち逃げした、偽一万円札の磁気データが入ったカセットテープの行方を手荒い部下達を使い必死に探していた。

カセットテープの事が気になったランは、殺し屋という裏の顔を利用し、その仲間のシェンメイ(山口智子)からリャンキ達の情報を手に入れると、パソコンでテープを解析し、偽一万円札の磁気データを見つけるのであった。

この偽札のデータを利用し、千円札で簡単な偽一万円札を作り、大金をつかんだフェイホン達は、グリコの歌手になる夢を叶えてやろうとライヴハウス“イェンタウンクラブ"をオープンさせるのだったが……。

●感想
本作は、1996年に作られた作品で、当時この映画にも出演していたCharaさんが、実際に「イェンタウンバンド」を組み「swallowtail-butterfly」という曲を大ヒットさせた記憶は、ハッキリと残っているのですが、なぜ私がこの作品を観なかったのかは思い出せず、今日に至ってしまいました。

以前から、気になっていた作品だし、今でも人気のある俳優さん達が、たくさん出演しているので、昔を懐かしみながら拝見させてもらいました。

日本語、中国語、英語が混ざり合って使われている“円都・イェンタウン"の持つ独特の世界観がとても気に入り、「岩井ワールド」を堪能致しました。

作品の映像全編を通して、ソフトフォーカスを掛け、不思議な空間を上手く作り出しているのが、とても印象的でした。

いや~、今更言うのもなんですけど、出演している俳優さん達はみんな若いですよね!本当に「10年ひと昔」とは良く言ったものだなぁ~と思いました。

三上博史さん、渡部篤郎さん、Charaさん、大塚寧々さんはあまり変わっていない様に思えたのですが、江口洋介さんがロン毛だったり、伊藤 歩さんがとても幼かったり、桃井かおりさんのお肌がつやつやしてたりと、現在との違いを見つけるのも楽しかったです。

ストーリーは、まずまずだったのですが、山口智子さんが、いきなりに出てきてバズーカをぶっ放したり、三上博史さんが警察に捕まって、すぐに死んでしまったり、伊藤 歩さんがアッという間に偽札を作り、大金を稼いだりと急展開の多いストーリーだなと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

グリコ(Chara)とリャンキ(江口洋介)の兄妹の関係を生かしたストーリーに発展するのかと思いきや何の絡みも無かったのが少し残念に思いました。

中古車を棺桶にして、フェイホン(三上博史)を火葬しながら、みんなでアゲハ(伊藤 歩)の儲けたお金を火の中に投げ入れるシーンは、みんなが一から違う人生をやり直す決意をしたように見えて、とても印象的でした。

だから、この作品は岩井俊二作品が大好きな方とCharaさんのアカペラ曲を聞きたい方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品にクラブの客として、浅野忠信さんが出演しているのに全く気が付かなかったり、助監督を行定 勲さんが務めているのを知ってビックリしてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。


シンデレラマン

2005-10-07 03:31:51 | 映画 サ行
映画館で、ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ 出演 、ロン・ハワード監督作品「シンデレラマン」を観ました。

●ストーリー
前途有望な若きボクサー、ジム・ブラッド(ラッセル・クロウ)は、愛する妻・メイ(レネー・ゼルウィガー)と3人の子供達に囲まれ幸せな日々を送っていた。

しかし、1929年のタイトル戦で右手を負傷し、運悪く世界恐慌と相まって、財産のほとんどを失ってしまい、貧困に喘ぐ生活へと転落してしまう。

ジムはなんとか、港湾の肉体労働で日銭を稼いでいたものの、妻や子供3人を養っていくには難しく、妻のメイは、次男の病をきっかけに子供達を親戚に預けるのだった。

だが、ジムは愛する子供を手放すことは、絶対に我慢が出来ず、これまで避けていた生活保護の列に並び給付金を受け取り、ジムからライセンスを剥奪したボクシング協会に向かい役員達に頭を下げて、寄付を募るのだった。

すべてのプライドを捨て去り、子供達を取り戻したジムだったが、これからの生活の見通しは何も無かった。

そんな時、ジムのかつてのマネージャー・ジョー(ポール・ジアマッティ)が現れ、世界ランク2位の若手ボクサーとの一夜だけの復帰戦の話しを持ってくる。

ジムは、愛する家族を貧困から救う為に、もちろんこの話しを承諾するのだが、ジョーはジムに勝ち目の無い試合をさせる事に心を痛めていた。

運命の復帰戦で、誰もが、ジムは呆気なくマットに沈むものだと考えていたのだったが、ジムは完治した右手と肉体労働で鍛えられた左手で強烈な連打を打ち込み、相手をマットに沈める逆転KO勝ちをしてしまう。

このまさかの一戦を境として、ジムの活躍を求める民衆の声が次第に高まって行くのだった……。

●感想
前評判が高く、私も期待して観に行きましたが、久しぶりに期待した通りの出来の良さに、ジンワリした感動を頂きました。

世界恐慌はもちろん体験した事が無く、教科書の文字だけでしか知らなかった私にとって、この作品で描かれていた世界恐慌は自分の予想を遥かに上回る悲惨な状況でした。

そんな中で、妻や家族を愛し、必死に守り抜こうとしたジムの直向きな姿勢と、そんな夫を信じて支え続けたメイの優しさに感動させられる良作でした。

オスカーを獲っているラッセル・クロウとレネー・ゼルウィガーが主役なので、二人の上手さについて今更、説明はしませんが、実力のある俳優と監督、良い脚本が揃えばしっかりした作品が出来上がる事を証明した作品だと思いました。

私としては、主役の二人に劣らず素晴らしい演技を魅せてくれたジョー役のポール・ジアマッティの頑張りが印象に残り、ジムをボクシングの練習に専念させる為に、最後の家具を売り払った事をメイに打ち明けるシーンや試合の度にジムのセコンドに付き、興奮しながらアドバイスを与える熱のこもったシーンが印象に残りました。

自分がその日の生活をしているだけでも大変な時代に現れたジム・ブラッドの必死な生き様を、興奮や感動しながら観れた事に満足した一日でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は90点です。

この映画のテレビCMで井筒監督が「久々にホンマええわ!」って言うコメントをしてたのが印象に残っていて、井筒監督とは映画の好みが違う自分にとっては、かなり不安だったのですが、この作品で初めて意見が合い安心致しました。

ジムの対戦相手役として、本物のボクサーが3人出演しているので、ボクシングシーンは実戦並みの迫力があり、否が応でも興奮してしまいました。

また、カメラワークがジムの目線に切り替わる事が多く、本物のボクシングの試合を観ている時よりも、激しく感情移入が出来ました。

なかでもジムがダウンしそうな時に、朦朧とした意識の中で、家族の顔が浮かび反撃を開始するシーンや、チャンピオン戦の最終ラウンドで相手の右ストレートを避け、強烈な右ボディブローを打ち返すシーンはとても気持ちが良かったです。

強いだけじゃなく、人間性の素晴らしさで国民から「シンデレラマン」と慕われた、ジム・ブラッドのどん底からの復活劇は、私に「諦めない事の大切さ」を教えてくれました。

だから、この作品は愛のあるボクシング映画を観たい方と料金未納で電気を停められた事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「今年のアカデミー賞助演男優賞はポール・ジアマッティにあげて欲しい」と強く思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。