何事もなく日が暮れた。
久しぶりの平和な夜を、野宿して過ごす。
ゆっくり休んで体力を回復し、翌朝には、津江鎮公の城で得た薬も飲んだ。
これで体調は万全だ。
歩き続け、ついに寿司牡胃山地に達した。
獣道を登って行く。
その途中で、妙な感覚に襲われた。
頭の中が痒いような違和感に、オレは思わず立ち止まった。
目の前に現れたのは、紫の瞳をした異形の男だった。
「鋳切様の領地に立ち入ろうとする愚か者よ。
腹心たる私、この大鬼(ダイオニ)が相手になろう」
大鬼は、雷鳴のような哄笑を上げながら、指を鳴らした。
気がつくと、オレは、何だか分からない場所に投げ出されていた。
地面が無い。何も無い。
真っ暗な中、上にも下にも、星のような煌めきが無数に浮かんでいる。
「だが、まずは貴様が、その『星海の異界』から抜け出せればの話だがな!」
嘲笑う声が、遠くから聞こえる。
オレは、………………………………
久しぶりの平和な夜を、野宿して過ごす。
ゆっくり休んで体力を回復し、翌朝には、津江鎮公の城で得た薬も飲んだ。
これで体調は万全だ。
歩き続け、ついに寿司牡胃山地に達した。
獣道を登って行く。
その途中で、妙な感覚に襲われた。
頭の中が痒いような違和感に、オレは思わず立ち止まった。
目の前に現れたのは、紫の瞳をした異形の男だった。
「鋳切様の領地に立ち入ろうとする愚か者よ。
腹心たる私、この大鬼(ダイオニ)が相手になろう」
大鬼は、雷鳴のような哄笑を上げながら、指を鳴らした。
気がつくと、オレは、何だか分からない場所に投げ出されていた。
地面が無い。何も無い。
真っ暗な中、上にも下にも、星のような煌めきが無数に浮かんでいる。
「だが、まずは貴様が、その『星海の異界』から抜け出せればの話だがな!」
嘲笑う声が、遠くから聞こえる。
オレは、………………………………