好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

事件228『小五郎さんはいい人』(第75巻)考察。

2014-06-22 | 『名探偵コナン』原作考察
扇風機と洗濯バサミと新聞紙で、テレビを遠隔操作する仕掛けは、まるでピタゴラスイッチのよう。
しかも、これほどの仕掛けの目的は殺人そのものでなく、知人たちにアリバイを証言してもらうためだけの物。
もしも知人たちが、すぐに被害者の部屋の扉を開けていたら、それだけでトリックは破綻する。
よくも犯人、こんな危ない橋を渡ったものだ。

しかしながら、この話の問題点は、事件自体よりもその発端にある。
簡単に言えば、ネタがきちんとオチてないのだ

そもそもこの話、「小五郎が依頼人との約束をすっぽかしてビアガーデンへ行っている」
という事の真相を探るのが、最初の目的だったはず。
なのに実際に描かれたのは小五郎自身でなく、小五郎のふりをしてる大学生だった。
そして話は、起承転結で言う、「起」に応じた「結」がないまま終わってしまう。
これじゃ小五郎は、蘭の言う「ただのダメ親父」どころか、探偵失格の愚か者だ。

穿って考えるに、恐らく作者は、元太に続いて小五郎をも、持て余してしまっているのではないか。
作者が描きたいのは、いかなるトラブルも涼しい顔で受け流す、綺麗どころのキャラだけなんじゃないか。

ならば早急に『名探偵コナン』を終わらせて、
謎の組織を追う赤井と沖矢を追う世良が活躍する新連載を描けばいいのに。
そうすれば、私のような懐古読者も、新キャラを好むファンも、作者自身も、三方まるく収まるのに。
商売の道具として、連載が引き延ばされるのは、本当に悲しい。

それでは。また次回。
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