全8話収録の短編集。
本命は表題作。
男性が妊娠出産する秘術、その名も「背孕み」というトンデモナイ単語をネットで見かけて調べるため読んだ。
つまるところ、女性が幻術で男性に見せかけてたってオチでいいのかな。
まあとにかく、山田作品において、「荒唐無稽」は褒め言葉。
ちまちま細かいことを考えたらいけない。
『嗚呼益荒男』とか別に、×器(×根)ネタでなくても良かろうもんに。
自分としては、『お庭番地球を回る』が印象に残った。
どこまで史実で、どこから虚構か煙に巻かれる。
アメリカ人が目にした日本人の描写はどれも興味深い。
鳶の軽業までも「ニンジア」の秘術扱いされたり。
ただ、使命を人知れず終わらせ、世間から消える忍者の儚さには惹かれてしまう。
ある意味、歴史の勉強にもなる。
実際、収録作品は、ほぼ時代順に並んでいる。
(関ヶ原の時代→田沼意次の時代→井伊直弼の時代)
『魔界転生』辺り、いずれ押さえた方がいいかなあ、と覚書。
それでは。また次回。