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好事家の世迷言。(初代)

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調べたがり屋の生存報告です。

グロテスクの展示会。

2025-04-04 | 物語全般
『肉食屋敷』(by小林泰三)、読了。

全4話収録の短編集。

ほぼ全編にわたってグロテスクでおぞましい小林泰三作品群。
けれど読後感は逆に清々しかったり、伏線の収斂が美しすぎたりして、目を離せない。

『肉食屋敷』
タイトルで想像したオチがある種そのまま当たる話。
どう足掻いても絶望。この世界は滅ぶ。
畜生、いつの間に……。

『ジャンク』
人体が資源として使い倒されてる世界。
ひたすら腐臭に満ちる展開にくらくらするが、読み終わるととてもロマンティック。何だこれ。

『妻への三通の告白』
全部読んでから、今度は逆に最後の段から読み直すと意味が通る。
ところで磯野と野原って名字って、やっぱし作者狙ってる?(サザエさんとしんちゃん)

『獣の記憶』
サスペンスと思ったらホラーと思ったらミステリと思ったら最後に混乱。
いわゆる多重人格ネタや、「××役が真犯人」をこう転がすとは。驚いた。

それでは。また次回。


※当記事以外に最近読んだ本たち。
『ミラーマンの時間』(by筒井康隆)(角川)
『風葬の城』(by内田康夫)
『ピンクとグレー』(by加藤シゲアキ)
『絵のない絵本』(byアンデルセン)