『将軍の目醒めた時』(by筒井康隆)、読了。
『ヤマザキ』を読もうと図書館で調べていて目に留まって借りた。
全10話収録の短編集。
再読した『最後の喫煙者』と、『ヤマザキ』の他、『万延元年のラグビー』が重複している。
『万延~』は、やはり歴史小説の形で始まっておいてメタメタギャグに飛ぶ話。結構グロ。
『空飛ぶ表具屋』も読んだ記憶がある。
本命は表題。
生まれた時代故の悲劇か、国の戦争事情に巻き込まれ、というか自ら飛び込んでいってしまった男が、精神の正常と異常の狭間を揺れる話。
個人的に惹かれたのは『家』。
大海原に建てられた巨大な旧来の日本家屋に住む家族たちの、事実上の集落一つ。
そんな不思議な環境で生きる少年の日々。
彼ら以外の外界で何が起きているのかは結局最後まで謎。
ただ、この本、『乗越駅の刑罰』を読むのが辛すぎた。
ズバリ、動物虐待をギャグで使ってる描写がある。
無賃乗車をした主人公の悪夢という話だから陰惨なのは当然なのかもしれないが、流石に勘弁と言いたい。
それでは。また次回。