goo blog サービス終了のお知らせ 

理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

海外出張でマクロビ(2) アメリカでの食事

2005-05-29 | グローバルマクロビ
アメリカ西海岸への6日間の出張から帰ってきました。対策編で「食事対策はしっかりやっておきたい」と書いたのですが、うまくいった部分もあり、そうもいかなかった部分もありです。

機内食は行きも帰りも、頼んでおいたヴィーガン食が出てきました。炒めもの(野菜やきのこ)と野菜サラダとライス(タイ米のような長粒米)にデザートがつく構成。まあ機内食ですから質量ともにそれほどではなく、おまけにデザート(砂糖たっぷりのドーナツなど)は残したりしたのでかなり少食に。

現地での朝食は、持参していったインスタント味噌汁が中心でしたが、ラッキーなことにホテルの近くに日本人街があり、そこのスーパーマーケットで仕入れた納豆を食べたりもしていました。いくら無添加の有機味噌汁といっても、毎日インスタントでは飽きてきますね。もう少し長い滞在になったら別の対策が必要です。

ここまでは少食かつ菜食を実践できていたのですが、昼食や夕食になると仕事の相手がランチを出してくれたり、レストランでは同行した人と料理をシェアしたりすることもあり、またまわりのアメリカ人がこってり食やケーキをどんどん食べている雰囲気に押されて、かなり食べ過ぎてしまったのは反省点です。肉はあまり食べませんでしたが。

それでも、機内食と朝食を少なくし、夕食のあとは寝るまで何も食べないようにしたのが効いたのか、以前の海外出張よりは胃腸の調子が悪くなりませんでした。いつも飲んでいた胃薬も今回は使わず。胃腸に負担をかけたくない睡眠時間の周辺にできるだけ食べないというのは重要だというのを実感しました。

海外の身土不二(5) まとめ

2005-05-23 | グローバルマクロビ
今日はアメリカ西海岸への出張に出発です。私の時差ボケ対策は結局「前の晩に遅くまで起きておき、飛行機でできるだけ眠る」というところに落ち着いているので、夜更かししてブログ更新してます。

引き続き資料"Macrobiotic Dietary Recommendations"(読むにはAcrobat Reader[無料]が必要)より。

穀物(主食)と汁物以外には、おかずとして野菜、豆、大豆/小麦食品、海草、たまに摂る食品(小魚など)、それに甘いもの、飲み物、調味料、油についてどういうものを摂ればいいのかが書かれており、欧米で容易に手に入るであろうものを含めて様々なものが挙げられています。ただし大豆/小麦食品のところで豆腐・高野豆腐(Dried tofuって何のことかすぐにわからなかった)・納豆・麩が出てきたり海草のところで昆布・ひじき・めかぶ・わかめが登場したりで、日本の食材が強調されている印象があります。別章のレシピや手当てのところにも日本の食材が多く登場します。

この資料では「身土不二」について詳しくは説明していないのですが、穀物や汁物を含め、全体として欧米向けマクロビオティック食は

・「身土不二」に従い、その土地で獲れるものを活かした食事をすることに変わりはない
・ただし日本食の中には優れた食材・料理が多くあるため、積極的に採り入れる

という方針のようです。日本食がよく使われるのは単に日本人が創始・普及しているという歴史的経緯からだけではないわけです。

資料の著者・久司道夫氏へのインタビューがイー・ウーマンというサイトにあり、ちょうど以下のようなことが話されています。

[久司道夫氏インタビュー (ページ13)]
(日本の食材をアメリカの学生に作らせて広めていったという話に対して)
佐々木   それは、身土不二の考えからすると、違う土地のものを持ってきていることにはならないのでしょうか?
久司     いえ。というのも、ほかの食文化と比較検討した結果、伝統的な日本食の中には、人類にとって理想的な食体系が基本的にたくさんあることが結論付けられたからなんです。これをもとに、各地域のマクロビオティックの標準食を打ち出してきたんです。梅干しやごま塩は家庭療法として薬の役割も果たしているわけですしね。身土不二的にいえば、できればその土地で採れた大豆や梅やごまを使って、みそやしょうゆ、梅干し、ごま塩などをつくればいいというわけです。


大豆や梅やごまを無理に栽培した場合に「身土不二」になるのかという疑問はありますが、「各地域のマクロビオティックの標準食」をつくっていくということが基本になるということです。

海外出張でマクロビ(1) アメリカ対策

2005-05-14 | グローバルマクロビ
近々アメリカ西海岸へ1週間ほど出張することになりました。短期ですが、食事対策はしっかりやっておきたいと思います。

というのも、海外出張に行くといつも胃の調子が悪くなるからです。時差のせいで体のリズムが狂う上に欧米の食べ物はこってりしたものが多く、また私はそういうものが好きときているのでついつい食べ過ぎてしまって胃が痛くなるというのがいつものパターンでした。菜食に慣れてきた今、このパターンに抵抗してみようと思います。

・機内食
どこの航空会社でも、宗教上の理由・病気の治療の必要などがある人を想定した特別食を用意しており、事前に頼んでおけば切り替えてもらうことができます。今回はユナイテッド航空を利用するので、特別食のページにあるヴィーガン食(肉・魚・卵・乳製品なし。砂糖やマーガリンは入りますが)を依頼しました(カレー味のアジアン・ベジタリアン食というのもあるらしい)。これで行き帰りの機内は素食ですませられそう。"Beef or chicken?"と聞かれることもないはず。

・朝食
私は朝起きてすぐにドカドカ食べられる方なので、つい朝食をたくさん摂ってしまいます。欧米へ行くと朝が日本の夕方~夜にあたるからか、特に朝の空腹感が増すような気がします。さらにホテルの朝食がバイキング形式だったりすると大食に拍車がかかり、普段は飲まないオレンジジュースなんかも飲んでしまって胃の調子を悪くするのが常でした。
今回はホテルの朝食にはお世話にならず、味噌汁のみにしようと思います。インスタントの有機立科みそ汁。
大学時代の独り暮らしの時にコンビニのインスタント味噌汁を毎日飲んでいたら吐きそうになってしまい、それ以来インスタント味噌汁はダメなのですが、この有機立科みそ汁は結構いけます。化学調味料や添加物が入っていないのが大きいと思います。

・昼食・夕食
基本的に外食になりますが、玄米は無理としても「ベジタリアン食はあるか?」と聞いてできるだけ菜食にせねば。ベジタリアンへの対応は日本よりしっかりしているはず。昼はサラダだけ(アメリカのは十分でかい)にする手もありそう。レトルト玄米を持って行って、たまにはホテルの部屋でこれとゴマ塩と味噌汁だけで1食すませることもできるかも。

・間食
干納豆・松の実などを持って行き、食間にどうしても腹が減ったらこれらでしのぐ。

・飲み物
お茶のティーバッグを持って行って、ホテルではお茶を飲む。他にも梅干番茶(梅醤番茶)やブラックジンガーも持って行くといいかも。ホテル以外では水を飲むしかなさそう。ジュースは飲まない。コーヒーはなるべくガマン。下戸なのでアルコールへの対策は特になし。

さあ、はたしてこれがきちんと実践できるでしょうか。帰った後で報告を書きます。

海外の身土不二(4) 味噌汁

2005-05-07 | グローバルマクロビ
引き続き資料"Macrobiotic Dietary Recommendations"(読むにはAcrobat Reader[無料]が必要)より。

「スープ」の項では、味噌汁を毎日1~2杯飲むように勧めています。主食の項ではいろいろな種類の全粒穀物を挙げていましたが、スープは味噌汁に決め打ちで、他の汁物(欧米のスープなど)は書かれていません。全食物の5~10%を味噌汁で摂るよう推奨しています。

味噌には発酵で生成される良質のたんぱく質やビタミン・ミネラルが豊富で、また腸内環境を整える働きもあります。かつ毎日食べても飽きない食品であり、味噌汁にすることで具としていろいろな野菜や海草を入れて食べられるというのも見逃せない点です。そんなわけでマクロビオティックでは重要な位置を占めていますが、調べた限りではこういう役目を果たすことのできる食物は欧米にはないようです(ちなみに韓国にはテンジャンチゲという発酵食品の汁物があります。ただし麹菌を使うのは日本だけのやり方です)。

味噌汁は欧米でもmiso soupとして知られるようになってきており、私の聞いた感じでは納豆や豆腐より抵抗なく食べられるもののようです。味噌汁を飲む習慣を欧米で広めていくのはある程度可能かもしれません。

というわけで、今日の結論は「味噌汁は偉大だ」ということで。

海外の身土不二(3) 主食

2005-04-27 | グローバルマクロビ
マクロビでは主食として、前回書いたような全粒穀物を全体の半分以上摂るように指導していますが、欧米人の普段の生活(非マクロビ)での主食というのは何なんでしょうか。

欧米の知り合いに私が"I'm a rice addict.(私は米中毒だ)"と言うと結構ウケがよく、それを思い出して自分のハンドルネームをrice-addictとつけたぐらいなのですが、ドイツ人の友人は「ドイツで君の米に相当するのは、強いていえばジャガイモだ」と言っていました。ただし日本人の米のような、どんなおかずとも一緒に食べる「ごはん」的地位をジャガイモが築いているわけではなく、どちらかというと肉(ソーセージなど)のつけあわせという感じがします。マクロビ的にいっても、暖かくないドイツで陰性なジャガイモをよく食べるというのは肉とのバランスをとるためなのかもしれません。

アメリカの友人はジョークで「マクドナルドのハンバーガーが主食だ」と言っていました。アメリカの場合は国としての歴史が浅いので、ネイティブアメリカンの人たちを除いては民族としての食生活が確立していない印象があります。

他にもパンやシリアル、はては肉など、欧米人の主食かなと思えるものはいろいろあるのですが、どうやら下の参考ページにもある通り、日本人のイメージする主食に相当するものは欧米にはないと考えるのが妥当なようです。「ごはん」的地位を確立している食品はないのです。

そう考えると、前回書いた穀物リストのように、主食となりうる穀物がたくさん並ぶのもわかるような気がします。日本人なら玄米を常用して時々パンや麺類を食べればすむ話ですが、欧米ではリストの穀物の中からいろいろ組合わせて食べればよいということなのでしょう。そうしながら意識して穀物中心の食生活にしていくということで。

穀物リストについては、alproさんから「結構普通に毎日変化をつけて食べられるものが多い」というコメントをいただきました。そうやって変化をつけながら穀物を摂るのが欧米でのマクロビ実践の1つのやり方なのかもしれません。

[参考ページ]
世界の国々の主食はどんなものですか? (総合食料局)

海外の身土不二(2) 全粒穀物

2005-04-26 | グローバルマクロビ
欧米でマクロビオティックを指導する際にどういう食べ物が勧められているのかを知るため、Kushi InstituteのWebサイトにある以下の資料を読んでみました。

Macrobiotic Dietary Recommendations (Macrobiotic Dietのページ)
[PDFファイルなので、読むにはAcrobat Reader(無料)が必要]

同名の小冊子から作られたファイルです。ここでいうDietとかDietaryというのは日本語の「ダイエット」とは違い、日常の食事のことを指します。

日本で読まれているマクロビ解説本同様、陰陽(yin and yang)の話や、「宇宙の秩序 7つの原則」「12定理」などの解説(日本語での解説は久司ヘルスメニューのページにあり)のあと、具体的にどういうものを食べるとよいかが書いてあります。

まず主食。食べる全体量の半分以上を全粒(未精製)の穀物にせよと言っています。

・常用するもの
短粒玄米, 中粒玄米, キビ/アワ/ヒエ, 大麦, 丸麦, 蕎麦, トウモロコシ, ライ麦, 小麦, オート麦

・時々摂るもの
玄米もち, 長粒玄米, 麺類(全粒小麦, うどん, そば, そうめん, キノア, 米, スペルト小麦), 全粒小麦またはライ麦のパン(非イースト), 砕いた小麦, ブルガー(小麦の外皮を取り除いた粒を蒸し、砕いて乾燥したもの), クスクス, つぶしたオート麦, ひき割トウモロコシ, コーンミール, ポレンタ(トウモロコシの粉), アマランサス, キノア, ライ麦フレーク, スペルト小麦

無理やり日本語に訳して並べてみたのでわかりにくいかもしれませんが、これだけのものが挙げられています。全て全粒で摂ります。ちなみに短粒(玄)米というのは日本の米のような粒の短いもの、長粒米はタイ米など長い粒のもの。その中間の中粒米はカリフォルニアなどで作られています。玄米のうち長粒だけが「時々」の方に入れられているのは、暑い地域でとれる米なので暑くない欧米で食べるのには向かないということなんでしょうか。

いずれにせよ、「常用するもの」だけでも結構な種類の穀物がありますから、別に玄米でなくてもいいということなんでしょうね。これらの中から毎日しっかり穀物を食べろということになります。

また、「粉食品よりも穀物の粒を調理したものの方が栄養としてより完全なので望ましい」とありました。実際、パンや麺類、くだいた穀物は「時々」の方に入れられています。栄養としてどう違うのかよくわからないのですが、マクロビでは粉ものは概して陰性であり、穀物を炊いたものはより中庸に近い(あるいはやや陽性)ため好まれるということだと思います。

さて、主食だけでこれだけのことを指示されているわけですが、これらを守るとすると欧米人の食生活にどういう影響があるのでしょうか。

海外の身土不二(1) 玄米と味噌汁?

2005-04-20 | グローバルマクロビ
マクロビオティックは日本人(桜沢如一氏)が始めたものですが、最初は主に海外で普及していきました。現在でも久司道夫氏をはじめ、海外で普及・指導をされている人は大勢おられます。

マクロビ本などでそういう活動について書かれているものを読むと、欧米の人たちが玄米や味噌汁、ひじきなんかを食べながらマクロビを学んだり病気を治したりする様子が伝えられています。海の向こうでも日本食は人々の健康に役立っているんですね。

あれ? ちょっとおかしくないですか? 「身土不二」(人間の体と環境とは切り離せない → その土地でとれる旬のものを食べる)はどこへいったんでしょう。

例えば、「身土不二」と「一物全体(精製していないものを丸ごと食べる)」「穀物を食の中心にすえる」という原則を合わせると、日本では玄米を主食にするのがよいということになります。他のアジア諸国の多くでも同じことが言えるでしょう。それに対し、欧米では米(コメ)は概してメジャーな作物でない(と思うのですが)ので、主食にするのは変な気がします。精製していない小麦粉(全粒粉)を使ったパン(もちろん砂糖・牛乳・卵は使わない)を食べるとかではダメなんでしょうか。そういうパンを食べたことがありますが、固いけどうまく味つけすれば十分いけると思いました。

それに、我々日本人は子供のころからごはんや味噌汁に慣れ親しんでいる(玄米に抵抗のある人はいるにしても)からいいですが、欧米の人に慣れない日本食を食べさせるというのは普及の妨げになるような気がします。それぞれの国の料理でマクロビオティックを実践することはできないのでしょうか。

というわけで、マクロビオティックを指導する際に欧米では具体的にどういう食べ物が勧められているのか、インターネットで調べてみました。

ベジタリアンたち(2)

2004-12-30 | グローバルマクロビ
海外関係の仕事をしていたころ、海外の人と日本で食事や飲み会に行くことがありましたが、ベジタリアンの人たちに食べてもらうものには苦労していました。日本の食べ物に慣れていない上に、肉や魚は避けないといけないのです。

せっかく大阪に来たからというのでお好み焼きを食べに行った時、ベジタリアンの人には肉抜きの豚玉(というかただの「玉」)を頼んだのですが、出てきたお好み焼きを見て彼は困った顔。「魚のようなものが乗っている」というのです。お好み焼きにはかつお節がかかっているということをすっかり忘れていました。そんな時、いつも「そんなややこしいことを言わずにもっといろいろ食べたらいいのに」と思ったものです。そして、いろんなものをいろんな方法でおいしく食べられる日本の食文化の幅広さ、懐の深さを誇らしく思っていました。

先日昼ごはんを食べている時、冷奴の上に乗っているかつお節を無意識のうちに取り除いている自分に気づいて苦笑いしてしまいました。マクロビを始めて、少なくとも表面上は彼らと同じことをしているのです。

でも、日本の食文化のことはやはり誇りに思うのです。幅広さだけではなく、体によい食の体系を作ってきたことに対してです。他の国の料理のよいところは採り入れるとしても、独自のよいところは守っていかなければなりません。

多分これが今年最後の更新です。みなさんよいお年を。

ベジタリアンたち(1)

2004-12-17 | グローバルマクロビ
「最近動物性たんぱく質を摂らないようにしてるので、肉も魚も乳製品もほとんど食べてないんです」と言うと「えー、ベジタリアンになったの?」と言われることがあります。マクロビとベジタリアン、なんか違う。でもまあ、何を食べるかということだけをとっていえばベジタリアンということになるのでしょう。一方、マクロビ実践者を指す「マクロビアン」という言葉もあるようです。日本での造語なんでしょうか? ちゃんと言うなら「マクロビオティシャン」になるような気がしますが。

以前に海外関係の仕事をしていたことがあり、特にイギリスやドイツの人たちと話す機会が多かったのですが、彼らの中にはベジタリアンが何人かいました。ベジタリアンになるのにはいろんな動機があり、私がこれまで聞いたのは以下の4種類です。

(1) 宗教上の理由
(2) 健康のため
(3) 肉がきらい
(4) ベジタリアンはカッコいい

おおよそこの順に厳格だと言えるでしょう。(1)は宗教・宗派によって食べてはいけないもの(肉や魚だけでなく卵もダメとか)が違うようです。(2)の中にはマクロビを実践している人もいるのかもしれません。(4)は一部に若者の風潮としてあると聞きました。

調べてみたら、ベジタリアンには以下のような分類がありました。

ベジタリアンとは? (日本ベジタリアン協会)

マクロビと同じように卵や乳製品を食べない人は「ビーガン(Vegan)」と呼ばれるようです。ただしマクロビでは動物製品を身につけることまでは禁じていませんから、このページに載っている用語の中ではダイエタリー・ビーガン(Dietary Vegan)にあたるのでしょうか。dietary(ダイエットの)というのは気に入りませんが。

近代ベジタリアン運動はイギリスで始まったようですから、イギリスの人たちにベジタリアンが結構いるのもうなずけます。

しかし上記のページ、マクロビのマの字も出てきませんね。「ベジタリアンの有名人」として載っているマドンナやマイケル・ジャクソンはマクロビ実践者のはずですが。