理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

「食べもので病気は治せる」

2005-06-27 | 本の感想
・食べもので病気は治せる―桜沢・大森の正食医学理論 (石田英湾) 新泉社

私が最初に読んだマクロビオティック関係の本です。マクロビ四天王の1人である大森英桜氏の正食医学を中心に、マクロビオティックの歴史や陰陽などの基本、現代医学との違い、正食のあり方などについて書かれています。

正直言って、かなり読みにくい本でした。いきなり「宇宙の秩序」を説かれても理解(というか実感をもつこと)が難しいし、同じようなことを何度も読まされる上に文章もうまくありません。特に、正食医学の概要を述べているI~III章の内容はもっと簡潔にすませてほしかった。IV章以降の玄米正食や陰陽についてももう少し系統立てて説明してくれるとよかったのですが。どうも大森氏の活動についてはわかりやすく書かれた本があまりないようで、残念なことです。

とはいえ、食事療法というものの存在やマクロビオティックの考え方の基本の基本のようなものはこの本で理解でき、そんなに効果のあるものならもっといろいろ調べてみようという気になったのでした。その後読んだ本にはもっとわかりやすいものもありましたので、ここでおいおい紹介していこうと思います。

マクロビでダイエット(3) ルール設定

2005-06-26 | 一病息災
~ 2004年夏 ~

突然ですが、「上昇宮」というのを御存じでしょうか。普段星占いに使われる星座は太陽星座(生まれた時に太陽の方向にあった星座)ですが、それとは別に、生まれた時に東の空から昇ってきていた星座を上昇宮といいます。私は太陽星座がうお座で上昇宮がおひつじ座。で、上昇宮がおひつじ座の人は「自分で規則を作ってそれを守ることを好む」そうです。星占いは信じない方ですが、これには変にピンポイントを突かれた気がして「なるほど当たってる」とうなってしまいました。規則を「自分で作る」ところがミソで、他人の決めた規則では今ひとつやる気が起こりません。

というわけで、玄米菜食にチャレンジするにあたってまずは自分でルールを決めました。

・間食しない。たまに果物を食べるぐらい
・飲み物は水・茶・ブラックコーヒー・ストレート紅茶・牛乳のみ
  (アルコールはもともと飲めない)
・普段の食事では米はなるべく玄米にし、肉・魚・乳製品を極力避ける
  - 家では玄米を炊いて野菜中心のおかず
  - 会社での昼食(社員食堂)は玄米(幸いメニューにあった)とサラダや野菜や豆腐の小鉢
  - 出張時などの外食はなるべく野菜のおかず(玄米はまずないので白米で)
・よく噛むようにする。玄米と白米は100回が目標
・なるべく満腹の手前で止めるようにする
  (満腹になると胃がもたれるようになっていたのでその防止も兼ねて)
・飲み会やイベントの時は肉やお菓子も食べる。ただしよく噛むことは励行

家の炊飯器は玄米コースのあるものに買い換えました。家族には自分が玄米菜食をやることを宣言しましたが、妻は私が続けられると思っていないことは明らかでしたので、しばらくは週末に自分でおかず(きんぴら、ひじきれんこんなど、マクロビレシピ本に載っている基本的なもの)を作っておいて平日の夜はそれを食べることにしました。そうしているうちに家族も野菜中心の食事に移ってくれたのはうれしいことです。

マクロビオティックを勉強したりいろいろ調べたりしていくうちに、牛乳は体によくなさそうなことがわかったのでやめたり、玄米のレトルトを持ち歩いてなるべく白米は食べないようにしたり、野菜サラダを控えてできるだけ煮炊きした野菜を食べるようにしたり、月に1度の邪食の日を設けたりと、ルールにはいろいろと修正を加えています。

体重の方は、出張時以外は体脂肪計つきの体重計で毎日計ることにしました。2004年8月1日の90.5kg、体脂肪率29.5%というのがピーク。これを人生最大体重にしたいと思っています。

タバコをやめた時からの類推で、肉をやめたら食べたくてしょうがなくなるのかなと思っていたのですが、そういうことがほとんどなかったのはうれしい誤算でした。とにもかくにも自分でルールを設定したからか、ほぼ玄米菜食を続けることができました。すると体重はみるみるうちに減っていったのでした。

「いまの食生活では早死にする」

2005-06-12 | 本の感想
・アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート いまの食生活では早死にする―自分の健康を守るための指針 (今村光一 抄訳・編) リュウブックス

ジョージ・マクガバン議員を委員長とするアメリカ上院栄養問題特別委員会が1977年にまとめた食生活の現状に関する報告書、通称「マクガバン・レポート」を元に、欧米だけでなく日本の食生活についても考察し警告を発する本の改訂最新版です。マクガバン・レポートについてはマクロビ本でよく引き合いに出されるので、どんな内容なのか知りたいと思っていました。

この本が紹介されていたけろさんのブログでのコメントのやりとりで「男性向きの本だ」という話がありましたが、まさにその通りだと思います。あくまで調査結果と現代医学・栄養学の研究成果を元にしていますが、主張していることは「未精製穀物を中心に」「砂糖を減らす」「動物性食品を減らす」など、マクロビオティックとかなり共通しています。引き合いに出される理由がよくわかりました。

この本で挙げられている現代食生活の問題の中では、カロリー源の問題(動物性・砂糖の過剰)にも増してビタミン・ミネラルの不足が克服困難に感じられました。多種類のビタミンやミネラルのうちいずれが不足しても健康に悪影響があるという性質がある(この本では「生命の鎖」という言葉で表現)上に、化学肥料や農薬によって食品中の含有量が減ってきているからです。

マクガバン・レポートに出てこない(と思われる)ものも含めた様々な研究結果についても紹介されています。その中で興味深かったものをいくつか拾ってみます。

・アメリカに移住した人たちは、世代を経ると各ガン(大腸ガン、胃ガン、乳ガンなど)の発生比率がアメリカ人に似てくる
・脂肪を多く摂ると、腸内細菌のうちデオキシコール酸という発ガン性物質を生成する細菌が増える(→ 欧米人のように大腸ガンが増えると考えられる)
・脂肪は肥満の原因となるだけでなくインスリンの働きを直接阻害する性質があり、摂り過ぎると糖尿病の原因となる。逆にでんぷん質にはインスリンの効率を高める性質がある
・20世紀初頭のアメリカ人は今よりもカロリー摂取量が多かったが、肥満などという問題はなかった。今は食事のバランスが悪く、エネルギー代謝効率が低下している(同時に、カロリーだけを指標にしてもダメということを表していると思います)
・マクガバン・レポートによると、アメリカ人の摂取カロリーの24%は砂糖。また北欧三国ではカロリーの60%を脂肪と砂糖で摂っている。20世紀初頭には30%以下だった

食生活について、情緒的・思想的でないものを読みたい人にはオススメの本です。

マクロビでダイエット(2) 転機

2005-06-11 | 一病息災
更新間隔が空いてしまいました。PCが立ち上がらなくなってしまい、てんてこまいだったのでした。まだ完全には復旧していないのですが一段落です。みなさん、重要なファイルは別のところにこまめにコピーしておきましょう。

~ 2004年夏 ~

横浜での2年間の単身赴任を終えて大阪に帰ってきました。仕事の環境もほぼ元に戻り、楽になりました。まあ毎晩9時10時にはなりますが、その前に比べると天国です。

ところがしばらくすると体調が非常に悪くなりました。体はだるいし胃も前にも増して痛い。肉体的にも精神的にも2年間の疲れがドッと出た感じです。今思えば、楽になった体が悪いところを修復しようともがいていたのかもしれません。とにかく、なんとか体調を整えないといけないなと思っていました。それと同時にここらで体重を減らさないといけないなとも。

そんな時、十数年前からの友人と久しぶりに会う機会がありました。彼は私を見るなり
「太ったな」
失礼な奴ですが、対照的に彼は以前よりかなりやせていました。聞けば、玄米食にして肉や魚をほとんど食べていず、単身赴任なのに昼食は弁当を作っているとのこと。彼とは昔よく焼肉を食べに行ったものでしたが、そんな生活をしているとは。
それがブログ「マクロビという考え方」を書いているなかなか氏でした。

私も肉食中心の食生活を変えないといけないとはずっと感じていましたが、劇的に変えることができるとはとても思えなかったのです。しかしこの話を聞いて急に現実味を帯びて感じられました。実行できればともかく体重は減らせそうです。もう1つの懸案である胃痛に対してはどれくらい有効かわかりませんでしたが、とりあえず玄米+菜食にチャレンジしようかなと思ったのでした。この時はマクロビオティックというもののことは全く知りませんでした。