理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

胃痛とつきあう(12) 元を断つ

2006-04-02 | 一病息災
~ 2005年春 ~

前に薬の副作用の話を書きましたが、胃の薬を飲むのをやめたのを契機に、そもそも慢性的な胃痛はなぜ起こるのかを考えてみました。

一般に、胃が痛いというと決まって「ストレスをためないようにしましょう」と言われます。確かに悩み事が多かったりしてストレスがたまると胃が痛くなることは多いものです。ストレスが元になって胃痛を発生させるプロセスというのは、以下のような順序で働くと考えられます。

(1) ストレスがたまる
(2) ???
(3) 胃の粘膜の働きや胃酸の分泌がおかしくなる
(4) 胃酸が胃壁を荒らす
(5) 胃が痛くなる

実際には胃壁が荒れていなくても胃痛を感じることはあるので、このパターンだけではないのですが、典型的な例としてはこんな感じです。

さてこの中の(2)。「ストレスがたまる」と「胃の粘膜の...」を埋めるところ、つまりストレスがたまるとなぜ胃の働きがおかしくなるのかがよくわからないのですが、西洋医学でも東洋医学でもいろんな解釈があり、「自律神経のバランスが悪くなる」「肝臓や腎臓の働きが悪くなる」「血が汚れてそれが胃の周囲を流れる」など、いろんなことが言われているようです。

胃痛を防止するために大事なのは、プロセスの中のなるべく前の方の原因をなくす、つまり「元を断つ」ことだと思います。後の方になるほど場当たり的でデメリットの方が大きくなります。

胃痛で内科にかかっていた頃によく処方されていた薬は「胃酸分泌を抑える薬」「胃壁を保護する薬」の2種類でした。これらはそれぞれ(3)(4)に作用するもので、そういう薬をいくら飲んでも(1)(2)はなくなりませんし、薬によってかえって肝臓に負担がかかったりして(2)の悪化を招く可能性もあります。そして、1度処方されたことのある胃の鎮痛剤は(5)だけを防ぐもの。全く解決にならず、害だけが残ることになります。

「元を断つ」ためには(1)をなくせれば一番いいのですが、普通に仕事をしたり人とつきあったりしている限りはストレスをなくすことは不可能です。気分転換をしたりしてストレスを軽減することは重要ですが、基本的にはストレスとうまくつきあう方法を考えることが大事です。

とすると、現実的には(2)をなくすことに努めるのがいいということになります。(2)の正体がよくわからないものの、要は「ストレスに強い体をつくる」ということなので、食生活をきちんとすることは重要なポイントです。薬を使い続けることは逆に(2)の解消を妨げることになります。

薬をやめて食生活を変えて、正体のわからない(2)が解消されてきているのかどうかよくわからないのですが、この路線を続けてみようと思います。

胃痛とつきあう(11) 副作用

2006-01-15 | 一病息災
~ 2004年末 ~

2004年夏にマクロビオティックを知ってからも、十二指腸潰瘍再発防止と胃痛抑制のための薬を毎日飲んでいたのですが、「胃痛とつきあう(8) NUD」で書いた通り、いずれ薬はやめないといけないなと思うようになりました。

そう思った動機の1つは、医者の言う「薬の副作用」というものについて自分が誤解していたことに気づいたことです。最初に潰瘍防止の薬を出される時に、私がかかっていた医院の先生からは「この薬には副作用は特にないから、継続して飲んだ方がよい」と言われ、その通りに飲んでいました。しかしよく考えると、副作用というのにも以下の2つの種類があると思われます。

(a) 薬を飲んだその時に出る不快な症状(眠くなる、のどが渇く、じんましんが出るなど)
(b) 薬を飲み続けることによる体に対する悪影響(病気にかかりやすくなる、治りにくくなるなど)

(a)が急性の副作用、(b)が慢性の副作用という言い方もできるかもしれません。

私は一般に「薬の副作用」といえば(a)(b)の両方を含むと思っていたのですが、どうも上記の先生の言う「副作用はない」というのは(a)の方のみを指しているように思います。ここに誤解というか考え方の違いがありました。

以前「何を食べないのか」で、体に悪いものの分類を書いたのですが、その中では薬はレベル(1)の「化学物質」に入ります。症状を和らげる力があるとはいっても、食べ物ではなくて体にとってはあくまで異物です。そういうものをずっと飲み続けていれば肝臓などに負担がかかって体に何らかの悪影響があるはずで、そちらの副作用の方をこそ重くみて、それでも薬を服用すべきかを判断すべきだと思います。

私の場合は、胃痛が少し軽くなったころを見計らって薬をやめてみることにしました。一昨年の12月のことです。やめる前に比べて痛くなることが少し多くなった気がしましたが、ガマンできないほどではなかったので再開せずにすみました。それから1年あまり、痛い時には梅醤番茶を飲むとか、空腹が原因だと思う時には何か軽いものを食べるとかしてしのいでいます。

昨年9月に「胃痛とつきあう(9) X線検査と胃カメラ」で書いた定期健診のための胃カメラ検査をしてもらいに上記の医院に言った時、「まだ時々痛むことがあります」という話をしたら「薬をやめてしまったのがよくないですね」と言われてしまいました。医者の判断としてはそういうことになるのでしょうけど、来年からは胃カメラ検査も別のところで受けようと思います。

胃痛とつきあう(10) X線検査と胃カメラ 追記

2005-09-27 | 一病息災
前回の記事で胃のX線検査(いわゆるバリウム検査)と内視鏡検査(胃カメラ)について書いたところ、関連する内容を同じ日のNHK「ためしてガッテン」でやっていたという情報をいただきました。書いたその日にテレビで放映されていたとは... 幸い再放送がありましたので、しっかり見ました。minminさんありがとうございました。

テーマは「最新がん徹底予防術! 胃がん大研究」。検診・予防・治療の3つの観点から胃ガン研究の最新状況を伝えるというものです。大変勉強になりました。このうち検診についてはX線検査と内視鏡検査の比較が中心でした。

・X線検査は胃の形状と陰影だけで判断するので、胃壁に生じている小さな異常まではわからない → 早期ガンの発見が苦手
・内視鏡検査だと胃内部の状態を直接見ることができるが、胃壁表面に出ていない(胃壁の中にできている)ガンを発見できないことがある → スキルス胃ガンの発見が苦手

とのことです。前回、「X線検査でないとわからないこともあるのではないかと思っていた」ということを書きましたが、あながち素人考えでもなかったようです。それと内視鏡検査の場合、カメラを上から入れる関係で胃の入口付近の検査が不十分になりがちだとか。言いにくくても事前に医師に「入口や上の方も見てください」と頼んだ方がいいかもしれません。

どちらにも長所・短所があるわけですが、毎年両方受けるのはちょっとやりすぎなので、私はやはり内視鏡検査だけを受けるようにしようと思います。番組でも「毎年1回どちらかを受け、異常を感じたらすぐに両方受ける」のを勧めていました。

ところで、番組中の内視鏡検査の紹介では、国立がんセンターのセンター長の先生が自ら検査を受けて胃の中を映していました。この先生、番組撮影のためにわざわざ絶食して胃カメラを飲んだんですよね。仕事とはいえ御苦労さまです。

胃ガンの予防や治療の話も興味深いものでした。治療に関しては最近の抗ガン剤治療の進歩を強調していましたが、自然治癒力を阻害するものであることは事実でしょう。いざガンになったときに摘出手術+抗ガン剤という治療を選ぶのか、これらを使わずに他の方法(食事療法+手当て法など)で治療するのがいいのかは難しい問題です。今のところ私にはどちらに対しても確固たる信念を持って支持することはできません。

胃痛とつきあう(9) X線検査と胃カメラ

2005-09-21 | 一病息災
マクロビという考え方」の「バリウムと個人情報保護法」で、会社の健康診断の胃部X線検査(バリウムを飲むやつ)を辞退する話がありました。今年から個人情報保護法の関係で辞退しやすくなったとのこと。

これを受けて、ブログ「himazu memo」の「バリウムを飲んでの胃のX線検査をするか否か」で、胃部X線検査の有効性について考察されています。それによると、一応の有効性はある(検査した方が長生きできる可能性が一応高い)と思われるものの、ガンの見落としの確率も高く(10~40%)、内視鏡(胃カメラ)検査に移行すべきであるという見方が強いようです。

私も胃部X線検査を受けたことがありますが、あまり気持ちのよいものではありません。「マクロビという考え方」で書かれているような腸内環境のダメージがあるのかどうかまではわかりませんが、X線の被爆は心配です。

Webで調べてみると、よくある胸部X線検査と比較した胃部X線検査の被爆量は「10数倍」と書いてあるものから「150~300倍にも達する」とあるものまでいろいろ。いずれにしても相当強い放射線を浴びることは間違いありません。少なくとも普通に生活していて1年間に浴びる放射線(大地や宇宙線などから)よりかなり多い量です。それでも検査で病気が発見されるメリットの方が大きいということにはなっているわけですが。

私は、「ひょっとして、胃カメラで中から見るだけではわからないがX線で外から胃の形を見るとわかることもあるのではないか」と思っていたのですが、これは多分素人考えで、実質的には胃カメラで検査していればX線検査の必要はないようです。また胃カメラ検査での穿孔発生(穴が空いてしまう)や感染の危険性は十分小さいと思われます。

これらのことから、できるだけX線検査はやめて胃カメラの方で検査してもらうようにしようと思います。幸か不幸か、私は十二指腸潰瘍をやってから胃カメラは10回ほど飲んでいて慣れたものですので、今年から会社の健康診断の前に胃カメラ検査を受けておいてX線検査は断るつもりです。私のところでも個人情報保護法がらみで断りやすくなっていることを期待。胃カメラは通常の健康診断コースからはずれるので費用の問題は発生しますが。

健康診断については、以下のような最近の記事もあります。

労働安全衛生法,老人保健法,健康保険法などの健康診断は有効でない項目が多い / 厚生労働省研究班まとめ

胃部X線については触れられていませんが、健康診断の有効性について疑問が投げかけられています。特にデメリット(感染の危険性・被爆など)のある検査については、本当に受診すべきかどうかよく考えてみた方がいいかもしれません。

胃痛とつきあう(8) NUD

2005-08-12 | 一病息災
~ 2004年夏 ~

この年の春に横浜での単身生活が解けて大阪へ帰り、仕事の方は楽になったのですが、胃の不快感や痛みは続いていました。

夏に恒例の胃カメラ検査を受けました。通算10回目、もう慣れたものです。結果はその前の年と同じで、十二指腸潰瘍の再発はなく、胃の中もきれいでした。それなのになぜいつまでも痛むのか?

この時はすでにマクロビオティックの存在を知り、食生活を変えることで胃の方も根本的に治さないといけないのではないかと思っていたので、検査の結果を聞いた時に医者の先生に「結局、どうすれば治るんでしょう?」と尋ねてみました。

開口一番「うーん、決め手がないんですよね」。その後の話を要約すると、

・この症状はNUD(Non-Ulcer Dyspepsia: 非潰瘍性消化不良)と言われるものである
・原因はストレスだと考えられるが、じゃあストレスをなくすために仕事をやめましょうかというわけにもいかないから、決め手がない
・当面は胃酸を抑える薬を飲みながら様子を見るしかない

とのことでした。

下の参考ページの解説に照らすと、私の場合は主として「潰瘍症状型」(潰瘍がなくても空腹時痛や胸焼けなど潰瘍症状を訴えるタイプ)で少し「運動不全型」(いつまでも胃の中に食物が残っている感じがするタイプ)も入ったNUDということになりそうです。対策としては「ストレスを避ける」「食生活を改善」そして「胃酸分泌抑制剤、粘膜保護剤を飲む」となるわけで、実際そういう薬を毎日飲んでいました。

でも、これでは出口が見えません。先生も言われた通り、普通に仕事をして生活している限りストレスをなくすことは不可能ですから、「原因はストレス」と言われた瞬間に打つ手がなくなってしまいます。食生活を改善するといっても具体的にどうすればいいのかは教えてくれません。その状況で薬だけ漫然と飲み続けるのでは治りそうにありません。

というわけで、いずれは薬をやめて、食事療法などの別の方法でちゃんと治さないといけないなと思ったのでした。

[参考ページ]
NUDと慢性胃炎 (港町内科皮膚科)

マクロビでダイエット(3) ルール設定

2005-06-26 | 一病息災
~ 2004年夏 ~

突然ですが、「上昇宮」というのを御存じでしょうか。普段星占いに使われる星座は太陽星座(生まれた時に太陽の方向にあった星座)ですが、それとは別に、生まれた時に東の空から昇ってきていた星座を上昇宮といいます。私は太陽星座がうお座で上昇宮がおひつじ座。で、上昇宮がおひつじ座の人は「自分で規則を作ってそれを守ることを好む」そうです。星占いは信じない方ですが、これには変にピンポイントを突かれた気がして「なるほど当たってる」とうなってしまいました。規則を「自分で作る」ところがミソで、他人の決めた規則では今ひとつやる気が起こりません。

というわけで、玄米菜食にチャレンジするにあたってまずは自分でルールを決めました。

・間食しない。たまに果物を食べるぐらい
・飲み物は水・茶・ブラックコーヒー・ストレート紅茶・牛乳のみ
  (アルコールはもともと飲めない)
・普段の食事では米はなるべく玄米にし、肉・魚・乳製品を極力避ける
  - 家では玄米を炊いて野菜中心のおかず
  - 会社での昼食(社員食堂)は玄米(幸いメニューにあった)とサラダや野菜や豆腐の小鉢
  - 出張時などの外食はなるべく野菜のおかず(玄米はまずないので白米で)
・よく噛むようにする。玄米と白米は100回が目標
・なるべく満腹の手前で止めるようにする
  (満腹になると胃がもたれるようになっていたのでその防止も兼ねて)
・飲み会やイベントの時は肉やお菓子も食べる。ただしよく噛むことは励行

家の炊飯器は玄米コースのあるものに買い換えました。家族には自分が玄米菜食をやることを宣言しましたが、妻は私が続けられると思っていないことは明らかでしたので、しばらくは週末に自分でおかず(きんぴら、ひじきれんこんなど、マクロビレシピ本に載っている基本的なもの)を作っておいて平日の夜はそれを食べることにしました。そうしているうちに家族も野菜中心の食事に移ってくれたのはうれしいことです。

マクロビオティックを勉強したりいろいろ調べたりしていくうちに、牛乳は体によくなさそうなことがわかったのでやめたり、玄米のレトルトを持ち歩いてなるべく白米は食べないようにしたり、野菜サラダを控えてできるだけ煮炊きした野菜を食べるようにしたり、月に1度の邪食の日を設けたりと、ルールにはいろいろと修正を加えています。

体重の方は、出張時以外は体脂肪計つきの体重計で毎日計ることにしました。2004年8月1日の90.5kg、体脂肪率29.5%というのがピーク。これを人生最大体重にしたいと思っています。

タバコをやめた時からの類推で、肉をやめたら食べたくてしょうがなくなるのかなと思っていたのですが、そういうことがほとんどなかったのはうれしい誤算でした。とにもかくにも自分でルールを設定したからか、ほぼ玄米菜食を続けることができました。すると体重はみるみるうちに減っていったのでした。

マクロビでダイエット(2) 転機

2005-06-11 | 一病息災
更新間隔が空いてしまいました。PCが立ち上がらなくなってしまい、てんてこまいだったのでした。まだ完全には復旧していないのですが一段落です。みなさん、重要なファイルは別のところにこまめにコピーしておきましょう。

~ 2004年夏 ~

横浜での2年間の単身赴任を終えて大阪に帰ってきました。仕事の環境もほぼ元に戻り、楽になりました。まあ毎晩9時10時にはなりますが、その前に比べると天国です。

ところがしばらくすると体調が非常に悪くなりました。体はだるいし胃も前にも増して痛い。肉体的にも精神的にも2年間の疲れがドッと出た感じです。今思えば、楽になった体が悪いところを修復しようともがいていたのかもしれません。とにかく、なんとか体調を整えないといけないなと思っていました。それと同時にここらで体重を減らさないといけないなとも。

そんな時、十数年前からの友人と久しぶりに会う機会がありました。彼は私を見るなり
「太ったな」
失礼な奴ですが、対照的に彼は以前よりかなりやせていました。聞けば、玄米食にして肉や魚をほとんど食べていず、単身赴任なのに昼食は弁当を作っているとのこと。彼とは昔よく焼肉を食べに行ったものでしたが、そんな生活をしているとは。
それがブログ「マクロビという考え方」を書いているなかなか氏でした。

私も肉食中心の食生活を変えないといけないとはずっと感じていましたが、劇的に変えることができるとはとても思えなかったのです。しかしこの話を聞いて急に現実味を帯びて感じられました。実行できればともかく体重は減らせそうです。もう1つの懸案である胃痛に対してはどれくらい有効かわかりませんでしたが、とりあえず玄米+菜食にチャレンジしようかなと思ったのでした。この時はマクロビオティックというもののことは全く知りませんでした。

胃痛とつきあう(7) 鎮痛剤

2005-05-21 | 一病息災
~ 2003年 ~

ピロリ菌の除菌を行った後、しばらく薬を飲むのをさぼっているとまた胃が痛みだしました。再検査しましたがピロリ菌はいません。毎年行っている胃カメラ検査でも胃の中はきれいなまま。

そこで、いつもよりきつい胃の薬を処方されました。痛みは少しましになりましたが、副作用のリスクが高いのか、一定期間(確か4週間)しか飲んではいけないことになっているとのこと。元の薬に戻しているとまたよく痛むようになってきます。医者に言うと

「うーん... じゃ、鎮痛剤を出しましょう」

消炎鎮痛剤の飲み薬で胃痛を抑えましょうということです。これには「やばい」と思いました。

それまで飲んでいたのは胃酸の分泌を抑える薬と胃の粘膜を保護する薬、つまり胃酸が粘膜を荒らすのを防いで胃が悪くならないようにする薬ですが、鎮痛剤というのは胃が悪くなった時の痛みを感じなくする薬です。例えばケガをした時なら、治ってきているかどうかは鎮痛剤で痛みが抑えられていても目で見てわかりますが、胃のように痛みや不快感でしか状態を観察できないところに使うと自分で状態がわからなくなり、対処ができなくなってしまいます。

それでもこの時はとにかく痛みをやわらげたかったので、短い期間でしたが鎮痛剤を飲みました。痛みがそれほど劇的には軽くならなかったところをみると、さすがにあまりきつい薬ではなかったのかもしれません。

調べてみると、消炎鎮痛剤は胃粘膜保護の働きを阻害するため、胃が荒れる原因となるようです(下記ページ参照)。状態がわからなくなるばかりか、状態を悪くする方向にも働くことになります。鎮痛剤を飲むというのは危ない選択でした。

[参考ページ]
消炎鎮痛剤と胃薬 (American Heart)

胃痛とつきあう(6) ピロリ菌退治

2005-05-12 | 一病息災
~ 2002年秋 ~

減量の話でも書きましたが、3年前に横浜へ単身赴任になりました。この年になっての独り暮らしは楽しくも何ともなく、おまけに仕事は殺人的忙しさで、乱れた食生活とストレスと疲労により胃の調子はますます悪くなってしまいました。痛む腹を押さえながら会議をしていたりすることもしばしば。時々胃痛で会社を休んだりもしていました。

しかし胃カメラで見ると胃の中はきれいで、十二指腸潰瘍の再々発の兆しもなし。ただ、胃壁の組織を採取して分析した結果、ピロリ菌が棲みついていることがわかりました。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は1983年に発見された菌で、まだまだ研究が続いている感じです。強酸性の胃の中でも生きることができ、粘膜に障害を起こして胃・十二指腸潰瘍の原因になるとされています。日本人の感染率は先進国の中では結構高く、私の年代では30~40%といったところです。

「ピロリ菌がいなくなると症状改善や再発リスクの軽減が見込める。副作用の心配はほとんどない」という説明で医者から除菌を勧められ、やることにしました。

3種類の薬(除菌のための抗生物質2種類+胃酸の分泌を抑える薬)を1週間飲みます。途中でやめると耐性を持つピロリ菌ができてしまう危険性があるので、始めたらまじめに飲む必要があります。下痢などの副作用が起こることもあるようですが、私の場合は何もありませんでした。

しばらくして検査してみるとピロリ菌はいなくなっていました。同時に胃の調子もかなりよくなり、しばらくは痛くなることがあまりありませんでした。粘膜の状態がよくなったのかもしれませんが、「菌がいなくなった」という安心感からくる精神的な影響も考えられます。

しかしそれで油断して薬(潰瘍再発防止のために処方)を飲むのをさぼっていたら、また調子が悪くなってきました。ピロリ菌を殺しただけでは胃痛は治らないのです。

[参考ページ]
胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌 (武田薬品)

マクロビでダイエット(1) 肥満への道

2005-05-05 | 一病息災
マクロビを始めたきっかけにつながる話として、「胃痛とつきあう」シリーズと並行して減量の話を書きます。

私の身長は181cmで、この高さになった高校時代は体重69kgでしたが、大学から社会人、そして所帯持ち・子持ちへと進むに従って徐々に増加。途中思い立ってダイエットを敢行してかなり減らしたこともありましたがそのあとはまた増え、ついには90kgの大台に乗ってしまいました。

昨年の夏にマクロビを始めてから減量を目標の1つとして設定し、かなりハイペースで減らすことができました。半年で90kgから71kgへ。20年前の体重に戻りました。食事を変えるだけでこんなに早く減るとは思いませんでした。今は70~71kgで大体安定しています。

「苦労が多いからやせたんですか?」と半分冗談で聞かれることがあるのですが、私の場合は逆で、忙しかったり悩みが多かったりする時に太る傾向があります。そういう人の方が多いんじゃないでしょうか。「ストレス太り」の一言で片づけることもできますが、具体的には

・生活が不規則になって食事も不規則になる
・食事を節制する心の余裕がなく、「食べることだけが楽しみ」になりがち
・いつも疲れているから体を動かさない

というようなことが原因です。

大幅に太ったのは3年前からの横浜への単身赴任の時でした。独り暮らしで食生活が乱れがちな上に殺人的忙しさで、夜中の2時3時まで仕事をするのは当たり前。当時の典型的な食事の内容は

・朝食: 菓子パン2個に野菜ジュース(飲むものだけは少し健康的にしているつもりだった)
・昼食・夕食は社員食堂、忙しい時はコンビニ弁当も。いずれにしてもおかずは必ず肉
  (魚はほとんど食べず。牛・豚よりなるべく鶏肉にして、少しは健康に気を遣っているつもりだった)

おまけに以前書いた空腹時の胃部不快感のせいで間食もしばしば。夜中に空腹に耐えかねてパンやお菓子を食べることもよくありました。これで全然運動をしないのですから太るのは当然。きちんと体重を測っていなかったので正確なところはわからないのですが、横浜にいる間におそらく7~8kgは太ったと思います。こうなると、

・走ると胸が揺れる(男なのに...)
・腹の肉がじゃまで靴下が履きにくい(「おれは相撲取りか?」と自分でツッコミを入れる)
・ズボンが次々と入らなくなる(特に1着しかない礼服が入らなくてあせった)

などということもでてきてかなり情けなかったし、妻からもダイエットするようにうるさく言われていたのですが、やはり余裕がなく、苦労して節制をする気にはなれませんでした。

そんな時、2年間の横浜勤務が解けて大阪に戻ってくることになりました。