理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

玄米中毒

2005-01-28 | 食材・料理
胃カメラ検査
「えーと、ごはんは食べないで来てくれましたね?」
「はい、パンにしました」

この笑い話のように「ごはん」という言葉が「食事」「米」両方の意味になるのは、日本人の米に対する愛着を表しています。欧米の人たちと話していると、彼らにとってのパン(あるいはじゃがいもやとうもろこし)に比べて日本人にとっての米はより特別な意味を持っているように感じます。

goo IDのrice-addict(米中毒)の通り、私も子供のころから米が大好きでした。この場合の「米」はもちろん白米で、いつも「世の中に白いごはんほどうまいものはない」と言っていたんですが、ここへきてライバル出現。白くないごはん、玄米です。

玄米の効用はマクロビ本でなくてもいろんなところで説かれていますが、苦手な人も多いようです。私の場合は最初から全く抵抗なし。早食いでガーッといくなら(以前の私はもっぱらこれでした)白米もいいのですが、よく噛んで味わって食べるなら玄米の方が慣れてくるとおいしいように思います。ぬかや胚芽があるせいで、噛んで甘くなってきた時の味に深みがあるような感じがします。おかげで白米と違い、ゴマ塩や鉄火みそをかけた玄米だけで十分朝食になります。「ごはんだけでごはんになる」のです。

家ではいつも炊飯器(玄米コースつき)で炊いています。炊き上がるまで2時間かかるのですが、スイッチを入れたら放っておけるしタイマーでも炊けるのはやはり便利です。土鍋や圧力鍋で炊くとまた違う炊き上がりになるそうなので、一度やってみようと思っています。

どうせならおいしいのを食べたいので、インターネットでよさそうな玄米を調べて10種類以上食べ比べてみました。その中で私も家族もイチオシなのが「生命あふれる田んぼのお米」。ねばりがあって本当にうまいです。無農薬・有機栽培で、田んぼを耕さない「不耕起農法」で育てているそうです。

会社や出張先ではレトルトの「有機玄米ごはん」を食べています。温めなくてもよく噛めば十分食べられます。しかしもちろんちゃんと炊いた玄米には及びません。最近帰りが遅かったり出張が多かったりして家で玄米を食べられることが少ないのが悩みです。携帯ジャーを買って、炊いた玄米を入れて会社に持って行こうか? などと考えています。

邪食の日

2005-01-24 | マクロビを学ぶ
私がマクロビオティック食を始めてから、家族(妻と娘2人)も家では基本的に玄米食にして動物性たんぱく質やお菓子を大幅に減らしています。しかしこれだとやはりストレスがたまるので、たまに息抜きをすることにしました。

マクロビという考え方」でも紹介されてしまいましたが、毎月第3日曜日を「邪食の日」と決めて、夜は肉でもケーキでも好きなものを家族で食べることにしています。

第1回の昨年9月は以前からよく行っていた近所の寿司屋へ。大阪にしては新鮮なネタを出してくれるところで、久しぶりに食べるとうまさはまた格別。

10月は焼肉。もともと好きなので楽しみにしていたのですが、肉を食べていなかった反動もあって食べ過ぎてしまい、あとが苦しかったこと。肉というのは魚より体にこたえるものだということがよくわかりました(よく食べていたころはあまり感じませんでしたが)。特に焼肉は牛肉をそのまま、つけ合わせもほとんどなしで食べるのできついです。これでちょっと懲りて、しばらくは行く気がしません。

11月は近所のサンマルクというレストランへ。ここは焼きたてのパンがお代わり自由です。前は朝食は必ずパンだったのをマクロビを始めてから三食玄米にしているので、たまにはパンを食べようとここにしたのでした。これも反動からか、コース料理のかたわら小さいパンを20個は食べてしまいましたが、肉と違って炭水化物はそれほどこたえませんね。

12月は娘の誕生日やら忘年会やらクリスマスやら年末年始休暇やらあっていろんなものを食べる機会が多いので、邪食の日はお休み。

そして今月。第3日曜日に私が寝込んでしまったため、延期してこの土曜日にしました。長女の提案で回転寿司を食べることに。回転寿司というのは、ちゃんとした(?)寿司屋とまた違うテンポで食べられるので結構好きです(もちろんネタがある程度おいしくないといけませんが)。あっという間に皿の山を築き、デザートにプリンも食べました。

というわけで、月に1回マクロビを外れた食事をするというのが結構楽しみになっています。心がまえとしては、邪食すると決めたからには心おきなく楽しんで食べること、その代わり次の日からはちゃんと元の食事に戻すことが大事だと思います。来月は何にするか今から楽しみに考えておくとします。

薬菜飯店

2005-01-21 | マクロビを学ぶ
筒井康隆氏の作品ばかり読んでいた時期がありました。そのころ電車で遠距離通勤していて、行き帰りはずっと筒井作品を読みふけっていました。

妻にその話をすると1つ読んでみるというので「農協月へ行く」を渡したところ、読んだあと案の定「私これダメ。下品だから」と返されました。「下品だ」と言われたら「その通り」と言うしかありません。こっちはそれが好きで読んでるんですから。

筒井作品の中に「薬菜飯店」という短編小説があります。実は本を実家に置いていたら親に捨てられてしまい(不覚!)、しかも今は絶版になっているようなので内容が確認できないのですが、確か

場末で見つけた中華料理屋「薬菜飯店」。入ってみると、そこは食べるだけで体がよくなる薬膳料理を出す店。「目がよくなる料理」を食べると涙ボロボロ、「鼻に効く料理」で鼻水ドバドバ、視界が開け鼻も通って爽快に。そして...

こんな内容でした。読むだけで気持ちがよくなる話で、こんな料理があったらどんなにいいだろうと思わされました。

マクロビの本を読むと、病気を治したり体調を整えたりするために、しかるべきものを食べることにより体内の不要物を体外に出してしまうという対処法がよく出てきます。悪いものは食べ物を使って排出するというアプローチです。まさに薬菜飯店そのもの。

中国医学ではこれを「寫」というそうです(有岡さん、コメントありがとうございました)。手術で悪いところを摘出するのと違い、あくまで体が本来持つ力を起こさせて排出するところがポイントです。日常生活でも「汗が出たら熱が下がった」「吐いたら楽になった」「便が出たら皮膚のかゆみがおさまった」などはよく経験しますから、ある意味難しい話ではないのかも。

今のところ、例えば第一大根湯でどれだけ肉の脂気が抜けるのか、玄米でどれだけ有害物質が出て行ってくれているのかなどはよくわからないのですか、玄米菜食によりいつかは「薬菜飯店」のような爽快感を実際に自分の体で経験できるのかもしれないと期待しています。

冷える

2005-01-17 | マクロビを学ぶ
年が明けてここ大阪でも寒い日が続いているのですが、それにしても寒すぎると思っていたら、どうやら気温のせいだけではなくてここ数ヶ月の食生活が影響しているようです。

私は典型的な陽性体質で、血行がよくて「冷え性」とはほとんど縁がない方でした。自転車通勤をしていたころ、真冬でも手袋なし(ついでに耳あてもマフラーもなし)で平気だったものです。それが今年は寒い寒い。去年まで真冬でもお茶を必ず冷蔵庫で冷やして飲んでいたのが常温で飲むようになり、量もぐっと減りました。

動物性たんぱく質をここ数ヶ月ほとんど摂っていないせいで、体脂肪が減った上に体が少し陰性方向(というか中庸方向)に傾いているのでしょう。陽性体質の人間は体の内部が弱いことが多いと聞きますが、外側の陽性が少し取れてきたのはまずはよい傾向なのかもしれません。他のマクロビ実践者の方のブログを読んでいると、マクロビを始めてから2~3年は冬が寒く感じるものだそうです。

そういえば昨年11月の健康診断では赤血球濃度が少し下がっていました。これまでずっと「標準」の中の最高値ぎりぎりだったのが少し余裕のある値(それでも普通の人よりかなり高いのですが)になったのです。ちょっとはサラサラ血に変わったのかも。肉を食べないことの効果が現れた感じです。

それはいいのですが、先週ちょっと不規則な生活が続いたら週末に風邪をひき、今日は仕事を休んでしまいました。みなさんも不摂生しないよう、また体を冷やさないよう気をつけましょう。

胃痛とつきあう(3) 空腹時不快感

2005-01-13 | 一病息災
~ 1994年春 ~

十二指腸の潰瘍はなくなりましたが、この病気は再発することが多いので、その防止のために薬を飲み続けることを医者から勧められました。セルベックスガスモチンという、潰瘍のあとによく使われる薬です。もともと薬を飲むのは好きではなかったし、長期的に服用すると何か悪影響があるのではないかと心配だったのですが、「副作用は特にないから、再発のリスクを考えると飲んでおいた方がよい」という医者の話で、継続して飲むことにしました(さぼりさぼりでしたが...)。

潰瘍がなくなっても症状が完全におさまったわけではなく、調子の悪い時はよく痛みました。それより厄介なのは、空腹になると起こる胃周辺の不快感です。キリキリ痛むわけではなく、胸やけや胃もたれとも多分違うのですが、何ともいえないいやな感覚があるのです。どうも胃酸が胃の粘膜を刺激するのが原因のようです。水やお茶を飲んでもダメで、何か食べないとおさまりません。

これがあると間食が増えるし、早く空腹にならないように三度の食事も無意識のうちにたくさん食べるようになるので、本来休めなければならない胃からの信号が原因で胃に負担をかけるというジレンマに陥っているわけです。また当然太りやすくなります。

とりあえず食べる量を減らすとか、よく噛むとか、刺激物を避けるとかいうように、食生活を改善する必要があることはわかっていましたが、なかなか実践できず。またこの時はタバコも吸っていました。

[参考ページ]
胃から発信されるシグナル

マクロビは「あやしい」のか

2005-01-10 | マクロビを学ぶ
年末年始に帰省している間、両親らにマクロビの説明を少ししかけたのですが、やはりというかなんというか、いささか「あやしい」ものに映るようです。結局「バランスよく肉も魚もちゃんと食べないとダメ」とか言われるので途中でやめました。

マクロビを始めて、まわりの人との意識のギャップに悩んでいる人は結構おられるようです。ギャップの原因を挙げてみると以下のような感じでしょうか。

(1) 現代医学/栄養学との主張の違い
「1日30品目摂るべし」の栄養学が常識になっていますから、マクロビの主張は間違ったものとしてとらえられます。ある程度科学的な議論も必要になるでしょう。主張が一致している部分も多々あるので。

(2) 一般的な食生活との違い
「肉・魚・乳製品は控えている」と言うと「じゃあ何を食べるの!?」と聞かれることがよくあります。いろいろ食べるのが豊かな食生活だと考えるのが普通ですから、「常識はずれの食生活」ということになるのでしょう。玄米という、「健康にいいものとして少し認知されてきてはいるが、まずいとか貧乏くさいとかいうマイナスイメージもある」微妙な位置にあるものを主食としているのも、残念ながらギャップの原因の1つとなっているような気がします(本当はおいしいんですが...)。

以上2つがメインだと思いますが、少しマクロビをかじりだした人には以下のようなことも出てきます。

(3) マクロビの中の「あやしげ」に受け取れる主張
「人間は動物ではなく植物を食べるのが宇宙法則」
「食べ物というのはいのちをいただくのです。玄米は生きているのです」
というような「非科学的な(検証できない)」説明は、感覚的に理解しやすいこともあるのですがややもすればあやしげに映ります。私も基本的には上記のような説明にはあまり納得しない方です。発信のしかたに気をつけないといけないでしょう。

(4) 「あやしげ」に映るマクロビ効果
・手当て(里芋パスターでガンを治す、など)
・排出(宿便が出てくる、など)
これらも、経験しないうちは突飛なものに感じられます。

他に周囲状況としては以下のようなものもあるでしょう。

(5) 健康に関する情報の氾濫
今は健康ブームとでもいうべき状態にあり、健康法やダイエット法と称するものがやたらあります。それらの1つとしてとらえられるのは、あやしげに映る原因の1つになります。

いろいろ挙げましたが、これらはそのままこのブログのテーマになるものです。じっくり考察していきたいと思っています。

第一大根湯

2005-01-05 | 食材・料理
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

年末年始は私の実家と妻の実家にハシゴで帰省してました。妻の実家は海の近くにあるので、いつも新鮮な刺身をごちそうしてくれます。あまり新鮮な魚の入らない大阪近辺で生まれ育った私としては、これを食べない手はありません。タイにヒラメにハマチにイカにフグにカンパチにと、脂ののったのをたらふく食べてしまいました。

こういうときは刺身と一緒についてくる大根の千切り(ツマ)をたくさん食べ、さらにあとで第一大根湯を飲みます。梅醤番茶と同じく、お茶に醤油を入れる変な飲み物。そもそも熱のある風邪を抑えるのに効果があるようなのですが、肉や魚の毒消しにも使われます。私は長年たまった肉気を取るために普段から時々飲んでおり、特に肉や魚を食べたあとはなるべく飲むようにしています。

大根の辛み成分として含まれているイソチオシアナートは、白血球の活性化と殺菌の作用を持ち、肉食で汚れた血をきれいにしてくれるそうです。刺身のツマに大根がつくのもそのためなのです。また大根にはカリウムやカルシウムが多く含まれているので陰性で、体を冷やす働きがあるために熱さましに用いられるのでしょう。逆に熱の出ない風邪に使うと悪化させることがあるらしいので要注意です。

[第一大根湯の作り方]
(1) 大根おろし大さじ3杯をどんぶりに入れる
  普通の太さの大根なら1cmぐらい輪切りにしたものをおろせば大体OK。
(2) 大根おろしの1割の量の生姜おろしを加える
  生姜粉末を使う手もあります。
(3) 醤油を大さじ1杯加える
(4) 熱い番茶2合を注ぎ、かき混ぜる
  三年番茶がおすすめ。

・風邪の治療ではなく肉や魚の毒消しに使う場合には生姜おろしは加えなくてもいいようです。
・大根の皮にはビタミンCが多く含まれています。むかずにおろしましょう(一物全体)。
・2合というのはかなり多いので、きつい人は全体に量を減らしましょう。私は慣れてしまっていつも2合飲んでいます。