理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

「からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て」

2005-12-29 | 本の感想
・からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て (大森一慧) ソレイユ出版

マクロビオティックの考え方と様々な手当て法を解説した本です。著者は故・大森英櫻翁の奥さん。陰陽のバランス、「身土不二」「一物全体」や食品ごと・季節ごとの食べ方などの基本について述べたあと、具体的な食事療法・手当て法についてかなりのページを割いています。本全体ではかなり内容がありますが、5章以降(後ろの3分の2近く)の手当て法はリファレンスとして必要な時に読めばいいので、最初に読むべき部分はそれほど多くありません。手当て法の部分は、自分や家族が体調をくずしたときなどによく見ています。

大森英櫻翁の講義録などを読むと、動物性食品や砂糖の摂取についてかなり厳しく戒めていたりしてストイックなイメージがあるのですが、奥さんのこの本はあまり厳しいことは言わず、バランスを重視した書き方になっているのでとっつきやすいのではないでしょうか。動物性食品の毒消しの方法も載っています。

大森英櫻翁の場合には、無双原理の根本から説かれているのと病気を治すための食事に関する講義や文章が多いためにどうしてもストイックな内容になり、対してこの本ではあくまで普通の人の一般の生活でどうすべきかを書かれているのでマイルドな内容になる、というのがあるのではないかと思っているのですが、どうでしょうか(識者のコメント求む)。

この本で印象的だったのは、毒消しの方法のところに「砂糖の毒消し法はありません」とあること。肉・魚・乳製品や酒に加えて、タバコですら毒消しの方法(味噌)が載っているのに。ただし、「砂糖の害で脳神経がボケたときに、良質のでんぷん質(ご飯やくず練り)にごま塩を加えたものを食べさせると、よだれがダラダラ出て治ることがあります」とのことです。

マクロビオティックに興味を持った人のうち割とちゃんと本を読んでくれそうな人にはこの本を、そうでない人にはマクロビオティックガイドブックを勧めることにしています。

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最近あまりにも忙しくて、更新の時間が全くとれませんでした。今年の記事はこれが最後です。今日から不在にしますので1週間ほどネット不通になります。みなさんよいお年を! 来年もよろしくお願いします。

牛乳の害(3) 代替乳その2

2005-12-07 | マクロビを学ぶ
代替乳の話」で紹介したオートミルク(オーツ麦からつくった乳飲料)の商品「オートドリーム」、どうも日本ではあまり売られていないようなのですが、ダメもとで注文してみたら先日送られてきました。さっそく家族を巻き込んで飲んでみました。

原材料は「有機オーツ麦、有機ひまわり油、海塩」。色は真っ白ではなくてちょっとだけ色がついた感じ。砂糖は入っていないのですが、結構甘くて独特の風味があります。牛乳や豆乳より濃厚です。私と妻の評価は「悪くない。でもしょっちゅう飲むのなら豆乳の方がいい」。頻繁に飲むのなら飽きのこないあっさりした味のものがほしくなります。ただし甘い飲み物を常飲できる人にはオートミルクの方がいいかもしれません。豆乳の苦手な長女も「まあまあ」だと言ってましたから、子供にとっては豆乳より飲みやすいのではないかと思います。甘さと風味を活かすことができれば料理にも使えそうです。

料理といえば、妻は最近ホットケーキを豆乳で作っているようです。牛乳の代わりに豆乳を入れるとふわりといい感じに焼き上がるそうです(割と知られた事実なのでしょうか?)。それならと無糖ホットケーキミックスと組合わせて作ってもらったのですが、豆乳だけで砂糖が全くないと固くなってしまうようです。

お菓子やホットケーキを作る時、砂糖は甘くするだけでなくその保湿性から全体をふっくらとさせる働きを持っており、これが砂糖をやめたり減らしたりする妨げになっていると思います。米飴、オリゴ糖などで代わりのきく場合はいいんですが。

玄米の食べ方四原則

2005-12-02 | 食材・料理
前回もちょっと書きましたが、私のまわりには「玄米はまずい」と言う人が結構います。傾向として、年配の人たちは「玄米は貧乏くさい」というイメージを強く持っておられることが多く、むしろ若い人たちの方が最近の健康ブームもあって先入観なく入れるようです。それと、どうも米どころ出身の人には「玄米は米じゃない。白米が一番」という人が多い気がします。年配の人と米どころの人。米や和食に愛着があるはずなのに玄米ぎらいの人が多いのは皮肉です。

逆に私が食べているのを見て「玄米を試してみたい」と言ってくる人もいます。そういう人たちと「玄米をどうやって食べたらいいか」の話をしているうち、気をつけるべきことがだいぶ固まってきました。最近では以下の4つを強調するようにしています。玄米食を実践されている方には当たり前のことが多いですが。

(1) 銘柄を選ぶ
白米でもそうですが、銘柄によってかなり味が違います。スーパーで売っている「普通の炊飯器で炊けます」という玄米はたいていまずいです。もちろん味にこだわるだけではなく無農薬のものを選びたいところ。
今までいろいろ食べてみた中でおすすめは以下の3銘柄の玄米です。
・生命あふれる田んぼのお米
・「感動米」のマイセン
・へんこの米屋の銀しゃり米

(2) 白米と混ぜない
私も最初に玄米を食べようかと思った時は白米に混ぜるのかと思っていました。好みの問題かもしれませんが、混ぜるとかえって違いが気になるのではないかと思います。そもそも玄米と白米では炊き方が違うので、混ぜて炊いてもどちらかがうまく炊けないはず。
混ぜて炊くぐらいなら、前回も書いた分づき米や胚芽米+雑穀にした方がよさそうです。

(3) ちゃんと炊く
上でも書きましたが、玄米用の炊き方をしないといけません。私は玄米コースつきの炊飯器を使っていますが、圧力鍋や土鍋で炊くこともできます。なんとなく土鍋で炊くのが本道のように思ってしまう(炊き方が自然に近いから)のですが、どんなもんでしょう。私はこれら3つの炊き方の食べ比べはできていません。
玄米の炊き方はいろんなページにあります。例えば以下。
"美味しい"玄米の炊き方
玄米の炊き方

(4) よく噛む
基本ですね。理想は100回、最低でも30回。噛まないと白米より消化が悪いというのもありますが、玄米の場合はよく噛んだ時の甘い味が白米より深いので、これを味わいたいところです。

おかずも含めた「玄米のおいしい食べ方」については、zaiz_japanさんが「玄米嫌いのご主人《攻略法》」という記事に書かれています。なるほどとうならされる内容。必見です。