理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

朝食の是非

2006-05-28 | マクロビを学ぶ
マクロビオティックを知ることによりぶつかった主張の中で、「牛乳は体に悪い」と並んで驚いたものの1つが「朝食は摂らない方がよい」というものです。私は子供のころからずっと「朝は絶対何か食べる」派で、以前はトースト1枚とおかず、あるいはトースト2枚を食べていました(そして牛乳も飲んでいたわけですが)。そして「朝食抜きだと一日中力が出ない。絶対食べるべき」と言っていました。そもそも寝ている間は何も食べないわけですから、1日中で最も腹が減っている起きぬけにしっかり食べておくのは当然だと思っていたのです。マクロビオティックを知ってからも、しばらくは朝から玄米を茶碗3杯とか食べることもしばしばでした。

ところがマクロビオティックに限らず、最近は「朝食は摂らない方がよい」という話を結構聞きます。以前、フジテレビ系「めざましテレビ」の「めざましどっち?」という視聴者アンケートのコーナーの中で「朝ごはん 食べる or 食べない?」というアンケートがありました(2006年1月25日放送)。結果は「食べる」が82.3%と多数派でしたが、そのコーナーでの朝食に関する研究結果紹介では、「朝食は摂らない方がよいという説もある」という取り上げられ方でした。「摂らない方がよい」派も市民権を得てきているという印象です。

では結局どちらがよいのでしょうか。朝食を摂るのにも摂らないのにもどちらもメリット・デメリットがあり、どちらの道を選んでも多かれ少なかれ「あちらを立てればこちらが立たず」の状況になります。このような状況をトレードオフといいます。こういう場合にはメリットとデメリットをきちんと整理して、自分にはどちらが向いているのかを判断することになります。

[朝食を摂るメリット]
・栄養が補給され、一日の活動源となる
・特に脳に栄養が行くので活力・集中力が増す
[朝食を摂らないメリット]
・消化活動をせずに内臓を休める時間が長い(前日夜~昼食)ので不要物の排出がうながされる
・消化器系を活動させなくてよいので体が楽になり、活力・集中力が増す

これらを比較するということになると、要するに「栄養の摂取」と「内臓を休める」のどちらを朝のうちにやるべきかという問題になります。「活力・集中力が増す」が両方に出てきていますが、これも脳が力を発揮するためには栄養を摂った方がいいのか内臓を休めた方がいいのかというのがポイントになります。

私は以前は栄養補給の観点のみで考えていたのですが、どうも人間の体というのは長年の歴史の中で空腹には強くできており、栄養が外から補給されなければ老廃物を燃やすなどして活動できるので、朝の段階では排出や内臓の休養を優先した方がいいように思います。

ただし人によっては
・朝のうちに栄養補給しないと低血糖症状(ふらつきなど)が出る
・胃が空になる時間が長いと胃液が出すぎて胃が荒れたり潰瘍ができたりする
というようなことがあり、その場合は何か食べた方がよいと思われます。また、子供の場合はどうやら成長のために朝食を摂って栄養を補給した方がいいようです。そもそも子供に空腹の状態で昼まで過ごせというのは酷かもしれません。

私も朝は内臓を休めることにしたのですが、空腹時に胃液が出すぎる傾向があるので、消化しやすいものを少し入れることにしました。最初は野菜ジュースにしていたのですがこれだと体が冷えるので、今は毎朝納豆2パックだけを食べています。最初は昼までにかなり腹が減ったもののそのうち慣れてきて十分昼までもつようになり、1年以上この朝食が続いています。「慣れてくる」というのがポイントで、だんだん朝食の少ない生活に体が順応してきます。食欲があまりないときは梅醤番茶だけとかにして無理に食べないようにできるようになったので、そのうち朝食は全く抜くようにしようかと思っています。

[参考ページ・書籍]
1日2食健康法
・長生きしたければ朝食は抜きなさい(東茂由・甲田光雄) KAWADE夢新書


29 コメント

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遅い朝食を軽く取っています (himazu)
2006-05-28 08:15:01
私は平日は遅めの朝食を軽く取るようにしています。休日は起きるのが遅いことも手伝ってかなり遅いブランチになることが多くなっています。



朝食の時間を遅くするのは、起きて概ね1時間以内に朝食を取ると必ずお腹の具合が悪くなるからです。平日は昼まで食事を取らずにいるとつらいし、かと言って遅い時間にしっかり取ることは時間的に難しいし、昼食を他の人と一緒に取ることができなくなってしまうので、軽く食べるのです。あと朝食を取らないと学習効率が下がるという研究があるとも聞いていますし。



以下のことは他の人からは聞いたことがなく、特殊な例なのでしょうが、多少は参考になるかも知れないと思い書いておきます。



起きてすぐに朝食を取るとお腹の具合が悪くなる傾向は高校生のときに始まり、そのときは頻度は低かったのですが、年齢を重ねるについれて頻度が高くなり、現在は必ずそうなります。



起床直後に空腹感はあるのですが、30分もすると収まります。そして再び空腹感を感じるのはかなり経ってからです。ですから、起床直後の空腹感を別にすれば、私は空腹感のあるときにだけ食べていることになります。



基本的に、空腹感は体が食事を受け入れる準備ができたときに感じるものではないかと、私は考えています。体調が悪いときにお腹が減らないのは内臓の具合が悪く、食事を受け入れられないのだろうと。



しかるに、起床直後だけは空腹感のしくみが正しく働いていず、言わば偽の空腹感を感じてしまうのだろうと解釈しています。
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> himazuさん (rice-addict)
2006-05-28 23:06:32
貴重な情報ありがとうございます。起きてすぐは内臓がまだきちんと活動していないというのは重要な点ですね。そのせいで腹の具合が悪くなったり、起きたてだけ空腹を感じたりするということは考えられそうです。だとするとやはり起きてすぐは何も食べない方がいいのかもしれません。

朝食を抜くと学習効率が下がるとか集中力が出ないというのはよく言われることですが、これは多分に慣れの要素があると思います。実際私も朝食を軽くするのにすっかり慣れました(学習効果がどうなったかは不明ですが)。この点を検証するためにある程度長期に渡って比較実験した研究があるといいんですが。
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生活パターンが鍵ですね (鍼美人)
2006-05-31 20:03:20
情報ブログ『アンチエイジング通信』に 私の食事パターンと 朝食についてかいてみました

(TBさせて頂きました)

自分に適した生活パターを知り、整えてから・・・

と思います
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> 鍼美人さん (rice-addict)
2006-06-01 00:59:31
コメントとTBありがとうございます。自分の生活パターンに合ったやり方を選ぶというのは大事ですね。それに加えて自分の体質およびその日の体調に合わせて何をいつ摂るか決めることになるわけで。

朝食抜きが「現代のあまり良くない生活習慣を肯定する事になってしまう」というのは確かにそう思います。「時間ないから」とかではなく、朝食以外の食生活も含めて総合的に考えて、その一部として朝食をどうするかというふうになるべきですね。
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実験中です。 (minmin)
2006-06-01 09:57:33
rice-addictさん、お久しぶりです。



子供のときから三食きっちりの生活でしたが、今年になって一時昼抜きで一日二食にしてみました。最初は調子が良かったのですが、そのうち夕方からの空腹感がひどくて夕食がドカ食いになってしまい挫折・・・。



その後しばらく食べ過ぎが続いたので、今日からは朝食抜きにチャレンジです。

続くかどうかは???ですが、この記事に後押しされて始めてみました。



本当は間食も入れて一日四食くらいをちょこちょこ食べるのが向いているようなのですが、今は食べ始めると止まらないので(笑)。
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> minminさん (rice-addict)
2006-06-02 01:26:26
ごぶさたしてます。昼食抜きというのは、体が完全に起きてから抜くことになるのでちょっとつらそうです。朝食の方が慣れやすいかも。いずれにしても完全に抜いてしまおうとせずに、消化がよくて軽いものを少しだけ食べるとかすると長続きすると思います。
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Unknown (さつま☆いも子)
2006-06-02 20:07:30
はじめまして。

私はマクロビやり始める前に1日2食健康法のメルマガに出会い、甲田先生の本を読みまくって、実践している一人です。

私の場合、その他が食べすぎてしまうので、身体にはとても悪いことをしていますが・・・。



rice-addictさんは京都と東京の井戸端会議に出席されたのですね。すごいですね。飛びますね。私も仕事の都合がつけば、井戸端会議に参加するつもりです。それまで、勉強させていただきますね。
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> さつま☆いも子さん (rice-addict)
2006-06-02 22:49:08
はじめまして。1日2食健康法のメルマガは私も読んでいます。ためになるだけでなく、おもしろいですよね(^-^)。

井戸端会議、私は幹事が古くからの友人だったり、お会いしたことはなくてもブログで知っている方が多かったりで参加しやすかったのですが、そんなこと関係なく、気軽に話のできる場だと思います。いろんなところで行われていますので、ぜひ御参加ください。
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オレンジジュース (ベンジャミン)
2006-06-19 04:45:45
初めまして。いつも拝見させていただいております。とっても楽しく勉強になり、好きなサイトの1つです。



ところで・・・掲示板が分からなかったので、ここに書いてしまってすみません。



私は砂糖がなかなかやめられなくて悩んでいて、ず~~っと過去の記事など拝見していたのですが、私と似た方で、オレンジジュースがやめられない方の記事を見つけました。

これに関しては、実は私は克服したので、その方法をお知らせしたいと思います。

ほかにも悩んでいる方がおみえかな・・と思って。



ジュースを、毎日少しずつ天然水で薄めていきました。塩味覚麻痺の方も、そうやって治していくと聞いたことがあるので、砂糖でも可能かなと思ったら、本当にできました。



会社勤めなら、「オレンジジュース」「天然水」「空のペットボトル」を用意しておいて、前夜、空のボトルに、自分で我慢できるギリギリの薄さに調整したものを入れて冷やしておけば、朝持って通勤できるのではないかと思いました。



それと、「もしこっちが飲みたくなったら飲もう」と思って、お茶ペットも保険として持ってました。そちらを飲む率がだんだん上がってきて、最後には、お茶オンリーになりました。



偶然、私には効いた方法ですので、こんな場所にお知らせしてしまいました。すみません。



あとはお菓子中毒をなんとか治したいので、また過去記事を拝見させていただきますね。よろしくお願いします。(こちらは工夫すれども、なかなか解決の道が見えてきません)
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> ベンジャミンさん (rice-addict)
2006-06-20 00:48:07
はじめまして。ジュースをやめる方法、ありがとうございます。だんだん薄くして飲んでいくとやめられる(かもしれない)もんなんですね。前にオレンジジュースの質問をされたvision-plannerさんに伝えておきます。薄くしていく途中というのは結構気持ち悪い味になりそうな気もしますが、そういうわけでもないんですね。

お菓子中毒の方はジュースより手ごわいかもしれません。決定版の対策を示すことができないんですが、首尾よくいかれることをお祈りしております。
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