はじめまして。古田瑞といいます。21歳の2回生です。
リツゲイには今年の夏公演から参加しており、そこでは役者として厳格なキャリアウーマンの役を演じさせていただきました。しかし常日頃からゲーム三昧・昼夜逆転上等の自堕落な毎日を送り、また幼少のころから三歩歩けば男児に間違えられ、立派に成人したあとでも女子トイレから出れば周囲が通報直前の空気を醸して私を凝視しているといった、まったくもって厳格でもキャリアでもウーマンでもない私にとって、これはたいそう難しい役でした。
さらにこれが人生で初めての演劇経験で右も左もわからなかったこともあり、生来の人見知りのせいで周囲と打ち解けられない・セリフが覚えられない・入ったばかりのバイト先の店長にビビってシフトを入れすぎたせいで稽古に出られない・キャリアウーマンらしく自信満々に振舞えない・そもそも声が通らないなどの様々な問題に直面し、リツゲイの先輩方や役者陣にはたいそう迷惑をかけることになってしまいました。本番が終わった時、とても有意義な経験をさせていただいたけど、向こう二年くらい演技はしたくないなあなどと思ったのを記憶しております。
さて、そんな夏公演から4ヶ月が経過し、今回は冬公演「喫茶店戦争」に参加させていただくことになりました。私にとっては2回目の公演となる本公演では、オーディションに参加することもなく、宣伝美術という部署に入って頒布品のデザインに頭を悩ませながら比較的穏やかに公演までの毎日を過ごしております。
この稽古場日誌では今参加している冬公演について書こうかなと思いましたが、前述の通り今回はまだこれといった苦労をしていないのでいったん遠慮して、最近没頭しているものの話でもしようと思います。
最近没頭しているものというのは、お酒のことです。というのも、私は成人してお酒が飲めるようになった去年の9月から1年余り、飲み会などで多少嗜みはするもののどうもお酒の味が好きになれず、飲み放題のレモンサワーばかりがぶがぶと飲んで帰るような酒ライフを送っていました。特に口に合わなかったのがビールで、YouTubeなどでジョッキのビールを一息に飲み干して「くぅ~~~」などと気持ちよさそうに唸る大人の姿を見ては正気を疑っているほどでした。
しかし、先日阪神タイガースが38年ぶりの日本シリーズ優勝を果たし、大手カラオケ店がビール飲み放題無料キャンペーンを行っているのを見て、筋金入りのカープファンでありビールアンチの私は複雑な気持ちになりつつも、タダのものは何でももらっておけという祖母譲りのおばちゃん根性には勝てず深夜のカラオケ店に足を運ぶことになりました。
そこで飲んだ生ビールがなんと、絶品――とまではいかなかったものの、キンキンに冷えてのどごしがよく、今までのビールと一線を画すうまさであり、20歳になったばかりの時にサッポロビール博物館で飲んだ一度きりのあのおいしかった生ビールの味を思い出すほどだったのです。
それからというもの、私は大学帰りにコンビニで少ないバイト代を握っては350mlの缶ビールを購入し、口に合うビールを探すようになりました。そうしているうちにお酒全般に対する苦手意識が解けてきたのか、独特の渋みが苦手だった赤ワインを炭酸飲料で割ってみたり、匂いが苦手でハイボールすら受け付けなかったウイスキーが特定のメーカーのコークハイなら飲めることに気づいたりと、徐々に飲めるお酒の範囲が広がっていきました。
それはまるで、ポケモンにおいて徐々に使えるわざが増えていくような、バイオハザードにおいて徐々に使える武器が増えていくような、そんなワクワクに似ていました。
それはもしかすると、日常生活において私が忘れていた感情なのかもしれません。日常生活というものは、本来食や娯楽や人間関係などいろんなところに新しいものを開拓する喜びがあふれているはずなのに、私はそれを手軽に与えてくれるゲームにかまけて、日常に本来ある喜びというものを忘れていたのかもしれない。
そう思うと、未だ友達という友達がいない、いまいちまだ馴染み切れていないこのリツゲイという集団も今や宝の山のように見える……のかもしれません。考え方を変えたところで人見知りは急には治りませんが、今回の公演を通してまた少しこのサークルと演劇のことを知っていけたらいいな、なんて前向きな気持ちを抱いております。
長くなってしまいましたが、冬公演「喫茶店戦争」、なにとぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。劇団立命芸術劇場一回生の廣瀬です。今公演では舞台監督、照明、制作として参加させていただいております。
さて、入団してからもう半年が過ぎたそうで。仲良くなった三回生が卒団したと思ったら、四回生との最後の公演。楽しい時間はあっという間に過ぎるものですね。
私事ではありますが、この文章を書いていると、200字以上400字未満のコミにケーションペーパーを書いている時を思い出します。略称を用いないの大事。
はい。
冬公演、是非観に来てください!