伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(19) 1971年11~12月

2008-04-03 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 71~72年
<註>
 ・下記表記の「R」は当該曲目のレコード(CD)発売日「HC」は当該曲目のオリコンチャートでの最高位を表しています。
・また、曲目の部分の記載につき、オリコンチャート1位獲得曲については、同じく2~10位にランクインされた曲についてはの背景色にしてあります。
 ・各曲目につき、放送回順に記載していますが、必ずしもその放送回がその曲目が初めてヒットスタジオで歌われた(演奏された)回であるわけではないので、この点にご留意頂いた上でご覧下さい。
 ・また、1970年代前半までについては映像資料等が乏しいため、レコード発売日と各歌手の出演日との兼ね合い、何らかのタイアップ曲として発売されたものについては、スポンサーや他局番組との競合の有無、その他種々の点を考慮の上、その放送回に披露されたことがほぼ間違いないであろうと「推定」されるものについてのみ記載をしております。発売日等で間違いがございましたらご一報下さい。

<1971年11月1日(第157回)>
・初恋の丘 由紀さおり
 詞:北山 修 曲:渋谷 毅 R:1971/11/05 HC:68位
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)
・野良犬のブルース 千葉真一
 詞:木下龍太郎 曲:大川晃由 R:1971/08/-
・潮風のメロディー 南 沙織
 詞:有馬三恵子 曲:筒美京平 R:1971/10/01 HC:7位
・島ぶえ 三沢あけみ R:1971/09/-
・今日、今、この時 布施 明 
 詞:Hal David/安井かずみ<訳> 曲:Burt Bacharach 
 R:1971/10/10 HC:57位
 ※原曲は1966年発表のハーブ・アルバート「TO WAIT FOR LOVE」。

<1971年11月8日(第158回)>
・幸福を遠く離れて 佐良直美 R:1971/11/05
・君をのせて -MY BOAT FOR YOU- 沢田研二 
 詞:岩谷時子 曲:宮川 泰 R:1971/11/01 HC:23位
 ※沢田研二のソロ・デビュー曲。
・ちいさな初恋 五十嵐じゅん(淳子)
 詞:林 春生 曲:鈴木邦彦 R:1971/09/-
・恋人になってあげよう 発地伸夫
 詞:北山 修 曲:平尾昌晃 R:1971/09/-
・ノアの箱舟 平山三紀(みき)
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1971/10/25 HC:19位
・雨のシャッフル 加山雄三
 詞:岩谷時子 曲:弾 厚作(加山雄三) R:1971/12/01

<1971年11月15日(第159回)>
■前年に引き続き、11月11日に行われた「第2回日本歌謡大賞」の特集を組む。南沙織のデビュー作「17才」は「放送音楽新人賞受賞曲」として歌われたこの回が夜ヒットでの初披露であった。
17才 南 沙織
 詞:有馬三恵子 曲:筒美京平 R:1971/06/01 HC:2位
 ◆年間チャート(71年)11位(51.1万枚)
 ◆第13回(1971年)日本レコード大賞新人賞受賞
 ◆第2回(1971年)日本歌謡大賞放送音楽新人賞受賞
 ◆第4回(1971年)日本有線大賞ホープ賞受賞
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)

 ※71年、本土復帰前の沖縄より来日し、この曲で同年6月にデビュー。累計54万枚を売り上げるヒットを記録し、その後の、同年代のファンが感情移入ができるという意味での女性アイドル・ポップ路線の礎を築いた作品である。作曲者の筒美が南にどんな歌を歌えるかを訊ねたところ、「リン・アンダーソンの「ローズ・ガーデン(Rose Garden)なら歌える」と彼女が答えたことから、この「ローズ・ガーデン」の曲調をヒントにしてこの楽曲のメロディーが製作されたといわれている。
 1989年に森高千里がカバーし、リバイバルヒット。
・二つのギター 小山ルミ
 詞:ロシア民謡/千家和也<訳> 曲:ロシア民謡/川口 真<編>
 R:1971/10/-
・今日で終って ちあきなおみ
 詞:阿久 悠 曲:彩木雅夫 R:1971/10/25 HC:76位

<1971年11月22日(第160回)>
・恋おんな かずみあい
 詞:阿久 悠 曲:どいあきら R:1971/08/- 
・湖と砂丘のある町 伊東きよ子
 詞:山上路夫 曲:平尾昌晃 R:1971/11/-
・望むものはすべて ヒデとロザンナ
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1971/09/10 HC:22位
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
・運命と云うのはたやすいが 三田 明
 詞:阿久 悠 曲:鈴木庸一 R:1971/10/-
・長崎慕情 渚ゆう子
 詞:林 春生 曲:The Ventures R:1971/12/01 HC:9位

<1971年11月29日(第161回)> 
・悲恋 内山田洋とクールファイブ
 詞:川内康範 曲:中村泰士 R:1971/11/25 HC:22位
・サンドラの恋 辺見マリ
 詞:安井かずみ 曲:鈴木邦彦 R:1971/12/-
 ※この曲を最後に辺見は歌手・西郷輝彦と結婚し一時芸能活動を引退(1981年に離婚し復帰)。
・苦労買います 水前寺清子 R:1971/12/01
夜明けの夢 和田アキ子 
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:1971/12/05 HC:10位
虹と雪のバラード トワ・エ・モア
 詞:河邨文一郎 曲:村井邦彦 R:1971/08/25 HC:7位
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
 ※札幌冬季オリンピック(1972年)テーマソング。NHKのミニ番組「みんなのうた」の「札幌五輪のうた」コーナーの中で1971年3月より紹介されたのが初出とされる。発売当初は売上は低空飛行を続けていたが、札幌五輪開幕が近づくと同時に売上を上げてゆき、最終的にはオリコン最高位7位のヒットとなった。
 ※トワ・エ・モア盤が最も有名だが、他にもピンキーとキラーズ、ブルーコメッツ、菅原洋一、佐良直美らもこの曲を吹き込んでいる。

<1971年12月6日(第162回)>
・心に火をつけて にしきのあきら
 詞:阿久 悠 曲:浜口庫之助 R:1971/09/21 HC:24位
・自由の鐘 西郷輝彦
 詞:ちあき哲也 曲:筒美京平 R:1971/12/25
・ごめんなさい 小川知子 
 詞:安井かずみ 曲:筒美京平 R:1971/10/05 HC:72位
・ノックは無用 大信田礼子
 詞:阿久 悠 曲:鈴木邦彦 R:1971/11/-

<1971年12月13日(第163回)>
・はじめての世界で フォーリーブス
 詞:Berry Gordy/Berry Gordy Jr./Billy Davis/北 公次<訳>
 曲:Berry Gordy/Berry Gordy Jr./Billy Davis
 R:1971/12/21 HC:26位
 ※原曲はマーヴ・ジョンソン「You Got What It Takes」。フォーリーブスのリーダーであった北公次が訳詞を担当。
・オロロンの唄 矢吹 健
 詞:有馬三恵子 曲:すぎやまこういち R:1971/11/01 HC:49位
・哀愁の旅 中村晃子
 詞・曲:キヨシ・ナカムラ R:1971/12/10 
水色の恋 天地真理
 詞:田上えり 曲:田上みどり R:1971/10/01 HC:3位
 ◆年間チャート(72年)29位(34.7万枚)
 ※1971年7月よりTBS系ドラマ「時間ですよ」の”となりの真理ちゃん”役で出演し一躍注目を浴びた天地真理の歌手デビュー曲。南沙織、そして同じナベプロの同僚である小柳ルミ子と共に現在的な意味での「アイドル」路線の元祖ともいえる存在であり、72年~73年にかけて、爆発的な人気を博した。
・青春の旅 森田健作
 詞:阿久 悠 曲:鈴木邦彦 R:1971/11/05
 ※日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」挿入歌

<1971年12月20日(第164回)>
・北海太鼓 北島三郎
 詞:星野哲郎 曲:島津伸男 R:1971/12/-
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(9回)
・サンフランシスコの女 ザ・ピーナッツ
 詞:橋本 淳 曲:中村泰士 R:1971/10/- HC:53位
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(13回)
悪魔がにくい 平田隆夫とセルスターズ
 詞・曲:平田隆夫 R:1971/08/10 HC:1位(1972/01/10-02/07) 
 ◆年間チャート(72年)6位(65.1万枚)
・朝の停車場 君夕子
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1971/09/-
誰も知らない 伊東ゆかり
 詞:岩谷時子 曲:筒美京平 R:1971/10/25 HC:9位
 ◆第22回(1971年)NHK紅白歌合戦出場曲(9回)
 ※伊東にとり、69年の「知らなかったの」以来のオリコン週間チャートベスト10入り作品。

<1971年12月27日(第165回)>
・チョットマッテクダサイ ゴールデン・ハーフ
 詞:E.Carner/香取 治<訳> 曲:J.Nakashima R:1971/12/01 HC:28位
愛する人はひとり 尾崎紀世彦
 詞:阿久 悠 曲:筒美京平 R:1971/11/25 HC:2位
 ◆年間チャート(72年)16位(39.3万枚)
・忘れな草をあなたに 菅原洋一
 詞:木下龍太郎 曲:江口浩司 R:1971/11/10 HC:37位
 ◆第22回・第35回(1971年・1984年)NHK紅白歌合戦出場曲(5回・18回)
 ※オリジナルは1964年にヴォーチェ・アンジェリカという女性コーラスグループが発表。その後、梓みちよ、倍賞千恵子、菅原洋一ら多くの実力派の歌手がカバーし、叙情歌のスタンダードとしての地位を確立した。

【司会】前田武彦・芳村真理

(参考)この頃の主な出来事
・11/11 川崎市の生田緑地公園の人工雨による崖崩れ実権現場で、予想を超える崖崩れが発生、報道関係者や研究者ら15人死亡の大事故に。
・11/11 1971年度日本歌謡大賞に尾崎紀世彦「また逢う日まで」。
・11/16 東京・上野の国立西洋美術館で「ゴヤ展」開催。
・11/19 沖縄返還闘争で全国各地でデモが行われ、東京・日比谷の「松本楼」がデモ参加者の投げた火炎瓶が原因で火災に遭い営業不能に陥る。
・11/- 映画会社「日活」、経営難から一般商業映画の製作を中断し、低予算の成人映画(「日活ロマンポルノ」)を主体する制作方針に移行。日活黄金期を支えた石原裕次郎、小林旭、渡哲也、吉永小百合らはこれを機に事実上フリーとなり、他の映画会社製作の映画やテレビドラマへと活躍の場を広げる。
・12/07 衆院連合審査委員会で、社会党の横路孝弘議員が沖縄返還交渉に当っての「肩代わり密約」(アメリカに支払義務がある復元補償費につき日本側がその費用の一部を提供する合意)があったとして、福田赳夫外務大臣を追及(沖縄密約疑惑)。
・12/14 山形市の動物園が経営難を理由に動物8種を射殺・処分。動物愛護団体などから猛批判の嵐にさらされる。
・12/18 10カ国蔵相会議開催。ドルの大幅引き下げに合意(スミソニアン合意)。
・12/21 神奈川・三浦市で食品卸商を営む夫妻と娘が刃物で殺害される事件発生。5日後、被疑者として同事件の第一発見者を逮捕(三崎事件)。
・12/23 経営難にあった映画会社「大映」が倒産。倒産直前にそれまで本社の一部局として置かれていた、テレビドラマ製作部門の「大映テレビ室」を新会社「大映テレビ」として分離独立、大映所属のスタッフの多数が同会社に移籍。
・12/24 東京・新宿の派出所でクリスマス・ツリーに仕掛けられていた爆弾が爆発する事故発生。
・12/31 1971年度日本レコード大賞に尾崎紀世彦「また逢う日まで」。最優秀歌唱賞は森進一「おふくろさん」、最優秀新人賞は小柳ルミ子「わたしの城下町」。


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