伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(23) 1972年7~8月

2008-04-08 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 71~72年

<1972年7月3日(第192回)>
・そして今は(NOW) ペトロ&カプリシャス
 詞:P.Paul/S.Berbert/安井かずみ<訳>
 曲:P.Paul/S.Berbert/穂口雄右<編>
 R:1972/07/25
・あなたがいれば 上條恒彦
 詞・曲:山下一彦 R:1972/06/-
・男ひとり 加山雄三
 詞:岩谷時子 曲:弾 厚作(加山雄三) R:1971/12/01
 ※「雨のシャッフル」B面。
・緑の太陽 山口いづみ
 詞:安井かずみ 曲:馬飼野康二 R:1972/04/05 HC:32位
 ※高校中退後、渡辺プロに入社し芸能界入り。71年、TBS系「美人はいかが?」(TBS系)でドラマデビュー。72年1月にはフジテレビ系の昼ドラマ、ライオン奥様劇場「続・大奥の女たち」でドラマ初主演をし注目を集める。続く同年4月にこの「緑の太陽」で歌手デビュー。前年デビューした小柳ルミ子、天地真理とともに「新ナベプロ三人娘」として売り出され、また所属レーベルである東芝レコードも、同時期にデビューした小林麻美とともに大型新人として積極的なプロモーション活動を展開。事務所・レコード会社挙げての大々的な宣伝が功を奏し、この作品はオリコンチャートで最高32位にランクインするスマッシュヒットとなった。しかし、その後は何れも不発に終わり程なく女優業に完全に転向。女優としては、「大岡越前」「岸辺のアルバム」「江戸を斬る」(以上TBS系)「大江戸捜査網」(東京12チャンネル(現・テレビ東京)「雑居時代」「熱中時代」(以上、日本テレビ)など話題のテレビドラマ・時代劇に次々とレギュラー出演し人気を確立する。82年に結婚して以降、一時出産・育児専念のために女優業を休止していた時期もあったが、ここ数年は本格的に芸能活動を再開。主に2時間ドラマや1ヶ月の座長公演への客演を中心に活動している。

<1972年7月10日(第193回)>
・太陽の彼方 ゴールデン・ハーフ
 詞:タカオ・カンベ<訳> 曲:Lee Hazlewood 
 R:1972/05/25
 ※原曲はアストロノーツ「Movin'」。原曲はインストゥルメンタルのため歌詞はなし(但し、同盤の作詞者クレジットには「訳詞 タカオ・カンベ」と記載されている)。1964年にはこれに日本語詞をつけて藤本好一(演奏は寺内タケシとブルージーンズ)が歌い日本でもヒットした。
・急げ風のように 平田隆夫とセルスターズ
 詞:中村しのぶ 曲:橋場 清 R:1972/06/01
 ※フジテレビ系ドラマ「浮世絵女ねずみ小僧」主題歌
・夏のふれあい フォーリーブス
 詞:北 公次 曲:筒美京平 R:1972/07/21 HC:12位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)

<1972年7月17日(第194回)>
・バラを摘んだのはダレ ダーク・ダックス 
 詞・曲:敏 トシ R:1972/05/10
あなただけでいい 沢田研二
 詞:安井かずみ 曲:平尾昌晃 R:1972/06/25 HC:5位
 ◆年間チャート(72年)44位(24.1万枚)
・小麦色の少年 原美登利 R:1972/06/-
・涙によろしく 森田健作
 詞:阿久 悠 曲:鈴木邦彦 R:1972/07/05
 ※フジテレビ系ドラマ「あしたに駈けろ!」主題歌
・花を咲かせて 英 亜里 R:1972/-/-<詳細求む>

<1972年7月24日(第195回)>
・沖縄の女 北島三郎
 詞:星野哲郎 曲:島津伸男 R:1972/05/20 HC:96位
・雨のめぐり逢い ヒデとロザンナ
 詞:橋本 淳 曲:三原綱木 R:1972/08/10 HC:85位
・合言葉 伊丹幸雄
 詞:有馬三恵子 曲:加瀬邦彦 R:1972/07/21
・ポケナン・ポケタン・ポケット 岸部シロー
 詞・曲:クニ河内 R:1972/06/-
 ※69年に脱退・ソロデビューしたボーカル・加橋かつみの後任メンバーとして、GSバンド「ザ・タイガース」に参加したのを機に芸能活動を開始(因みにタイガースのリーダー・ベース担当であった岸部修三(のちにおさみに改称、現在は一徳に再度改名して俳優として活躍)は実兄に当たる)。71年のタイガース解散後、一部コアなファン層を獲得していた兄弟フォークデュオ「ブレッド&バター」と「シローとブレッド&バター」というユニットを結成し、タレント活動と並行してソロでの音楽活動を開始。LP「Moonlight」の一部楽曲、及びシングル「バタフライ」「野生の馬」を同ユニットで製作したが、同年末までに同ユニットの活動は自然解消。その後、「岸部シロー」単独名義で発表された作品がこの曲であり、同作以後の彼の音楽作品が存在しないことから、(現時点では)最初で最後の岸部の完全ソロ名義のシングル曲となっている。
赤色エレジー あがた森魚 
 詞:あがた森魚 曲:八洲秀章(/あがた森魚) R:1972/04/25 HC:7位
 ◆年間チャート(72年)37位(28.5万枚)
 ◆第5回(1972年)全日本有線放送大賞(夜のレコード大賞)新人賞受賞

 ※漫画家・林静一が1970年が発表した同名漫画をモチーフとして製作された作品。当時多くのフォーク歌手がテレビ出演を控える風潮が強かった中で、あがたはこの曲をひっさげて「ヒットスタジオ」に限らず他局の音楽番組にも積極的に出演。結果、それが功を奏してかデビューシングルでありながらオリコン最高位7位、総計50万枚の好セールスを記録した。
※シングル盤でのクレジットは、デビューの契機となった中津川フォークジャンボリーに出演した際のバンド名である「あかた森魚+蜂蜜ぱい」名義となっている。
 ※作曲者は形式的には八洲秀章となっているが、実際はあがた自身が作曲を手掛けている。八洲が作曲した1951年のヒット曲「あざみの歌」(歌:伊藤久男)と同曲が(特にイントロ部分の)メロディーが類似しているというキングレコードの判断により作曲者として八洲の名がクレジットされることとなったという。 

<1972年7月31日(第196回)>
 三善英史
 詞:千家和也 曲:浜 圭介 R:1972/05/25 HC:2位
 ◆年間チャート(72年)18位(38.8万枚)
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞新人賞受賞
 ◆第3回(1972年)日本歌謡大賞放送音楽新人賞受賞
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞新人賞受賞
・運がよければいいことあるさ 堺 正章
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/06/25
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
・何がどうしてこうなった 大信田礼子 R:1972/05/-
ひまわりの小径 チェリッシュ
 詞:林 春生 曲:筒美京平 R:1972/05/25 HC:3位
 ◆年間チャート(72年)15位(40.9万枚)
 ※チェリッシュは当初は5人編成のグループ編成で71年9月に「なのにあなたは京都へ行くの」でデビューしたが、3枚目のシングルであるこの曲から男女デュオの編成に移行。チェリッシュにとり初のベスト10ランクイン曲でもある。

<1972年8月7日(第197回)>
夜汽車 欧陽菲菲
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/08/05 HC:5位
 ◆年間チャート(72年)35位(28.9万枚)
・ブルージンの子守唄 萩原健一
 詞:阿久 悠 曲:加藤和彦 R:1972/07/01 
 ※日本テレビ系ドラマ「太陽にほえろ!」挿入歌
ゴッド・ファーザー ~愛のテーマ~
 詞:Rally Cusick/千家和也<訳> 曲:Nino Rota/前田憲男<編>
 R:1972/07/05 HC:9位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(2回)
 ※「こころの炎燃やしただけで」両A面。
 ※1973年度アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞・主演男優賞・脚本賞の3部門を受賞した不朽の名作映画「ゴッド・ファーザー」の主題歌「Speak Softly Love」(歌:アンディ・ウィリアムス)のカバー。

<1972年8月14日(第198回)>
・木屋町の女 青江三奈 
 詞:千坊さかえ 曲:花 礼二 R:1972/07/05 HC:35位
せんせい 森 昌子
 詞:阿久 悠 曲:遠藤 実 R:1972/07/01 HC:3位
 ◆年間チャート(72年)30位(34.6万枚)
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞新人賞受賞
 ◆第3回(1972年)日本歌謡大賞放送音楽新人賞受賞
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞新人賞受賞
 ◆第5回(1972年)全日本有線放送大賞(夜のレコード大賞)新人賞受賞
 ◆第24回(1973年)NHK紅白歌合戦出場曲(初) 
 ※日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」初代チャンピオン、森昌子のデビューシングル。
・恋唄 内山田洋とクールファイブ
 詞:阿久 悠 曲:鈴木邦彦 R:1972/07/25 HC:14位
 ※2007年に「前川清&クールファイブ」としてセルフカバー。

<1972年8月21日(第199回)>
・朝まで待って 朝丘雪路
 詞:なかにし礼 曲:筒美京平 R:1972/08/21
・黄色い船 岡崎友紀
 詞:橋本 淳 曲:筒美京平 R:1972/05/25
・夢ならさめて にしきのあきら
 詞:山上路夫 曲:鈴木邦彦 R:1972/08/21 HC:33位
・旅路のはてに 森 進一
 詞:林 春生 曲:馬飼野俊一 R:1972/07/25 HC:18位
芽ばえ 麻丘めぐみ
 詞:千家和也 曲:筒美京平 R:1972/06/05 HC:3位
 ◆第14回(1972年)日本レコード大賞最優秀新人賞受賞
 ◆第5回(1972年)日本有線大賞新人賞受賞

<1972年8月28日(第200回)>
・君にあげよう 井上順之(順)
 詞・曲:浜口庫之助 R:1967/07/15
 ※オリジナルはザ・スパイダース(ボーカルは井上順が担当)。
・華やかな孤独 佐良直美 R:1972/07/25
・めぐり逢う青春 野口五郎
 詞:大目方俊子 曲:馬飼野俊一 R:1972/09/01 HC:12位
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
・マイ・ウェイ(My Way) 布施 明
 詞:Gilles Thibaut/Lucien Thibaut/中島 潤<訳>
 曲:Claude Francois/Jacques Revaux
 R:1972/05/10 HC:25位 
 ◆第23回(1972年)NHK紅白歌合戦出場曲(6回)
 ※「愛すれど切なく」両A面。
 ※原曲は1967年に発表された「Comme D'habitudo」(ジャック・ルヴォー、クロード・フランソワが作曲)というシャンソン。これにポール・アンカが英訳詞を付け、当時ショービジネス界からの引退の噂が立っていたフランク・シナトラに1969年に提供したところ、アメリカ・ビルボード誌のヒットチャートで最高8位を記録する大ヒットに。その後、伝説的なパンクロッカーであるシド・ヴィシャスがレコード盤に吹き込んだり、エルヴィス・プレスリーがコンサートの定番ナンバーとしてこの曲を採用するなど、各国の人気アーティストにより広くカバーされ、世界的なスタンダードナンバーとして定着した。日本では布施のほか、加山雄三、真帆志ぶきらがアルバムにてこの曲を吹き込んでいる。

【司会】前田武彦・芳村真理

(参考)この頃の主な出来事
・07/01 ラジオの周波数の単位がサイクル(c/s)からヘルツ(Hz)に変更される。
・07/01 新日本フィルハーモニー交響楽団結成。10月からスタートしたテレビ番組「オーケストラがやってきた」(TBS)で視聴者にもその存在が浸透する。
・07/04 韓国、北朝鮮が南北統一で共同声明発表。
・07/06 自民党総裁選で三木武夫・福田赳夫・大平正芳との激戦の末に総裁ポストを手に入れた田中角栄が第64代内閣総理大臣に指名される。当時54歳、初の大正生まれ世代の総理大臣が誕生。
・07/16 大相撲名古屋場所、小結・高見山が優勝。史上初の外国人力士による幕内最高優勝。
・07/24 四日市ぜんそく訴訟、大企業による共同不法行為を認める判決を下される。
・08/- 毒物及び劇物取締法改正施行、シンナー吸引・所持などに罰金刑が課せられることに。
・08/02 カシオ計算機、世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」発売。価格:12,800円。発売開始からわずか10ヶ月の間で約100万台が出荷されるという記録的なヒット商品に。
・08/10 アメリカ軍の地上戦闘部隊の南ベトナムからの撤退作業が完了(~11日)。
・08/26 第20回夏季オリンピックが西ドイツ(当時)のミュンヘンで開幕。122カ国・7147人の選手が参加し、五輪史上最大規模の大会に。
・08/31 ダイエー、売上高で老舗の三越を抜き小売業1位に躍進。
・08/31 ハワイにて日米首脳会談開催。ニクソン側はトライスター機導入を希望し、これが後のロッキード事件につながる。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿