Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年3-4月号 コミュニティーを震撼させた妻殺し事件

2009年08月16日 | 和平と治安
3月19日朝、男が妻を殺害し二人の子ども達が残された事件は、コミュニティーに大きなショックを与えた。

2009年3月19日、カクマの住人達は目覚めてすぐに、若い母親が発狂した夫の手で殺されたというニュースを知った。

家族への配慮のために名前は伏せておくが、二人の子どもを持つ殺害された若い母親はケニア東部のカンバ・コミュニティー出身だ。目撃者の一人によると、母親はこの朝いつもより早起きをして、子ども達を学校に行かせる準備をしていた。水を汲みに行き、近くのホテルでマンダジ(甘い揚げパン)を買い家に向かった。

その20分後、目撃者によると「駆け込んできた人に、こんなところで何をしているんだ。あんたの仲間のカンバ人が家の中で殺し合っているぞと言われた」という。

そこで現場に行ってみると、家は中から鍵がかけられていて、ドアの下から血が流れ出ていた。

「何かまずいことが起きているってことがわかった。すぐに警察が来て、ドアを破り家の中に入った。目にしたのは最悪の事態だった。死んだ女性が床に横たわっていた。その体には無数の切り傷があり、その傍らで夫が意識を失っていた」と目撃者は語った。

女性はまず警察署に運ばれ、それからロドワー地区病院の遺体安置所に移された。夫はカクマ・ミッション病院に収容され、現在も治療を受けている。夫の胃には深い切り傷があり、これは事件当時に毒を飲んだためだと思われる。夫は徐々に意識を取り戻しつつあり、医師の診断によれば、時間が経てば回復する見込みだ。

死亡した女性の子ども二人は、10歳未満の男の子と女の子だが、ケニアのイースタン・プロヴィンスに住む母方の祖母に引き取られた。母親の遺体は3月23日月曜日に、イースタン・プロヴィンスの実家で埋葬された。殺人犯の夫は子ども達の継父だった。

殺害された女性はNGOの建物内にあるGTZ(ドイツ連邦政府技術協力公社)のカフェで調理人として働いていた。夫の方はLWF(ルーテル世界連盟)の食堂で接客係として働いていたが、最近は失業中だった。

犯人は現在警察の監視のもと、病院のベッドにいる。病院に見舞いに行った人によると、男は妻のことを聞かれると、妻が自分をナイフで刺し、やぶの中に逃げこんだと言い張っているとのことだ。やぶの中を探して欲しいと見舞客に頼んだともいわれている。

コミュニティー内では、この事件には何か呪術のようなものが関わっているのではないかとの噂が広まっている。カンバ・コミュニティーで呪術が行われている事は広く知られている。特に男女関係に関して、呪術が使われている。だが、単に犯人の気が狂っていただけだと主張する人々もいる。

一般的には、2008年7月にケニア警察一般サービス隊が警察に配備されるようになってから、ケニアの治安は改善されてきている。


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