Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2008年12月号 難民が作ったNGO――社会福祉への創造的アプローチ

2009年05月15日 | コミュニティーとカルチャー
【写真】メンギスツ氏 代表を務めるNGO、HVVSの前で

カクマ難民キャンプは、多くのNGOの恩恵を受けている。NGOは人道的活動を包括的に行っていて、難民コミュニティと地元のコミュニティに無料でサービスを提供している。医療施設、食糧配給、教育、職業訓練、カウンセリングなどがその活動として挙げられる。しかしながら、コミュニティに根付いた組織やボランティアのサポートがあると、より効果的に福祉サービスを提供でき、より大きな成功を収められることが分かってきた。

今日はこの記事で、Hope for the Vulnerable Voluntary Service (HVVS)という組織を紹介したい。HVVSはコミュニティに基盤を持つ組織の一つで、エチオピア人、ブルンジ人、コンゴ人、ルワンダ人、ウガンダ人、ソマリア人、そして地元のケニア人らによって2007年の終わりに設立された。

HVVSの責任者、ネガシュ・メンギスツ氏に会って話を聞いた。「HVVSには独自の目標があります。主な目標は、弱い立場にある人々の能力をトレーニングによって高めること、そしてキャンプ内で行われている活動へのコミュニティの参加を促進することです。弱い立場にある人々を守り、彼らの権利が尊重されるように提言しています。さらに私達は独自に開発した、情報・教育・通信(IEC)教材を使って、HIV/エイズ分野の啓蒙活動もしています。また、在宅ケアを提唱することで、HIVに感染した人々の支援を行っています」

メンギスツ氏はさらに、彼の組織がどのように展開してきたかを話した。「一番活発に動いていた頃は、HVVSは実に多くの活動を行いました。コミュニティの人々を動員したり、環境美化に取り組んだり、国際救援委員会環境プログラムと協力関係を確立したり、弱い立場にいる人々のニーズを各機関に報告したり、そのような人々のシェルターを補修したり、問題を抱えている難民の話を聞いてアドバイスしたりといった活動です」

このような精力的な活動が多くの難民をHVVSに引きつけたとメンギスツ氏は言う。「これまでに、様々なコミュニティから25人もの新しいメンバーが加わっています」と彼は強調する。

ここまで発展させるのは必ずしも容易ではなかったという。「確かに今ではこれほど立派になっていますが、簡単ではありませんでした。たくさんの困難がありました」と彼は振り返った。「現在の最大の困難は資金不足です。言うまでもなく、どんな活動も資金がなくては成り立ちません。しかしボランティア団体からの資金提供は減っています。私達はこのグループから資金を集めようと頑張りました。私達の組織の良い面を評価してくれた人が何人かいて、なんとか100,000ケニアシリングを集めることが出来ました」

カクマ難民キャンプにある組織の数々は、私が働いているこの10年間で最も苦しい財政状況に直面している。資金の減少により様々な部署で人員が削減されてきた。この人員削減により、過去に比べ活動が減っているのが見て取れる。HVVSは、こうして減少した活動を埋めるだけの十分な潜在能力があることを示してきた。この点を考慮して、カクマのNGOやUNHCRは、HVVSのようなコミュニティに根付いた組織に注目し、必要に応じて支援して行くべきだ。コミュニティの中の組織やボランティアを鼓舞し、一から築き上げるように促すべきだろう。



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