Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2013年12月号 住宅火災で子供3人が犠牲に

2014年08月09日 | 最新ニュース
ソマリアで住宅火災が発生。3人の子供が犠牲になり、一家は悲しみに暮れた。
カクマ難民キャンプのカクマ1ゾーン1ブロック1にある住宅で、12月11日水曜日の午後遅く突然火災が発生し、3人の子供が救助されずに死亡した。

近隣住民は、家や家財道具を守ろうと奮闘したが、その努力は報われなかった。「子供達が助けを求めて叫ぶ声は聞こえたが、近隣住民はそれをいつもの遊び声だと思った。しかし、猛烈に燃える火を目の当たりにしてショックを受けた」とソマリア人女性は話した。

火災発生時、母親は病気の子を徒歩10分ほどの距離にある最寄りのキャンプ内病院に連れて行くため外出していた。他の子供達は家に置いて行ったため、家にいるのは子供達だけの状態だった。母親は、子供達が外に出られないよう鍵をして閉じ込め、精神疾患のある1人の子供は安全のため椅子に縛り付けていたと言われている。
「火災の原因は特定できていない。母親が息子を椅子に縛り付けていた理由については、彼が精神的疾患を持っていたということ以外はわからない」と火災現場で地元警備員はKANEREに話している。

不幸にも火事は母親が知らないうちに発生し、子供達の命を奪っただけでなく一家の全財産も消失してしまった。現場に残されたのは、焼け焦げた棒や溶けた鉄板だけだった。

子供達の母親、カディジャ・アブディ・アフメッドさんが帰宅すると、数百人の人々が必死に消火しようと奮闘していた。救命隊員は、カディジャが3人の子供が中にいると叫びながら炎の中に飛び込んで行くのを見てはじめて、家の中に子供がいることを知った。


〔写真〕現場を検証する近隣住民

同じ区画に住む数百人の住民が救助に駆けつけた。現場を目撃したアブダラ・モハマド氏によると、カディジャは子供を助けるために火の中に飛び込んで行き、彼女を追って2人の男性も家に入って行った。そして、そのうちの1人がカディジャの娘の遺体を抱えて出てきたという。

火災発生から約30分後、警察のパトロールカーが3人の子供の遺体と母親をカクマ難民キャンプ病院に運んだ。
アブダラ氏によると、3人の子供達は火事によって焼死し、母親は一酸化炭素中毒により昏睡状態になった。カディジャはその日から、火災によるやけどと、子供を失った心的外傷と鬱状態のため入院し、コメントを求めることはできなかった。


〔写真〕 焼け焦げた残骸

火災現場では、衣服、テレビ、その他の家財道具が元の形がわからないほど焼け焦げ、家の床は黒い灰で覆われていた。夕方になり、危険な残り火を鎮火するための作業が行われる中で、ベッドや寝具がまだ燃えているのが発見された。

3人の子供、モハメド・フセイン・アブドゥラヒ(8歳)、ナステホ(5歳)、スメヤ(3歳)は同日午後6時から9時の間に埋葬された。

難民キャンプの住居はかやぶき屋根と乾燥した木材をゆるく組んだ塀でできていて、火が着くとすぐに燃え広がる造りだ。難民キャンプは緊急対策用の仮設住居のはずだったが、何十年もそのまま存在し、難民はこの老朽化した仮設シェルターに住むしかない。

キャンプの警備員によると、火事の原因はすぐには特定されなかったが、放火による火災の可能性があるということだった。キャンプの担当者は、火事が発生した直後から大きな煙が見られたことから、未特定の誰かが家の屋根に火を付けた可能性が高いと発表した。「私が煙を見て家から飛び出すと、家が屋根から燃え出しているのが見えた」とモハメド・カルノール氏は説明している。

KANEREが察官から聞いたところでは、放火に関する継続的な調査にもかかわらず、火事についての明確な報告はなされなかったという。しかし、キャンプの情報担当者と話す中で、電気系統の問題で火災が発生した可能性があるということがわかった。情報担当者は「火事の原因は床に這っていた電源回線のショートだと思われる」とKANEREに語った。

カクマでは、数回の火災が発生している。2011年1月には破壊的な火災がカクマ1の32区画もの住居地域に広がり、6人がキャンプの病院に収容された。

参照:KANERE2010-11年冬号「大火災がカクマの家屋密集中を破壊」


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