Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2014年3月号 火災の発生

2014年08月19日 | 最新ニュース
大きな火災が発生し、多くのキャンプ住民が心配を募らせた。

1月から2月にかけて、カクマ難民キャンプで10件以上の火事が報告された。

去年とは違い、2014年は最初の3ヶ月ですでに激しい砂嵐を複数回経験していて、それがキャンプ居住区内の数カ所の火災につながったとされている。いずれの大火災でも、一軒の家の火事が空高く燃え上がって近所に類焼し、強い砂風のせいで簡単に広がった。

2月18日2時30分、カクマ2ゾーン1ブロック6で南スーダン人家族の家が火事になり、何の救援もなく、全て灰と化した。

報告によると、3人の子どもがいる未亡人アンガー・ドウェルが、午前中に食料の配給を取りに行っている間に、家が火事になり、持ち物すべてをなくしたという。朝のうちに出てきた家が跡形もなく消失したと聞いて驚愕している、とアンガーは話した。彼女の2歳の女の子はひとりで家にいて、火事が起きた時は寝ていた。幸い、幼児は左腕にかすり傷を負っただけですみ、カクマ3の第5診療所で手当てを受けた。

「娘は助かりました。私は食料配給センターに4時間あまりいたのですが、さっき出てきたばかりなのに、その家がもうないと知らされたんです」とカクマ2でアンガー・ドウェルはKANEREに語った。

「ただただびっくりしました。こんなことが起きるなんて想像もしませんでした。私は火を使わなかったし、あの日は家に食料がなかったので、朝食すら料理していないんです」と彼女は言う。

KANEREが見た警察の公式報告によると、以下の物が見分けもつかないほど燃えていた。ベッドシーツ3、マットレス1、ブランケット2、マット3、テント上部2、蚊帳1、5000ケニアシリング相当のノキア携帯電話1、それに現金2000シリングなど。火災当日、家に置いてあったものである。

アンガーの夫はハルツーム政府軍にいて、2010年に戦死した。アンガーは南スーダン人なので、夫の死後、非常に不安になり、翌年、5才の男の子と4才、2才の女の子の3人の子どもを連れてケニアに逃げた。アンガーによると、夫の死後の生活はとてもみじめなもので、キャンプでは子供たちをひとりで育てている。

アンガーの努力にも関わらず、火事の原因をつきとめることはできなかった。火災以来、家族はかやぶき屋根の家が消失した空き地で暮らしている。UNHCRの現地ユニットとそのパートナーがシェルター提供の担当だが、事件から2週間近くたつというのに、いまだ何もなされていない。


【写真】 火災現場

これとは別に、1月17日の深夜2時頃、カクマ2ゾーン1ブロック9で、同じ敷地内の2軒の住居で火災が起きた。夜の火の手は急激に広がり近隣の屋根に飛び火して建物のほとんどが焼けた。この3軒の被害者はソマリ族コミュニティー出身で、衣類、家具、家族の書類など多くの家財を失ったと嘆いている。火事の原因は特定できなかった。

別件で、1月14日午後4時にカクマ1ゾーン1ブロック10でソマリ族の新婚夫婦の住宅が焼け、他の7軒の住宅にも燃え広がり、計り知れない額の財産を消失した。コニュニティーの介在は早かったが、火災警報が出されたのは、住宅の屋根を火が覆ったあと、人々が叫びはじめてからだった。同じブロックの住人が100人以上出てきて、水や土砂で火を消した。

その住居区域は「安住の地」と呼ばれているイエズス会難民サービスのデイケアセンターから数メートルしか離れていない。デイケアセンターの垣も炎が嘗めたが、警備員が真っ昼間の激しい火事を必死になって防いだ。この「安住の地」は、強姦による被害者やキャンプで起きる性的暴行の被害者に住居を提供するセンターである。

火事騒動は莫大な額のケニアシリングと財産の喪失を生んだ。しかし中には、被害者による火の不始末が原因の場合もある。去る12月にも、カクマ1ゾーン1ブロック4で3人のソマリ族児童が住宅火災で死んでいる。

KANEREは該当する人道支援団体に対し、残酷な火災からキャンプ住民を守るため、難民コニュニティーに消火器を提供するよう勧告したい。


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