月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『陽春大歌舞伎』(昼夜同一狂言)@御園座・4/15昼の部

2006-05-07 03:53:41 | 歌舞伎Review
4月の観劇なので今更ですが(書くタイミングを逃してました/汗)幸四郎さんの勧進帳800回記念でさらっと書いときます。

  

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
一幕 鶴ヶ岡八幡社頭の場  あらすじはコチラ
<主な配役>
梶原平三景時:市川染五郎/娘 梢:市川高麗蔵/青貝師 六郎太夫:松本錦吾
俣野五郎景久:坂東亀三郎/大庭三郎景親:中村歌六
囚人 剣菱呑助:市川寿猿/奴 菊平:坂東亀寿

3月に『決闘!高田馬場』を観たばかりでその余韻冷めやらぬ内に、安兵衛と六郎左衛門とにら蔵がメインキャラの『石切梶原』観劇と相成りました(笑)
もちろん当のご本人たちにはそんな余韻は影も形もなく、それぞれ名将梶原景時で、、気概のある実直な職人で、親思いの優しい娘でした。

染五郎さんは生締めの鬘がよく似合ってて、カッコイイ
イイ男は得だねえ(ってそれだけじゃないけどね)
踊りが上手なひとなので、刀を構える等の要所要所の所作がとっても綺麗にキマリます。
途中、台詞がなく座って目を瞑ったままじっと待つ場面があるんですが、これが結構長くて、染五郎さんの頭が1回だけ少しふらっとしたので「寝てるのか?」と思ってしまいました(ホントのとこどうなんだろ)
あと、半目というか殆ど目を瞑ったに近い状態で、下緒をくるくると刀の柄に巻いて柄巻きを作っていくのに驚き~~
刀の銘の“八幡”の文字がオペラグラスなしではっきり見える席で、久々にフツーにカッコイイ(笑)染五郎さんをじっくり眺めさせていただきました。

高麗蔵さんは、にら蔵もよかったけど、やっぱり女方のほうがいいわ
女方の姿見てると、にら蔵が夢だったんじゃないかと思いました(笑)



本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 狐火
<主な配役>
八重垣姫:中村芝雀

滅多に通しで上演されることのない『本朝廿四孝』の最後の段『狐火』
『狐火』だけの上演の場合、八重垣姫の踊りを堪能するという感じです。
上杉謙信の娘・八重垣姫が、政略結婚で許婚となった武田勝頼(信玄の息子)の危機を、諏訪大社の神霊の狐火に導かれて救いに向う、という内容。
いつもは義太夫ですが、今回は常磐津での演奏でした。

ただただ、若々しく綺麗な芝雀さんの八重垣姫をぼーーーっと眺めるのみ(笑)
踊りだけのものって眠くなることが多いけど(汗)これはそれほど長くないので、雪景色の舞台演出と、衣装の美々しさと、芝雀さんの素敵な踊りを堪能
着物ならではの引き抜きは何回観てもいいですね~~~
赤から白への一瞬の早代わりは目にも鮮やかでした。



歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)  あらすじはコチラ
<主な配役>
武蔵坊弁慶:松本幸四郎/富樫左衛門:市川染五郎/源義経:中村芝雀
亀井六郎:市川高麗蔵/片岡八郎:坂東亀三郎/駿河次郎:坂東亀寿/常陸坊海尊:松本錦吾

共同通信 弁慶役800回を達成 歌舞伎の松本幸四郎さん
オットが平日休みじゃないので、800回達成の6日(木)の観劇は断念
幸四郎さん813回目の弁慶拝見となりました。
東京じゃありえないけど、高麗屋親子の共演は名古屋では10年ぶり。

ただただ感動して観てました。
“山伏問答”&“詰寄”の、親子ならではのぴったり合う呼吸の見事さ。
振る舞い酒の場面のコミカルな弁慶。
長素枹を捌く姿も凛々しく美々しい富樫。
上手の義経が、下手の弁慶にすっと右手を差し出したときの、その存在感(この場面で不覚にも涙が………もちろん超感動シーンなんだけど、泣けたのは初めて
そして、飛六方。
2列目センターだったので花道からはちょっと離れていたものの、最初から揚げ幕に飛び込むまでの全体をを眺めるにはほどよい距離でした。
TVで観た時にも改めて思ったけど、飛六方って意外と早くあっさり引っ込むのよね。
もっと“溜めて”もらってゆっくり味わいたいなーと思いつつ、そんなことしたら“飛六方”じゃなくなるわ役者が大変だわで、いいことなしだ
とにかく、いいものを見せていただきました。
高麗屋の『勧進帳』、次回はいっくんが太刀持ちかな(っていつの話
その頃には弁慶1000回達成してるんでしょうか………
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