神々のいる山を訪ねる

巡礼登山家を目指して修行中、 一人淋しく霊山を訪ね歩いています。

二上山

2008-08-21 14:03:58 | 奈良の山
万葉のむかし、「ふたかみやま」と呼ばれた二上山は今なお大和の風景を象徴する特徴的な二つの峰、雄岳、雌岳からなる。山容は優美で柔和な姿の中に怪しいロマンの香り漂う不思議な魅力を合わせ持った山でもある。



 折口信夫著「死者の書」は謀反の疑いで処刑され二上山に葬られた大津皇子が蘇り同じく麓の当麻寺の中将の姫の魂と交感する時空を越えた幻想的な世界を描いている。

大津皇子 (おおつのみこ)
天武天皇の第3番目の皇子、母は天智天皇の子。686年、天武天皇の死の直後、謀反の疑いを掛けられ葬られた悲劇の皇子。風貌に優れ、文武に秀で、人臣から慕われ、僅か24才での無念の死・・・・。持統天皇が自分の子供である草壁皇子かわいさに、全てにわたって優れていた  大津皇子に嫉妬した? 壬申の乱の再現を恐れた? この悲劇は 古代天皇制を確立するため生まれた必然だったのかもしれない。亡骸は二上山に葬られた


雄岳頂上の大津皇子の陸墓

「うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む」 姉の大伯皇女がその時詠った歌


鳥谷口古墳

二上山の麓、当麻山口神社から馬の背に向かう途中、整備された鳥谷口古墳がある。 大津皇子のお墓は雄岳山頂にあるが 実はこの古墳が本当の墓ではないかという説もある。 

 
馬の背から眺めた雄岳

雌岳はハイキング用に整備されて明るい雰囲気だが 大津皇子のお墓のある雄岳はあまり登られていないようでどことなく淋しい・・・。 

最近腹立たしいのは、地方の主だった山の頂にある、テレビ局やNTTなどアンテナの林立だ。 さすがに三輪山と二上山にはないが、私有地の場合、地方自治体の馬鹿な担当が民間に阿って許可したらそれもやむなし・・・。吉備の中山のように山頂に宮内庁管轄の御陵がある事に不満もあるが逆説的にはおかげでNTTのアンテナが建たない利点もあるわけだ。 生駒山や本宮山など目も当てられない!


本宮山:砥鹿神社奥宮が鎮座する御神体山
ドコモ、テレコム、TV愛知、東海TVのアンテナが林立、これじゃ、神様どこかに逃げてしまう・・・。


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