猫に腕枕

腎不全の猫と暮らした日々+

頑張らないでいい時期

2005年10月10日 | 腎不全猫闘病記録
今日も体調の良くないゆずを連れて動物病院へ行った。
待合室で待っている間ぐったりしているゆず。
時折キャンキャン鳴く犬の声にビクッとするので
ずっと撫ぜて落ち着かせる。
ああ、犬と猫で待合室を分けてほしい・・。

診察は主治医のI先生。
体重はシッコが溜まっているものの3.6kgで前回と変わらず。
体温は38度で熱は下がっている。

自分ではご飯を全く食べないこと
だから猫缶を指で掬って無理に口に入れてること
お水も自分では全く飲まないこと
シッコの量・回数とも減っていること
日に1、2回薄茶色の液体をゲーすること
時々息が荒いこと
ほとんど動かないでずっと寝ていることをお話した。

先生は一通り触診をした後にこう言った。
 『血液検査は前回したばかりなので今日はしませんが
 BUNが高いと息が荒くなるので、BUNが上がっている可能性が高いです。
 今1回190mlで輸液してますが、ちょっと増やして200でやってみましょう。
 熱は下がってるのでバイトリルは1日おきに変更します。
 飲ませるタイミングもアルサルミンと一緒にして下さい。
 強い薬なので効き過ぎてしまうのが心配なんです。
 バイトリルは尿で排泄されるので、おしっこが減っていると
 体内でたくさん吸収されてしまいますから。
 あと少しでも食べてもらいたいのでペリアクチンを再開しますね。
 ・・・ゆずちゃん、だいぶ体調悪くなってますね。
 ただ、打てる手は全部打ってきているので
 今出来ることはもうあまりないんです』

それは私もここ3日ずっと考えていたことだった。
もう、してあげられることはあまりないんじゃないか。
それなのに頻繁に病院に連れていくのはどうなんだろうかと。
だから思い切って言ってみた。
「出来ることがほとんどないのであれば
 次回の通院、木曜ではなく土曜にしてもいいですか。
 今、週2回で通院していますが、通院回数を減らしたいんです。
 具合が悪いのに時間をかけて病院に連れてくるより
 家で寝かしておいてあげた方がゆずにはいいように思うんです。
 もちろん、大きく体調が変化した時はすぐに連れてきます」

先生はすんなり了承してくれた。
ただ『おしっこが出なくったら、その時はすぐに連れて来て下さい。
  急に全く出なくなるのでわかると思いますが
  そうなったらすぐに利尿剤を投与しないと危険ですから』と言った。

「利尿剤は、薬ですか?注射ですか?」と訊くと

『飲み薬もありますが、そこまで悪くなっていると飲めないと思うので
 注射で、静脈点滴で入れていきます。』と言う。

入院は避けたい。
去年、ゆずは3回も入院したけれど、去年はまだ出来ることがたくさんあった。
エリスロポエチンの注射だって、静脈点滴だって、まだ効果が望める状態にあった。
入院して元気になる可能性があったからリスクがあっても入院を決断できた。
でも、今はどうだろう?
ターミナルケアは、何よりもバランスを取ることが大切だ。
リスクと効果。生活の質。
去年とはもう状況が違う。

だから、もう1度思い切って言ってみた。
「静脈点滴ということは、入院ですよね?
 入院しないでは出来ないでしょうか?
 もう、入院させるのは可哀想です。
 もちろん、それだけ体調が悪いから入院するんですが
 入院中にゆずに何かあるのが一番嫌なんです。
 最期は家で過ごさせてあげたいんです」

先生は『ゆずちゃんは十分頑張ってきましたよね。
 そういうことであれば、注射と内服薬で対応しましょう』
 と言ってくれた。

そう、ゆずはもう十分過ぎるくらいに頑張ってきた。
もう頑張らないでいい時期にきたのかもしれない。

ただ、輸液と投薬はゆずの体が受け付けてくれる限り続けるつもりでいる。
ご飯も色々工夫して食べてもらうつもりでいる。
生きる気持ちを可能な限り最期までサポートする。
私が頑張ることは変わらない。

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病院から帰宅後、小さく千切ったイカのお刺身をあげてみた。
ゆず、目の色を変えて2切れだけペロリと平らげた。
その後、サイエンスダイエットシニアの缶詰を20gほど指で口に入れる。
あまり無理して吐いてしまうのが怖いので
今日のご飯は終了。
カリカリはいつでも食べられるよう数種類を出しておいた。

どうかもう苦しくないように・・・
寝る前に気合を入れて念じた。

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