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猫に腕枕

腎不全の猫と暮らした日々+

エリスポ時のプレ投与について

2006年05月01日 | 腎不全猫(貧血治療)
以前、貧血治療と免疫抑制造血効果という記事をの中で
「エリスロポエチンの注射時期に合わせ、免疫抑制をかけエリスポの抗体を出来にくくする目的で、プレドニゾロン(ステロイド)を服用した」と書きました。

ブログを読んで下さっている方から
「こうした治療方法は一般的なのでしょうか?」という質問を受けたので
ゆずの主治医であったI先生に質問のメールを送ったところ
お返事を頂いたので、ここに転載します。

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《エリスロポエチン時のプレドニゾロンの投与について》
その目的でプレドニゾロンを併用していたのは後半の方ですよね。
最初にことわっておきますが、これは一般的な使用法ではありません。
ただし、エリスロポエチンに反応しなくなった場合の対処法は
現時点ではガイドラインは何も無いのが現状です。
出来ることは輸血のみといわれています。
ただし、誰もが輸血のみで維持できるとは思えませんし
体への負担が大きくなりすぎると思います。
ですので、その方法での維持は通常おすすめしません。
治療のコンセプトが生活の質の維持(QOL)にあると思うからです。

それで、ゆずちゃんにとって最重要事項は
将来確実におきる貧血をできるだけ遅らせることだと考えていました。
(BUNなどは最悪でも入院して点滴すれば数日で下がりましたし)
でも通常の治療ですと何も出来ることがなくなってしまいましたので
エリスロポエチンにプレを併用することでマイルドに
免疫抑制できれば何とかなるだろうと思い使用していました。
ただゆずちゃんの場合はプレドニゾロンの量は免疫抑制量の
半分くらいでしか使っていませんでした。
腎不全であれば通常免疫力が低下するので感染症には
かかりやすくなります。ですのでマイルドにしていました。
しっかり免疫抑制するとデメリットがはるかに上回るでしょう。
かなりゆずちゃん用にアレンジしていた治療法でしたので
誰しもが使えるものではありません。

ところでプレドニゾロンを使いたがらない先生は
確かに多くいます。デメリットもありますから他の方法で
問題を解決できるのであればそちらを先に試すはずです。
自分は生活の質を上げるために必要と感じたら
躊躇無く使いますけどね。
腎不全だと食べることが一番大事ですし。
ただしFIV,FeLV、FCV,FHV,ヘモバルトネラ
などの感染が無ければの話ですが。

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先生からの回答は以上です。

ゆずの場合、最初の静脈点滴入院時に既に貧血がひどかったため
輸血もエリスポも開始しなければならない状態にありました。
腎不全の治療開始時から、尿毒症対策だけではなく貧血対策も
していかなければならない状況にあったのです。
また、ゆずは腎臓以外の臓器には全く問題がありませんでした。
だから大量の皮下輸液も可能でしたし
プレドニゾロンにも強かったのではないかと思います。
腎不全と一口にいっても、猫さんによって容態は様々です。
ゆずはずっと高値でしたが、かなり長い間、元気・食欲が衰えることなく
安定して過ごすことができました。
痙攣発作も1度も起きませんでした。

腎不全の治療は個々の猫さんの状態によって
また診ている先生によっても違ってくるのだと思います。
コメント (3)
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貧血治療と免疫抑制

2005年05月26日 | 腎不全猫(貧血治療)
腎不全に貧血はつきものだ。
ゆずもそう。

ゆずは貧血治療でエリスロポエチンの注射を過去3回
(2004年6月13日~7月22日、10月28日~12月14日、2005年2月1日~3月3日)
いづれも週2・3回ペースで使っていた。
今回は4回目のエリスロポエチンになる。
ゆずにエリスロポエチンの抗体が出来ていなければ
今回も貧血は改善されるだろう。

『ぎゃおす王国』の体験掲示板によると、エリスロポエチンを長期に渡って使用できる猫の割合は44~50%だという。
長期というのがどのくらいの期間をさすのか不明だが微妙なパーセンテージだ。

主治医にエリスロポエチンの効果はどのくらいまで期待できるのか訊いてみた。

理論上初回は必ず効果がでるそうだ。
(理論上と断わるところがミソだが、一応今まで診てきた猫は全て効果がでたらしい)
しかし、エリスロポエチンは人用を猫に使っているため(猫用は現在ない)
ずっと使い続けていると体内に抗体が出来てしまう。
そして、いったん抗体が出来るとエリスロポエチンは効かなくなる。
だから、プレドニゾロン(ステロイド)を使って免疫抑制をかけ抗体を出来にくくする。
ゆずの場合、過去3回のエリスロポエチンの注射時期に合わせ、プレドニゾロン(ステロイド剤)も服用した。
ゆずが未だに抗体が出来ないのは、体質もあるかもしれないが、プレドニゾロンの効果も大きいのだろう。
しかし、主治医によれば、このように薬で免疫抑制をかけることは、必ずしも良いこととは言えないそうだ。
だから、プレドニゾロン(ステロイド)は個々の状態をよくみた上で使うかどうか決めるらしい。
ゆずの場合、初回と2回目の貧血治療の時、口内炎でご飯が食べられない状態だったため、口内の痛み止め + 食欲増進も兼ねて、プレドニゾロン(ステロイド剤)を服用した。
一石二鳥の効果を狙ったわけだが、実際効果は抜群だった。
今回は口内炎の症状は出ていない。
しかし免疫抑制を狙ってやはりプレドニゾロンが処方された。
ゆずにはメリットの方が大きいとみたからだろう。
それでも、いつかはエリスロポエチンが効かなくなってしまう時期がくるのか・・・。
抗体が出来る時期については個体差があるため
いついつまで効くとはいえないそうだ。
一瞬、うちの病院での最長記録を聞こうかと思ったが
答えを聞くのが怖くなってやめてしまった。

ステロイドといえば副作用が心配される薬ではあるが、上手につきあって
なるべく長く穏やかにゆずが暮らせるようにしていきたい。

(注:ゆずの場合、エリスロポエチンの注射を中止するのに合わせて
ステロイドの服用も中止している。やはり長期の連続服用は避けているようだ)

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ご飯:サイエンスダイエットシニア(ドライ)、甘エビ刺身
お薬:ネフガード2粒、パルドマイシン1/2錠、プレドニゾロン1.5錠
輸液:ソルラクト250ml

ゆず、プレドニゾロンの食欲増進効果か、カリカリを良く食べる。
昨日はナチュラルバランスもつまんでいたが、やはりお好みはサイエンスダイエット。
今日はひたすらサイエンスダイエットをお召し上がりに。
元気はあるが、散歩中に土を舐めるのは変わらない。
まだエリスロポエチンの効果が出ていない模様。

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追記1:
貧血治療にはエリスロポエチンの注射の他に輸血がある。
エリスロポエチンが効果が出るのに通常1ヵ月かかるのに対し
輸血はすぐに効果が出ることが最大の利点だ。
ただ輸血というのは血液型を合わせていても
異物を体に取り込むことになるのでショック症状(呼吸困難、血尿、最悪そのまま危篤)が出る可能性が高い。
だから、しないで済むならしないに越したことはないと思うのだが
ゆずはPCVが13%を切ってグッタリしてしまった時に輸血をした。
速攻性のある輸血で一気にPCVを上げ
エリスロポエチンの効果が出るまでの期間を持たせたのだ。
1回目の輸血はかなり効果があったと思う。
2回目の輸血も効果がなかったとは思わないが、1回目ほどPCVはもたなかった。
(たった1週間で輸血前のPCVに戻ってしまったのだ・・・)
個体差はあるだろうけれど、輸血も何度も使える手ではないと思われる。
そのあたりのことに関してはこちらの記事に少しだけまとめている。

追記2:
エリスロポエチン接種時にプドニゾロンを投与するという治療は
一般的なもの(どの猫さんにも合うもの)ではないそうだ。
詳しくはこちらの記事を参照のこと。

追記3:
エリスロポエチンの投与時期についてのアンケートが
こちらのページ(http://nekojiiya.jimdo.com/)で行われています。
エリスロポエチンについて、じいやさんがかなり詳細な説明を掲載しています。
またアンケート結果は今頑張ってる猫さんの役にきっと立つことと思います。
よかったらご一読下さい。
コメント (6)
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土を舐める

2005年05月10日 | 腎不全猫(貧血治療)
ちょっと気になることがある。
散歩の時、ゆずが土を舐める。
昨日も舐めていた。
そして今日も。
何か悪いものを飲んでしまっては嫌だから
すぐ止めさせるのだが、ゆずは怒って
「ギャウンッ」と鳴く。
そして制止を振り切ってまた土を舐める。
これは、なに?

以前にも散歩中に細かい砂利を食べようとしたことがあった。
その時も2,3日続いた。
病院で聞いてみたけれど(確かM先生)原因はわからなかった。
ただ「そういうものを口に入れるのは良くないから
食べないよう気をつけて下さい」とは言われたけれど・・。
なんだろう。貧血と関係あるのだろうか。
土や砂利って鉄分入ってたっけ・・?

ちょっとネットで検索。
「貧血の猫に稀に土やコンクリや石などを舐めるという症状があらわれることがある」
という記述を見つけた。
やっぱり、貧血が進んでいる可能性が高い。
あともう一つ気になる記述を見つけてしまった。
「お腹に異物(腫瘍など)がある時も変わったモノを食べることがある」
ああ、そんなの嫌。
先々週から指摘されている粘膜の白さからいって、貧血の方が可能性は高い。
次回は暴れてても血液検査をしてもらわなければ・・。

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ご飯:サイエンスダイエットシニア(ドライ)、ミオあわせ造り(缶)
お薬:ネフガード2粒、塩酸ドキシサイクリン(パルドマイシン)1/2錠
輸液:ソルラクト250ml
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造血効果

2005年01月23日 | 腎不全猫(貧血治療)
1月18日の通院時、先生に何気なくした質問のせいで
プレドニゾロンに造血効果があるのかないのか
すっかり分からなくなってしまっていたのだが(1月19日の日記参照)、
1月22日の通院時に一応疑問を晴らしてきたので忘れないうちまとめておく。

回答してくれたのはロマノフ先生。
結論から言うと、プレドニゾロンにも少しの造血効果はあるそうだ。
しかし、エリスロポエチンほどの顕著な効果はないため、
造血目的でプレドニゾロンを処方することはないそうだ。
やはり造血にはエリスロポエチンが一番有効らしい。
もちろんI先生が言ったように『プレドニゾロンには免疫を抑える作用があるので、エリスロポエチンの抗体が出来てしまうのを抑える目的で、エリスロポエチンの注射に合わせてプレドニゾロンを服用すること』はあるそうだが。
I先生が造血効果を否定したのは、プレドニゾロン単独では造血目的で処方するほどの効果がないからだと思われる。
ゆずがプレドニゾロンを処方されたのは、あくまでも歯肉炎の痛みを止め食欲を増進させるという第一の目的があったからで、造血効果は付録程度なのだろう。

長くなってしまったが、ついでに貧血治療についてもちょっとまとめておく。
腎不全が進行すると貧血という症状が出てくる。
腎不全で何故貧血になるのかというと、腎機能の低下により、
腎臓で作られるエリスロポエチン(赤血球を造るよう「命令」するホルモン)の分泌が不足するからだ。
赤血球は骨髄で作られるものだが、エリスロポエチンという「命令」がなければ赤血球は作られない。
そういうわけで、腎不全による貧血の場合は、
人工的に作られたエリスロポエチンを注射するのが最も有効な貧血改善策となるのだ。

ただこのエリスロポエチンの注射には欠点が2つある。
第1に、即効性がない。
  ↓
ゆずの場合も効果が出るまでに1ヶ月ちょっとかかってしまった。
そのため即効性のある輸血も合わせて行い、エリスロポエチンの効果が出てくるまで持たせた。

第2に、人用のエリスロポエチンを使っているため、猫に使う場合は抗体が出来やすく、
また1度抗体が出来ると効かなくなってしまう。
  ↓
ゆずの場合は、抗体が出来るのを抑えるため、エリスロポエチンに合わせて免疫抑制作用のあるプレドニゾロンを服用した。
また、ある程度貧血が落ち着いたところでエリスロポエチンの投与を休み、抗体が出来てしまうのを先送りにした。

幸いにもゆずにはこうした治療が全て有効だった。
おかげで現在は貧血もかなり改善しエリスロポエチンの注射もお休みしている。
それもこれも、I先生、M先生、ロマノフ先生が細やかに診察し治療を進めてくれているからだ。
毎回ワンパターンな締めになるが感謝感謝の日々。

追記:そう言うわりにしっかり値下げ要求した私をどうか許して下さいね
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