☆どのみちこの道!☆

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日常+本や映画の感想を思うままに綴っています。

序の舞・・・・・・・・・・宮尾登美子

2006年03月07日 | 本(mixi日記より)
☆あらすじ☆

島村津也は、京都の小さな茶葉屋「ちきりや」を営む母(伊勢)の次女として生まれ、姉(志満)と3人の生活。幼少より絵が大好きで、画才を発揮した津也は当時の女性では入門することもめずらしい画学校へ入学し、画家を目指す。

一人の女性としての苦悩や差別、芸術の相克に悩みながら、女性日本画家として初めて文化勲章を授章。そのドラマチックな生涯を宮尾登美子が綴る。



☆感想☆

昭和57年?に朝日新聞に連載されたものの文庫版。人物の名前は変えてあるけど、画家の上村松園の一生を書いたもので、タイトル「序の舞」は松園の代表作品の一つ。

学生時代、ユーレイ美術部員だった私。。
でも、この人の美人画は素敵だったので、奈良にある松柏美術館や、たまーにある展覧会にも行っていたけども、(mixiでコミュもあるんですよ!)ここまで深く知らなかったので、びっくり。
まぁ、脚色してあるにしろ、大変な人生だわさ。。。

今の時代でも、画家として一旗挙げるのは厳しいけど、さらに女性は男性よりも劣ると思われている時代の女性は何をするにも大変やなぁとつくづく思う。
人と違うことすると、ことさら世間の風は厳しいのを痛感。

それでも絵が好き。絵を続けたいという強い気持ちと、その思いを理解し、いつも影で支えてくれた、母親の伊勢の懐の広さに感動した。若いうちから、未亡人となって二人の女の子を育て上げるだけでも、そうとうな苦労なのに、女所帯で店をして、一人は画家。母は強しというけど、それだけではないド根性を感じた。。。。。

夢を託していたんだろうなぁと思う。私が伊勢なら、応援できない。出かけてる間に、娘の絵筆を折るかもしれないw しかも、津也には絵に集中させるために、何にもさせてないらしいし。。
そんな母の姿をみて、育った津也も絵に精進していくけど、やっぱり年頃になって、恋しちゃったりすると、運命が変わってしまうのねーー。恋をするって素晴らしいけど、津也は一途すぎやし男運悪いのですよ。

それによって、スランプに陥ったり、飛躍したりで大作が生まれたんだろうけど。そんなツライ時期もあっても、成しえる精神力がある強い女性だなぁと思った。

一人の女性の一生としても読み応えがあり、実在の作品とその頃の津也の気持ちを読んで照らし合わせながら見ると、美しいだけでなく、さらに情緒的要素も深く感じる。
文体のなんともいえない、「や~らかい口調」も読みやすいので、読んでる間は、私まで京ことばになっていたw うは。

ちなみに、息子の松篁さんや、孫の淳之さんも花鳥画を得意とする日本画家で、敦之さんは、現在もご活躍されてます~
うらやますぃ~才能だw 






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