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E88CCを使った真空管フォノイコライザーアンプ 電源回路の紹介

2020-09-09 00:38:13 | オーディオ

真空管フォノイコライザーアンプの電源回路部の紹介です。

使用電圧と電流
・B電源(回路用電源): 200V 37mA (3.5mAx6、7.8mAx2)

・A電源(ヒータ用電源): 6.3V 1.2A (1個の真空管に、2回路の6.3V150mAヒータ回路)
参考にした単行本では、ヒータ電圧を6.3Vではなく、6.0V(実際にはヒーター2個をシリアルにして12.0V)が、当たり前のように採用されている。当方は、何台も作るわけではないので、冒険せずに正規の6.3Vでいくことにした

そして迷ったのが、「ヒーター用の6.3Vをどうやって作ろうか?」
結局、トランスの6.3Vを2回路直列にして、12.6Vからブリッジ整流して、14V-15Vの電圧から6.3Vに落とすことにした。1.2Aと電流値が大きいので、大きなヒートシンクが必要となる。

なお、トランスのヒータ用電流容量は、ブリッジ整流とすると 1.2Aでは足りず、1.2A/0.63=1.9A以上を選ぶ必要があるようだ。
(参考: 整流回路について (https://seppotl.web.fc2.com/zht03/acdc.html)

トランスを選ぶ
上記の使用電圧と電流に対応できるトランスは、1個しかなかった。:ゼネラルトランス販売株式会社 PMC-130

ヒータ電流は2Aで、ギリギリ。
回路用電流は130mAで、かなり余裕がある。良い音が出そうだ。

電源回路
回路図(部品配置のとき間違えないように、IC、FETは実体図で作成した。)


・B電源(200V)回路は、単行本の安井さんの作品を参考にさせていただきました。
安井さんの作品では低雑音ツェナーダイオード"HZ36L"が使われているが、既に廃品種なので、代わりにアメリカMicrosemiの"1N4126-1"(51V)を用いた。
最大ノイズの規格があり、40μV/√Hzとなっている。"HZ36L"は1mAで180μV/√Hzだから、雑音レベルが1/4の低雑音のツェナーダイオードだ。

定電流ダイオードで0.5mAの電流を、4個直列のツェナーダイオードに流し、204Vの基準電圧を作っている。FETのソースフォロアーを利用して、チャンネルごとに電圧約200Vの定電圧出力とした。

安井さんの作品で特徴的なのが、アンプ回路用電源コンデンサーとして、0.022μF(又は0.033μF)を1個しか使っていない事だ。
アンプ回路に生じる電圧・電流変動は、FETのソースフォロアー制御で全て対応することにより、「立ち上がりの良い再生音が得られる」とのこと。

FETは2nSのスイッチング動作が可能で、音声周波数帯域の電圧・電流制御は遅延なく行える。容量のあるコンデンサーを使うと、逆に充電時間が必要となるからだと思う。

今回の自作のアンプ回路用電源コンデンサーは、0.1μFが2個の0.2μFとしている。今のところ、問題は起きていない。今後行う改善改良で、コンデンサー容量を減らすつもりだ。

・A電源(6.3V)
ブリッジ整流して、チャンネルごとに6.3V定電圧レギュレータICで出力している。
その入力波形と出力電圧を示す。

上がブリッジ整流後のコンデンサー部分の波形で定電圧レギュレータの入力波形(1目盛り5V)、下が定電圧レギュレータの出力波形だ(1目盛り5mV)。

下の定電圧レギュレータの出力波形をみると、入力波形が上昇電圧になると、それを過制御して電圧を急下降させ、急上昇している。
1波長が50Hzの低周波の制御だから、トランジェント応答とは違う。多分こんな制御をする定電圧レギュレータなのだろう。

この出力波形がアンプ出力からの電源ノイズの原因になっていると思う。
今後、NS(TI)製の"LM317"又は"LM350"に変更予定だ。
(両方ともに廃品種なのか、価格が上がっている。秋月で、LM350Tを注文した。)

実装

プリント板はシャーシから5mmスペースがある。
5mm厚のアルミ棒を切断してヒートシンクとして利用した。IC、FETを固定するネジで、アルミ棒をシャーシに固定した。

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