2018年のブログです
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またまたイギリスの精神分析家のビオンさんの本です。
ビオン(祖父江典人訳)『ビオンとの対話-そして、最後の四つの論文』(1998・金剛出版)を再読しました。
こちらもなかなか難しかったです。
2割くらいは理解できたでしょうか。
やや心許ない理解ですが、じーじなりに印象に残ったことを一つ、二つ。
まず、投影同一化について。
人が好まない自分自身の部分は、その人の外部に存在しているように感じられる、ビオンさんはそう解説します。
なかなかわかりやすい説明だと思いました。
次が、キーツさんの負の能力(消極的能力)について。
知らないことに耐えることは難しい、と述べ、人は見たり聞いたりしたくないものは、打ち切りたい、と説明します。卓見です。
あと、今回、気がついたのは、ビオンさんが、人は思い出すことができないことは、忘れることもできない、と述べている点。
ここは、意識化の重要性やトラウマの扱い方などについて考えるポイントになると思われました。
最後は、面接において、大事なのは現実や事実を尊重し、それらを観察すること、をビオンさんは強調されます。
面接では、冷静に、細やかに、目の前のことを大切にすること、そして、今、ここでのできごとを大切にすることの重要性などを再度、教えられたように思います。
さらに、今後も読み重ねて、実践と照らし合わせ、理解を深めていきたいなと思いました。 (2018. 11 記)
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2021年2月の追記です
負の能力(消極的能力)について述べているところで、知らないことに耐えるのは難しい、ということから、人は見たり聞いたりしたくないものは打ち切りたい、とつなげているところは重要だと思います。
知らないこと、わからないこと、あいまいなことに人は耐えがたく、そのせいで、見ないことにしたり、聞いていないことにしたがる傾向があるということを指摘しているのだと思われます。 (2021.2 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com
そうですね
思い出せないこともつらいですが
忘れられないのももっとつらいのかもしれません
上手に受け入れる そうして生きていかなければなりません