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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

下坂幸三『摂食障害治療のこつ』2001・金剛出版-摂食障害とその家族に向き合う

2025年05月12日 | 心理療法に学ぶ

 2019年5月のブログです

     *

 精神科医で精神分析家、家族療法家の下坂幸三さんの『摂食障害治療のこつ』(2001・金剛出版)を再読しました。

 先日、同じ下坂さんの『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』(1999・岩波書店)を再読して、かなり勉強になったので、その続きです。

 この本もかなり久しぶりの再読。

 最近は摂食障害の患者さんにお会いすることがあまりないので、つい足が遠のいてしまいました。

 本書のほうが岩波本より2年後に出た本で、出版社も精神医学関係の会社からであり、少しだけ専門的かもしれませんが、基本はぶれていません。

 今回、印象に残ったことを、一つ、二つ。

 一つめは、繰り返しになりますが、面接論で、患者さんや家族の発言をなぞるように繰り返して、要約することの大切さ。

 このことはよく言われますし、たまたま、今読んでいるサリバンさんも同じことを強調していて、本当に重要な点だと思います。

 下坂さんの場合は家族面接をされますので、それを患者さんと家族の前で実践し、同意は無理でも、それぞれに確認をすることの大切さも述べられます。

 このように、それぞれの考えをていねいに聴いて要約し、みんなで確認することの重要性を下坂さんは、前書でも協調されていますが、本当に重要な点だと思います。

 じーじも家族面接で実行してみたことがありますが、特に、家族がこれまで言えなかったことを言えた、という経験をされることが多かったように思います。

 そして、下手をすると論争の場になってしまうこのような場で、治療者が治療者として生き残ることで、患者さんや家族の不安を受けとめることにもなると述べます。

 二つめは、面接のていねいさについて。

 たとえば、ものの見方が善悪に極端に分裂してしまう患者さんに、少しの反対面を確認し、患者さんの強迫性を崩すこと。

 原因より現象をていねいに語ってもらい、生身の姿を確認することで、やはり強迫性を崩すなど、現実を見据えて、互いに確認することの治療性を説きます。

 いずれも、治療現場で下坂さんが手探りで実践してこられた方法ですが、フロイトさんをご自分なりにていねいに読み解いて、実践されてきた重みが感じられます。

 空理空論でない、現場からの誠実な声に学ぶところがたくさんあります。

 さらに勉強を続けていきたいと思います。         (2019.5 記)

     *     

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  


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2 コメント

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Unknown (stagea_1963 さえちゃん)
2020-04-21 18:17:27
こんばんは。
はじめまして。私の教室のブログに訪問していただきリアクションそしてフォローまでしていただきありがとうございます♫
私もお邪魔させていただきました。
新潟にお住まいなんですね。
新潟といえば美味しいものがたくさん食べられるイメージがあります。
私もフォローさせて下さいね。
これから宜しくお願い致します。
          小松音楽教室 さえ
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コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2020-04-21 18:51:32
コメント、ありがとうございます。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
とん、とん、とん、のうたは、孫娘たちが大好きなうたで、それを弾いてくださるのは、きっといいかたに違いないと思います(?)。
これからも、いいうた、楽しいうたをいっぱい教えてくださるとオンチのじーじにはありがたいです。
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