たぶん2016年のブログです
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土居健郎さんの『甘え・病い・信仰』(2001・創文社)を再読しました。
おそらく10年ぶりくらいだと思います。
ずいぶんとご無沙汰してしまいました(土居さん、ごめんなさい)。
今回読んでみてよかったのは、「甘え」と「うらみ」と「ねたみ」の関係がとてもよく理解できたことです(今ごろになってわかったのか、とあきれられそうですが…)。
「うらみ」はじーじがずっと気になっているテーマの一つなのです。
土居さんによれば、「甘え」が十分に満たされないと「うらみ」になるということで、「うらみ」のほかに、「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」などという感情も「うらみ」に近いものだ、といいます。
そして、これは、「甘え」が満たされない状態ではあるものの、いずれも「甘える」と「甘えられない」ということの間のどこかには位置するもののようです。
一方、「ねたみ」ということは、「甘え」が全然ない状態で、憎しみだけでいっぱいの状態だと説明されます。
こうなると「甘え」が通じにくく、その感情の解消にはかなりの心的作業を要することになりそうです。
じーじなどは「うらみ」だけでもかなりてこずっていますが、さらに「ねたみ」という強敵がいることはまだまだ十分にはわかっていませんでした。
いずれ、「ねたみ」の人との出会いもあるのだろうと思います(じつはもう会っているのかもしれませんが、気づけないでいるだけなのかもしれません)。
少しでもいい援助ができるよう、今後も、さらに勉強を続けていきたいと思います。 (2016? 記)
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2020年12月の追記です
じーじが家裁調査官になった時、指導官のお一人だった山野保さんが、部屋のみなさんと一緒に「うらみ」の研究に取り組んでいらっしゃって、とても活発な議論がなされていたのを思い出します。
新米だったじーじには、当時は、何が何だかわからない状態でしたが、貴重な思い出です。
理論や研究は、やはり目の前の仕事にていねいに取り組むところから始まることを教わった気がします。 (2020. 12 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com
ぜひ、ブログでご紹介していただけると、ありがたいです。
ただ、土井さんが、他の本で、夏目漱石の精神的な病いと創造の関係について述べられているのは読んだような気もします(?)。
病いを乗り越える過程で、創造的な作業がいかに大切か、について述べておられたような気がします。
学習させて頂いています。
かなり前のことですがレポートを書くために土居健郎さんの❮「甘え」さまざま❯平成元年12月発行
の著書を読みました。その中の第4章「夏目漱石における創造の秘密」は興味深く読みました。
わたしはよく、遊びごころ、や、遊ぶこと、が大切といいますが、遊びやゆとりが生きるエネルギーになるようです。
ご参考まで。
信頼できる人との間で、少しずつ出しては直すという作業が必要になりそうです。
初めまして、シューテです
読者登録をありがとうございます
甘え、うらみ、ねたみの関係ほかブログを読ませてもらっています
ためになりますので、これからゆっくりとみさせてもらいます
今後とも、よろしくお願いいたします
「ねたみ」の感情は
個人差はあれど
誰でも持つと思います。
現実に
私にもありますから。
それを、
生活で封印出来るか否かで
病的か、否病的かが分かれると思いますが
如何でしょう??