磨き過ぎが逆効果?正しい歯磨き
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「磨き癖」見直そう 時間が短い/場所に偏り/力が強すぎ
(産経新聞) 2008年6月1日(日)08:15
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20080601031.html
健康ブームの高まりで、オーラルケアへの関心も高まっているが、虫歯や歯周病、知覚過敏など口腔(こうくう)トラブルになる人はそれほど減っていないのが実情だ。口腔トラブルの原因のほとんどは、適切なブラッシングができていないためで、それには「磨き癖」も関係しているという。6月4日からの「歯の衛生週間」に向け、自身の歯磨き習慣を見直してみては-。(平沢裕子)
歯を失う原因の7割以上は虫歯と歯周病。特に歯周病の予備軍である歯肉炎は、成人の8割以上が罹患(りかん)しているといわれる。厚生労働省の平成17年調査によると、中等度の歯周病である4ミリ以上の歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)のある人は11年に比べ、45~64歳でほぼ横ばい、65歳以上では増加の傾向にある。
一方、同調査では、歯磨きを毎日複数回する人は以前より増えており、1日2回は49%、3回以上は21%に上る。また、16年国民健康・栄養調査によると、デンタルフロスや歯間ブラシなど歯磨き用ブラシ以外の歯間清掃用具を使う人も、11年の24%から16年は37%と1・5倍に増え、オーラルケアへの意識が向上していることがうかがえる。
歯の手入れを熱心にする人が増えているにもかかわらず、口腔トラブルに悩む人がそれほど減っていないことについて、第一生命日比谷診療所の主任歯科衛生士、深川優子さんは「多くの人が『磨き癖』によって正しく歯が磨けていない」と指摘する。
深川さんが挙げる「3大磨き癖」は、「ブラッシング時間が短い」「磨いている場所に偏りがある」「必要以上に強くごしごし磨いている」で、「この癖を直すことが歯の健康への近道」という。
ブラッシング時間は、歯磨きと歯間清掃を合わせて「1日10分」が理想とされるが、実際には1回の磨き時間が1分以下で、歯間清掃を行わない人も少なくない。ブラッシング時間が短いと磨き残しが出てしまい、虫歯や歯周病になる可能性が高くなる。
また、歯の裏側や、右利きの人は右側、左利きの人は左側が磨きにくく、磨き残しになることが多い。深川さんは「人は磨きやすい場所をよく磨くため、ブラッシング時間が適切でも、磨きにくい場所は磨けていないことが多い。磨き残しを避けるためには、右上、右下、左上、左下と順番を決めて同じ時間だけ磨くようにするといい」とアドバイスする。
さらに、歯磨きのブラッシング圧は「200グラム」が理想といわれるが、手で磨く場合、それより強く磨いている人は少なくない。必要以上に強く磨くと、歯のエナメル質が削れたり歯肉が退縮したりして、虫歯でもないのに冷たい飲み物などがしみる知覚過敏になってしまう。特にかんきつ系果汁や酢漬けなど酸性飲食物を多くとる人は、歯が酸で柔らかくなっている可能性があり、強く磨くとエナメル質が削れやすいので厳禁だ。
新しい歯ブラシの毛先が1週間ぐらいで開いてしまう人は、必要以上に強く磨いている可能性があるので、適正な圧力のかけ方を歯科衛生士に指導してもらうといい。
深川さんは「磨いているのと磨けているのは違う。自身の『磨き癖』を意識して、適切なセルフケアをするとともに、半年に一度は信頼のおけるかかりつけの歯科医で歯の状態をチェックしてもらってほしい」と話している。
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「磨き癖」見直そう 時間が短い/場所に偏り/力が強すぎ
(産経新聞) 2008年6月1日(日)08:15
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20080601031.html
健康ブームの高まりで、オーラルケアへの関心も高まっているが、虫歯や歯周病、知覚過敏など口腔(こうくう)トラブルになる人はそれほど減っていないのが実情だ。口腔トラブルの原因のほとんどは、適切なブラッシングができていないためで、それには「磨き癖」も関係しているという。6月4日からの「歯の衛生週間」に向け、自身の歯磨き習慣を見直してみては-。(平沢裕子)
歯を失う原因の7割以上は虫歯と歯周病。特に歯周病の予備軍である歯肉炎は、成人の8割以上が罹患(りかん)しているといわれる。厚生労働省の平成17年調査によると、中等度の歯周病である4ミリ以上の歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)のある人は11年に比べ、45~64歳でほぼ横ばい、65歳以上では増加の傾向にある。
一方、同調査では、歯磨きを毎日複数回する人は以前より増えており、1日2回は49%、3回以上は21%に上る。また、16年国民健康・栄養調査によると、デンタルフロスや歯間ブラシなど歯磨き用ブラシ以外の歯間清掃用具を使う人も、11年の24%から16年は37%と1・5倍に増え、オーラルケアへの意識が向上していることがうかがえる。
歯の手入れを熱心にする人が増えているにもかかわらず、口腔トラブルに悩む人がそれほど減っていないことについて、第一生命日比谷診療所の主任歯科衛生士、深川優子さんは「多くの人が『磨き癖』によって正しく歯が磨けていない」と指摘する。
深川さんが挙げる「3大磨き癖」は、「ブラッシング時間が短い」「磨いている場所に偏りがある」「必要以上に強くごしごし磨いている」で、「この癖を直すことが歯の健康への近道」という。
ブラッシング時間は、歯磨きと歯間清掃を合わせて「1日10分」が理想とされるが、実際には1回の磨き時間が1分以下で、歯間清掃を行わない人も少なくない。ブラッシング時間が短いと磨き残しが出てしまい、虫歯や歯周病になる可能性が高くなる。
また、歯の裏側や、右利きの人は右側、左利きの人は左側が磨きにくく、磨き残しになることが多い。深川さんは「人は磨きやすい場所をよく磨くため、ブラッシング時間が適切でも、磨きにくい場所は磨けていないことが多い。磨き残しを避けるためには、右上、右下、左上、左下と順番を決めて同じ時間だけ磨くようにするといい」とアドバイスする。
さらに、歯磨きのブラッシング圧は「200グラム」が理想といわれるが、手で磨く場合、それより強く磨いている人は少なくない。必要以上に強く磨くと、歯のエナメル質が削れたり歯肉が退縮したりして、虫歯でもないのに冷たい飲み物などがしみる知覚過敏になってしまう。特にかんきつ系果汁や酢漬けなど酸性飲食物を多くとる人は、歯が酸で柔らかくなっている可能性があり、強く磨くとエナメル質が削れやすいので厳禁だ。
新しい歯ブラシの毛先が1週間ぐらいで開いてしまう人は、必要以上に強く磨いている可能性があるので、適正な圧力のかけ方を歯科衛生士に指導してもらうといい。
深川さんは「磨いているのと磨けているのは違う。自身の『磨き癖』を意識して、適切なセルフケアをするとともに、半年に一度は信頼のおけるかかりつけの歯科医で歯の状態をチェックしてもらってほしい」と話している。