中間玲子のブログ

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血液型と性格の関係

2010-07-23 12:06:05 | 研究日記
昨日、一昨日に関して、まとめのような記事です。

以前、中部大学の小塩真司さん『あなたとわたしはどう違う?』という本を書きました。

書評にもあるように、
それぞれの章に、Qコーナーを設け、巻末に、その答えの1つを示しています。

小塩さんの担当した部分に、
「血液型とパーソナリティについて考える」という章がありました。

そこでは、それらが関係あるかないかについてではなく、
なぜ、「それらを関係があると考えてしまうのか」ということをとりあげ、
その要因としての人間の思考のパターンについて説明されています。
この辺りは、以前書いた、クリティカル・シンキングの問題に
関わるところです。

そしてその章末のQに、こんなのがとりあげられました。

「私はB型ですが、たかが血液型を大まじめに信じている人がいるのでしょうか。
 私は会ったことがありません。」


それに対する答えの1つとして、小塩さんが出しているのは、以下。

「あなたも「個人的な経験のみを信じる」という思考に陥っています。
 それは、「私には当てはまるから信じる」という思考と同じです。
 「血液型と性格には絶対に関係がある」と頭から信じ込むことも、
 「血液型と性格の関係なんてない」と頭から否定してしまうことも、
 十分に考えていないという点では同じ事なのです。」


学生達は、研究を批判的に読むということが難しいと言います。
書かれてある研究を正しいものだと信じてしまうからです。
でもそれじゃダメだ、と思った学生は、一生懸命批判的に読もうとして、
その研究の「これがダメ」「あれがダメ」と、
一生懸命その研究を否定しようと頑張ってしまうことがあります。

でも批判的に読むっていうのは、否定とは違うんですよね。
たとえば上記のような点を、
その違いを考える1つのポイントとして
あげることができるかもしれません。
だからこそ、批判的に読むのは難しいのだと思います。
「反論したい!」という気持ちに凌駕されてしまったら、
頭から否定してかかってその論文を読むという姿勢に
陥ってしまうんですよねえ…