中間玲子のブログ

仕事のこととか日々のこととか…更新怠りがちですがボチボチと。

できる子・できない子

2010-07-20 23:59:59 | 自己理解
いつものピアノの先生の話。

昔、ある女の子がお母さんに連れられてやってきた。
その子の2つ上のお兄ちゃんがすでにピアノを習っていて、
いつもその子はお母さんについてきていた。
その子が自分もやりたいと言っているし、
3歳になったので、始めさせたいとのことだった。

ピアノの前に座らせる。
楽しそうに鍵盤を叩く。
だが、いざ、教本になるとまったく弾けない。
最初の曲はきらきら星。
ドのところに先生が指を置く。
だが、どうしてもソにいかないのだそうだ。
鍵盤を叩くが弾けない。そんな時間が延々続く。

お母さんはこう言った。
「この子は能力が悪いんじゃないだろうか。ピアノは無理かもしれない。」
お兄ちゃんは上手に弾けていたのにこの子はどうもうまくできない。
日常の色々な出来事が、この子はお兄ちゃんと比べてうまくやれていない。
無理してさせるのもかわいそうなのではないか。お母さんはそう考えた。

先生は言った。
「そんなことはないと思う。私にはそうは思えない。
 ちょっと待ってみよう。」

それからおよそ2ヶ月間の間、
先生はその女の子と歌ったり踊ったりして過ごした。
ただただ、そのような時間を過ごした。

そしてある日、ピアノの前に座らせてみた。
すると、きらきら星が弾けた。
そして次の曲、次の曲・・・と驚くような早さで
その子は教本を進めていった。

その先生は言う。
あのときは、「弾く」というところまで発達していなかったんだろうね、と。
能力があるないではなく、
その能力が出せるところまで発達していなかったんだと。

この子の場合、先生が待ったのはたった2ヶ月。
親は、でも、その2ヶ月が待てずに、結論を出そうとしていた。

先生は待ってくれたんだなあ。

私は全然覚えていませんが、
これが、私とピアノの先生との出会いのお話だそうです。